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タックスヘイブンの闇 世界の富は盗まれている！ 単行本 – 2012/2/7

4.2 5つ星のうち4.2 32個の評価
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世界中で行われている金融取引の半分はケイマン島やバージン島などのタックスヘイブン（租税回避地）を経由している。世界三大バナナ会社からマードック率いるニューズコーポレーションまで、タックスヘイブンを利用しない大企業などなく、そこを経由した資金が様々な政治腐敗を生み出し、途上国の貧困をますます悲惨なものにしている。世界金融の中心地に君臨するニュヨークのウォール街やロンドンのシティ、また近年著しい発展を遂げているドバイ、上海、香港などの振興金融都市は、いたるところに存在するタックスヘイブンをどのように利用し、世界から巨万の富を「盗み取って」いるのか？　『フィナンシャル・タイムス』紙、『エコノミスト』誌などの名門メディアで活躍する国際ジャーナリストが、タックスヘイブンの闇に迫る渾身のノンフィクション。
〈目次〉
プロローグ　表玄関から出て行って横手の窓から戻って来た植民地主義
第１章　どこでもない場所へようこそ・オフショア入門
第２章　法律的には海外居住者・ヴェスティ兄弟への課税
第３章　中立という儲かる盾・ヨーロッパ最古の守秘法域、スイス
第４章　オフショアと正反対のもの・ジョン・メイナード・ケインズと金融資本に対する戦い
第５章　ユーロダラーというビッガーバン・ユーロダラー市場、銀行、および大脱出
第６章　クモの巣の構築・イギリスはどのように新しい海外帝国を築いたのか
第７章　アメリカの陥落・オフショア・ビジネスに対する姿勢を危惧から積極的参加に切り替えた変えたアメリカ
第８章　途上国からの莫大な資金流出・タックスヘイブンは貧しい国々をどのように痛めつけるか
第９章　オフショアの漸進的拡大・危機のルーツ
第10章　抵抗運動・オフショアのイデオロギーの戦士との戦い
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  1. 本の長さ
    464ページ
  2. 言語
    日本語
  3. 出版社
    朝日新聞出版
  4. 発売日
    2012/2/7
  5. ISBN-10
    4023310026
  6. ISBN-13
    978-4023310025
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  • 出版社 ‏ : ‎ 朝日新聞出版 (2012/2/7)
  • 発売日 ‏ : ‎ 2012/2/7
  • 言語 ‏ : ‎ 日本語
  • 単行本 ‏ : ‎ 464ページ
  • ISBN-10 ‏ : ‎ 4023310026
  • ISBN-13 ‏ : ‎ 978-4023310025
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    4.2 5つ星のうち4.2 32個の評価

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上位レビュー、対象国： 日本

いばらきあきお
5つ星のうち5.0 イギリスの植民地（を確保する）気質
2022年6月28日に日本でレビュー済み
Amazonで購入
面白く、そして、ムカつく実態が。

とてもわかりやすく書いてありました。勉強になります。有名な○○○社長とかも、タックスヘイブンの顧客だったような、、、
役に立った
 レポート
ｃｏｓｍｏｓ
5つ星のうち5.0 商品の包装の丁寧さに　志が感じられました．
2022年7月29日に日本でレビュー済み
Amazonで購入
本の状態は　完璧に近く良かったです。
内容については　まだ読み始めていないので残念ながらコメントできません。
役に立った
 レポート
Tomokichi
5つ星のうち4.0 タックスヘイブンが世界経済を蝕み、貧富格差を拡大する
2016年4月12日に日本でレビュー済み
　ケイマン諸島、バミューダなどタックスヘイブン（租税回避地）と呼ばれる島国は、法人税率を下げ守秘性を担保して海外資本を誘い込んでいるが、それがその国の意志で選択された政策かというと否である。

　こういったオフショアの国はマンハッタンやロンドンの金融機関に乗っ取られ、金利や金融規制を自由に操られた「出先機関」に過ぎないのだ。表面上は独立を保った国に見せかけ、その実、欧米金融機関が乗っ取り、税制を自由に操っている。いまや世界中のすべての銀行資産の半分以上、及び多国籍企業の海外直接投資の３分の１がオフショアを経由して送金されている。現在、ケイマン諸島には８万社の企業が登記し、世界のヘッジファンドの４分の３以上と１兆９０００億ドルの預金が置かれている。タックスヘイブンは欧米金融機関の脱税ツールなのだ。

　今もなお、世界最大のタックスヘイブンとして存在するのはスイスだという。09年の数字では、非居住者のオフショア口座は２兆１０００億ドルにものぼる。スイスの金融機関が顧客の秘密を守るようになったのは、ナチスの迫害から逃げたユダヤ人の資産を守るためだったと喧伝されているが、真っ赤なウソである。スイスは公式にユダヤ人を受け入れなかったどころか、「ヒトラーの金庫」の役割を果たし、紛争当事国の両者に融資して莫大な利益を挙げてきた。

　税を監視するＮＰＯタックス・ジャスティス・ネットワークは富裕な個人がオフショアに保有している資産は11兆５０００億ドルに相当すると推定。世界の富の総額の４分の１に相当し、アメリカのＧＤＰ総額に匹敵する。

　オフショアには、脱税や横領、麻薬密売、マネーロンダリングなどのダーティマネーが流れているが、多国籍企業の大多数も「移転価格操作」という手法でオフショアを租税回避に利用している。事業の利益を税率の低いタックスヘイブンで計上し、コストを税率の高い国に移して、支払うべき税金を最小化するのである。

　富裕層や多国籍企業が租税を回避すれば、国家の税収は不足する。そのツケを支払わされるのは一般国民である。しかも、先進国とアフリカやアジアなどの貧国との間でも、オフショアは格差拡大に関わっている。
「銀行はまず、これらの国に生産的に使える額よりはるかに多額の資金を貸し付け、それから現地のエリートたちに、富を略奪し、隠匿し、洗浄し、こっそりオフショアへ持ち出す方法を教えた」
　80年代のフィリピンでは、政府が受けとった海外借款の内、50億ドルがどこかへ消え、その内35億ドルはマルコス大統領の懐に入り、オフショアに消えていた。
　アフリカなどの発展途上国が、石油などの地下資源に恵まれているのにも関わらず、貧しいままなのは、オフショアがあるからだ。米研究機関のグローバル・ファイナンシャル・インテグリティによれば、年間１兆ドルもの不正な資金が途上国から流出しているという。

　日本でも高額所得者の所得税や相続税が引き下げられてきたが、財政危機にある今、なぜ税率を引き上げないのかというと、海外のタックスヘイブンに逃げてしまうからで、割りを食っているのは一般の庶民だ。オフショアが世界経済を蝕み、貧富格差を拡大する様に背筋が凍るはずである。
6人のお客様がこれが役に立ったと考えています
役に立った
 レポート
黒猫
5つ星のうち5.0 まさに闇に包まれたマネー
2018年1月3日に日本でレビュー済み
Amazonで購入
一昨日の読売新聞が、中国の習近平国家主席や温家宝前首相らの親族十数人が、租税回避地（タックスヘイブン）として知られる英領バージン諸島の会社を通じて資産を運用していると伝えました。
２０００年以降だけでも推計１兆～４兆ドルの資産を中国から流出させたとのことです。
もちろん中国のスポークスマンはこれを否定しましたが、誰も信じないでしょう。
中国の指導者たちが自国の通貨、ひいては自国の政府、国民を信用してないからの行動であることは自明です。
世界の多くの富裕層、多国籍企業、銀行、アラブマネー、イギリスなどの皇室、ロスチャイルドなどユダヤ・マネー、犯罪マネーが、タックスヘイブンとしてのオフショアーに口座を持ち、自国の税金から逃れています。
規模は年々大きくなっています。
自由化、規制緩和、グローバル化の流れです。
ほぼ世界経済の年間総生産に匹敵する規模の金額が各国の中央銀行やIMFのコントロール外です。
これが国際金融を不安定化させています。
スイスぐらいが、かねてよりその秘密性でタックスヘイブンとして名をはせていましたが、シティーのビッグバン以降、グローバル規模でのタックスヘイブンの規模は拡大の一方です。
お金は、強欲なくせに臆病です。
秘匿性が強く安全な場所を求めるお金にとって、今の時代は都合がいいと思われます。
タックヘイブンの実態は、非公開性、秘密性からよくわかりません。
ＢＩＳや金融機関が発表したデータをもとに学者は発言していますが、納得のいく内容のものはありません。
いかにも書ききるだけの資料が乏しいようです。
2011年にイギリスのジャーナリスト、ニコラス・シャクソンが発表した「タックスヘイブンの闇」が読み応えがあります。
オフショアーの現場に足を運び実態を調べています。
残念ながらほとんど取材拒否の厚い壁ですが、数少ない現場取材とデータで、歴史・実態・リスクについて書かれています。
世界的な金融危機がいつ起こっても不思議でない、と納得できます。
4人のお客様がこれが役に立ったと考えています
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Rio Negro
5つ星のうち3.0 新自由主義的グローバリゼーションの象徴
2013年10月17日に日本でレビュー済み
本書は新自由主義的グローバリゼーションの象徴とも言えるタックスヘイブンが私達の社会についてどのような歪みをもたらしているかを多面的に描き出している。
イギリスが国策としてタックスヘイブンネットワークの構築を推し進めた歴史や、金融取引を厳しく規制していたアメリカが見方によっては世界で最も重要なタックスヘイブンに変貌した経緯、更にはオフショア世界の総本山シティオブロンドンの特異性など、興味深い物語が幾つも語られる。
1人のお客様がこれが役に立ったと考えています
役に立った
 レポート
norio
5つ星のうち5.0 利益は己、税金は庶民。
2018年7月15日に日本でレビュー済み
Amazonで購入
グローバリスト、多国籍企業の力の源泉、無税の絡繰りが理解できる良書。
金で政治家もシステムも全て買えるオフショア。
悪は腐敗し、やがて自滅することは歴史の証明するところですが、次のシステムの担い手には是非熟読して欲しい良書です。
1人のお客様がこれが役に立ったと考えています
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木村 貴
5つ星のうち1.0 財産権への憎悪
2014年7月16日に日本でレビュー済み
タックスヘイブン（租税回避地）は悪であるという国家の宣伝を信じて疑わないジャーナリストによる、私有財産権への憎悪に満ち満ちた書である。

タックスヘイブン擁護派は、私有財産は侵すべからざるものであり、課税は窃盗だと主張する。この主張に著者は次のように異を唱える。

「財産権は課税規範を含む法的・政治的規範の総合的な体系から生まれるものだ。だとすると、課税は窃盗であると主張するのは、課税に反対するために、課税がその重要な一部をなす体系を武器として使うということだ。これは循環論法だ」（293頁）。もったいぶった言い方でわかりにくいが、ようするに、財産権は国家様が下々に与えてくださるものだから、その財産権を楯にとって、同じ国家様が必要となさる課税を非難するのはけしからん、というのである。

しかし財産権とは、個人が本来持つ権利であり、国家から与えられるものではない。財産権の保護が十分といえない日本国憲法でさえ、第29条で「財産権は、これを侵してはならない」と表現している。「財産権は、政府がこれを保障する」ではない。財産権を根拠に政府を批判するのは、なにもおかしくない。

著者は、タックスヘイブンが課税を減免するせいで、他の国から資本が逃げ出すから、タックスヘイブンは他の国を苦しめると述べる（294頁）。これは理不尽きわまる言い分だ。もしこの言い分が正しければ、奴隷の国から逃げ出した奴隷をかくまう自由な国は、労働力を奪うことで奴隷の国を「苦しめ」たと非難されなければならない。そんな馬鹿な話はなかろう。ちなみに日本国憲法第22条は、外国移住の自由を財産権と同じく、「侵されない」と表現している。

タックスヘイブンが資金洗浄などに悪用されるのは事実である。しかしだからといってタックスヘイブンそのものを悪と決めつけるのは、犯罪に利用されることがあるという理由で携帯電話やインターネットを非難するのと同じくらい、愚かなことである。そのような愚かな考えを読者に刷り込む本書こそ、他の多くの類書とともに、非難されなければならない。
9人のお客様がこれが役に立ったと考えています
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Max-T
5つ星のうち5.0 国際金融ビジネスのダークサイドを暴く
2012年4月22日に日本でレビュー済み
Amazonで購入
著者はニコラス・シャクソンというFTのジャーナリスト。

犯罪マネー、汚職マネー、脱税マネー、節税マネーなど黒からグレーまでのありとあらゆるマネーがタックスヘイブンの守秘義務を隠れ蓑に流れ込んでいることを語っている。守秘義務というよりは、タックスヘイブンは設立法人の情報をほとんど求めないことにより、ダークサイドのマネーにとって「そもそも情報がないことによる究極の守秘法域」を提供しているという。

先進国や国際機関からの途上国への援助資金も、ざるで水を汲むようなもので、必要な活動に投じられるのは一部に過ぎず、残りは腐敗官僚、政治家に着服されて国外に流出し、そのルートにタックスヘイブンがなっている。

ロンドンやウォールストリートの金融業界は、規制が極めて緩く、金融資本にとってやりたい放題のタックス・ヘイブンのネットワークを隠れ蓑に使って、ブラックマネー、グレーマネーの流れに手を貸し、自らもそこに各種のペーパーカンパニー（SPCなど)を作り、やりたい放題やってると批判する。

中央銀行（Bank of Englandが特に批判されている）や先進国の金融監督当局も、この国際金融のダームサイドに対して目をつぶったり、あるいは「ロンドンの国際金融ビジネスでの優位を維持するため」に積極的に関与してきたと言う。

タックスヘイブンは独立国、あるいは自治領であったりして、外国政府や金融監督当局は直接関与できないというのは、実は虚構で、金融資本は国内の政治家と結託して背後で影響力を行使し、タックスヘイブンを使い勝手が良いように支配しているとも語っている。

米国ではデラウエア州が事実上の「国内タックスヘイブン」になっているとして１章があてられている。

金融に関する著者の見解には、いくつか的外れな個所もあるが、莫大な取材と文献調査を積み重ねていることは読めばわかる。　著者は思想的には左派であるが、現在の国際マネーフローのダークサイドを指摘する内容は一読に値する。私も本書を読んで、金融ビジネスの透明化のためにタックスヘイブンに対する国際ルールの強化が必要だと感じた。
54人のお客様がこれが役に立ったと考えています
役に立った
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