本書では、各章でトルコのイスラム社会における
「名誉の殺人」の事例を1件ずつ紹介している。
サブタイトルにもあるように
「母、姉、妹、娘を殺した男達と
その犠牲者の忌まわしい物語」だ。
現代社会
とりわけ支那や北朝鮮のような自由の無い国ではなく
日本や欧米のような自由主義社会で
生きている人々には想像もできない程
悲惨な社会が、今も厳然と存在する。
イスラム教徒全体では無く
一部のイスラム教徒の話だが
娘が生まれた瞬間、許嫁が決められるそうだ。
そのため、娘が成長し
他の男性と付き合っていることが発覚すると
「名誉の殺人」の対象になる。
「名誉の殺人」は、父親自ら実行することもあれば
家族会議を開いて、若年の兄弟を実行者として
選出することもある。
なぜならば、若ければ
収監される年数が短くて済む可能性が高いからだ。
実行者の中には、「後悔している」という者も稀にいるが
ほとんどは、「自分は神の教えに従っただけだ」と
一切、良心の呵責を抱かない者がほとんどである。
当方は、「多様な価値観や意見を認める」という立場だが
さすがに、「名誉の殺人」を擁護する気にはなれない。
とにかく悲惨過ぎて、1章読んだ後
すぐに次の章に移るということができず
暫く時間を空けてから、次の章を読む
ということを繰り返したので
思いのほか、読破に時間が掛かった。

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名誉の殺人 母、姉妹、娘を手にかけた男たち (朝日選書) 単行本 – 2013/8/9
中東やアフリカ、南アジアなどの古い価値観が残る社会で起きている「名誉の殺人」。婚前・婚外交渉を行ったり、親の認めていない男性とつきあったりした女性が、父親や兄弟の手で「家族の名誉」を守るために殺される。犠牲者は世界中で年間5000人にのぼるという。
著者は、母や妻、姉妹、娘を殺害して収監されたトルコ人の男たちにインタビューし、10のケースを本書で取り上げる。男たちは、迷いなく殺したのではない。その任をこなさなければ、共同体で生きていくことができなかったのだ。名誉とはなんなのか? 男たちは後悔しているのか――?
暴行の末やがて殺される女性たちの悲劇だけでなく、一族の名誉に押しつぶされる実行した男たちの傷、それらの傷に苦しみ続ける家族の姿をリアルに伝える衝撃のノンフィクション。
著者は、母や妻、姉妹、娘を殺害して収監されたトルコ人の男たちにインタビューし、10のケースを本書で取り上げる。男たちは、迷いなく殺したのではない。その任をこなさなければ、共同体で生きていくことができなかったのだ。名誉とはなんなのか? 男たちは後悔しているのか――?
暴行の末やがて殺される女性たちの悲劇だけでなく、一族の名誉に押しつぶされる実行した男たちの傷、それらの傷に苦しみ続ける家族の姿をリアルに伝える衝撃のノンフィクション。
- 本の長さ330ページ
- 言語日本語
- 出版社朝日新聞出版
- 発売日2013/8/9
- ISBN-104022630078
- ISBN-13978-4022630070
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登録情報
- 出版社 : 朝日新聞出版 (2013/8/9)
- 発売日 : 2013/8/9
- 言語 : 日本語
- 単行本 : 330ページ
- ISBN-10 : 4022630078
- ISBN-13 : 978-4022630070
- Amazon 売れ筋ランキング: - 521,617位本 (本の売れ筋ランキングを見る)
- カスタマーレビュー:
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トップレビュー
上位レビュー、対象国: 日本
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2018年1月13日に日本でレビュー済み
Amazonで購入
2015年12月2日に日本でレビュー済み
Amazonで購入
内容はショッキングなもので、とても現在、実際に起きているとは信じられないものです。日本がいかに平和な国かと。一昔前、どこの国でも似たようなことがあったのです。女性は誰かに所属するものだったのです。訳本ですが、とても自然な訳で素晴らしいです。
2020年8月17日に日本でレビュー済み
神が婚姻外性交渉を禁じられる理由は、婚姻外性交渉を認めていたらノアの洪水の時と同じになるからです。
他国で起きている名誉の殺人も婚姻外性交渉を罰する慣習です。只、婚姻外性交渉をした男も罰するべきだと思いますが。
ノアの洪水とは、ノアの時代は全ての人が女性を虐めていました(ノア一家を除く全ての人)。この虐めとはSMなどです。
これは平等にするために神が全ての人を悪人にされたのです。平等にするためだから神はこの地を創造したことを
後悔してもすぐには人々を滅ぼさず、ノアに箱舟をつくらせた後に洪水で人々を抹殺されたのです。
ちなみに女性が虐められるのが好きという法則をつくられたのも神ですが。
日本も本来なら婚姻外性交渉を認めてはいけないと思います。
他国で起きている名誉の殺人も婚姻外性交渉を罰する慣習です。只、婚姻外性交渉をした男も罰するべきだと思いますが。
ノアの洪水とは、ノアの時代は全ての人が女性を虐めていました(ノア一家を除く全ての人)。この虐めとはSMなどです。
これは平等にするために神が全ての人を悪人にされたのです。平等にするためだから神はこの地を創造したことを
後悔してもすぐには人々を滅ぼさず、ノアに箱舟をつくらせた後に洪水で人々を抹殺されたのです。
ちなみに女性が虐められるのが好きという法則をつくられたのも神ですが。
日本も本来なら婚姻外性交渉を認めてはいけないと思います。
2018年7月21日に日本でレビュー済み
名誉の殺人という非常に闇の深い問題について少しでも知っておきたく、本著を手に取りました。
サブタイトルに「母、姉妹、娘を手にかけた男たち」とあるように、殺害した側が何を思って何故そうしたかを読み取りたかったのですが、なにぶん視点が加害者側でなく殺された少女であったり加害者の母親であったりする事に加えて筆者が知り得ないはずの記述が多く、現実味のない小説のように仕上がっています。
加害者にインタビューをしての著作なのに、なぜ加害者目線から書いてくれなかったんでしょうか……。
「男性たちは何故そうしなければならなかったのか。」一番知りたかったその点は「そういう文化・環境で育ったから」しかなく、とりわけ掘り下げられてはいません。
リアルなドキュメンタリーを求めている方にはオススメできないです。
サブタイトルに「母、姉妹、娘を手にかけた男たち」とあるように、殺害した側が何を思って何故そうしたかを読み取りたかったのですが、なにぶん視点が加害者側でなく殺された少女であったり加害者の母親であったりする事に加えて筆者が知り得ないはずの記述が多く、現実味のない小説のように仕上がっています。
加害者にインタビューをしての著作なのに、なぜ加害者目線から書いてくれなかったんでしょうか……。
「男性たちは何故そうしなければならなかったのか。」一番知りたかったその点は「そういう文化・環境で育ったから」しかなく、とりわけ掘り下げられてはいません。
リアルなドキュメンタリーを求めている方にはオススメできないです。
2013年9月1日に日本でレビュー済み
21世紀の今日でも、女性として日本社会を生きていると、
「それはないでしょ」という不公平さを何かにつけて感じることが多いものです。
しかし、この書物で紹介されているトルコのイスラム女性達の悲惨な姿は、
先進国における女性差別などとは全くケタの違う、まさに想像を絶するもので、
読み進んでいくと、頭がクラクラし、言葉を失います。
ひとかけらの自由も、人生のよろこびも与えられることなく、
ただひたすら男性から殴られ、蹴られ、挙句にはむごたらしいリンチで惨殺されていく女性たち。
どうしてこの人たちはこんなに苦しまなくてはならないのですかと、天に向かって毒づきたくもなります。
女性にかくも過酷な生を強いている彼等の社会と文化。
それを「野蛮!」と糾弾するのはたやすいことです。
ですが、長い歴史の中で、おそらくはそれなりの必然性があって醸成されてきたであろう、かの地の人々の風俗習慣を、
我々異文化圏の人間の目にいくら理不尽に映るからと言って、頭ごなしに否定し、木端微塵に破壊することが、果たして正しいことでしょうか。
かの地の女性を現在の境遇から解放し、我々先進国の女性と変わらぬ自由を与えれば、
彼等の社会は今よりずっと幸福な場所になっていくのでしょうか。
この書物の迫真のルポを読めば読むほど、
私はかえって、自分がどう行動したらよいのか分からなくなってしまいました。
要するに、この書物は「答え」は与えてくれません。
ですが、女性とはどうあるべきか。男性とはどうあるべきか。社会とはどうあるべきか。
かつてないほどの真剣さで考えさせてくれるはずです。
女性も一定の自由を手に入れた今日の日本社会では、かえって自由の有難味が分かりにくくなっているところがあるように思えますが、
そんな時代だからこそ、この書物は読まれなければならないのではないでしょうか。
自らの手に入れた自由がいかに尊いものであるかを、改めてしみじみと思いやる一方、
それを求めて闘っている女性達にいくばくかの援助ができる機会がめぐってきた時には、迷わず、決然と行動できる、
そんな心構えだけは身につけておきたいものです。
「それはないでしょ」という不公平さを何かにつけて感じることが多いものです。
しかし、この書物で紹介されているトルコのイスラム女性達の悲惨な姿は、
先進国における女性差別などとは全くケタの違う、まさに想像を絶するもので、
読み進んでいくと、頭がクラクラし、言葉を失います。
ひとかけらの自由も、人生のよろこびも与えられることなく、
ただひたすら男性から殴られ、蹴られ、挙句にはむごたらしいリンチで惨殺されていく女性たち。
どうしてこの人たちはこんなに苦しまなくてはならないのですかと、天に向かって毒づきたくもなります。
女性にかくも過酷な生を強いている彼等の社会と文化。
それを「野蛮!」と糾弾するのはたやすいことです。
ですが、長い歴史の中で、おそらくはそれなりの必然性があって醸成されてきたであろう、かの地の人々の風俗習慣を、
我々異文化圏の人間の目にいくら理不尽に映るからと言って、頭ごなしに否定し、木端微塵に破壊することが、果たして正しいことでしょうか。
かの地の女性を現在の境遇から解放し、我々先進国の女性と変わらぬ自由を与えれば、
彼等の社会は今よりずっと幸福な場所になっていくのでしょうか。
この書物の迫真のルポを読めば読むほど、
私はかえって、自分がどう行動したらよいのか分からなくなってしまいました。
要するに、この書物は「答え」は与えてくれません。
ですが、女性とはどうあるべきか。男性とはどうあるべきか。社会とはどうあるべきか。
かつてないほどの真剣さで考えさせてくれるはずです。
女性も一定の自由を手に入れた今日の日本社会では、かえって自由の有難味が分かりにくくなっているところがあるように思えますが、
そんな時代だからこそ、この書物は読まれなければならないのではないでしょうか。
自らの手に入れた自由がいかに尊いものであるかを、改めてしみじみと思いやる一方、
それを求めて闘っている女性達にいくばくかの援助ができる機会がめぐってきた時には、迷わず、決然と行動できる、
そんな心構えだけは身につけておきたいものです。
2014年1月1日に日本でレビュー済み
書名の「名誉の殺人」とは、婚前・婚外性交渉を行ったり、親の認めていない男性とつきあったりした女性を、その女性の父親や兄弟が「家族の名誉」を守るために殺すこと。場合によっては、会話を交わしただけでも、危険が及ぶ。
本書は、その「名誉の殺人」について取材を重ね、具体的な状況を明らかにするとともに、実行した父や兄弟たちにインタビューをまとめたものである。
「名誉の殺人」を実行しない場合、周囲から軽蔑されることもあるが、一方で「名誉」を守るために殺人を行っても、実行者は刑法上の裁きを受け、ほかの一族も転居などを強いられるなどの社会的制裁を受けている。そのため、徹底して女性を管理するという方向性になっていく。
要するに、それぞれの女性を、一人の人間として考えるのではなく、男性もしくは家族全体の“付属物”“持ち物”と考えているように感じる。少なくとも、人格を認めているとは、とても思えない。ここにこそ、根本の問題があるのだろう。
「あとがき」に書かれたデータによれば、2000年から2005年まで、「名誉の殺人」で死んだ女性は、平均で毎年300人以上。自殺に追い込まれた女性は、そのほぼ3倍。
本書に書かれた事実とその数字を知ると、どうしようもないやりきれなさに襲われる。
本書は、その「名誉の殺人」について取材を重ね、具体的な状況を明らかにするとともに、実行した父や兄弟たちにインタビューをまとめたものである。
「名誉の殺人」を実行しない場合、周囲から軽蔑されることもあるが、一方で「名誉」を守るために殺人を行っても、実行者は刑法上の裁きを受け、ほかの一族も転居などを強いられるなどの社会的制裁を受けている。そのため、徹底して女性を管理するという方向性になっていく。
要するに、それぞれの女性を、一人の人間として考えるのではなく、男性もしくは家族全体の“付属物”“持ち物”と考えているように感じる。少なくとも、人格を認めているとは、とても思えない。ここにこそ、根本の問題があるのだろう。
「あとがき」に書かれたデータによれば、2000年から2005年まで、「名誉の殺人」で死んだ女性は、平均で毎年300人以上。自殺に追い込まれた女性は、そのほぼ3倍。
本書に書かれた事実とその数字を知ると、どうしようもないやりきれなさに襲われる。
2013年8月25日に日本でレビュー済み
名誉殺人についての和書はいくつかありますが、これはトルコ人ジャーナリストによる、複数のケースのドキュメンタリー。殺人は既になされているものがほとんどなので、それを実行した父親や男兄弟で服役中の方へのインタビューなどです。名誉殺人を行っても一族誰も幸せにならない、しかし実行されなければならない、というジレンマに溢れています。そんなのやめれば、と思うのは簡単ですが、そうはいかないなと。不調な時に読むと体調を崩しかねませんので、気を付けた方がいいかもしれません。
2018年6月3日に日本でレビュー済み
中東や南アジアで多発してる名誉殺人、その殺人者たちは主に男性の親族だが、一体なぜ彼らは身内を殺すような残虐なことに手を染めるのか?に迫ったノンフィクション
読んでみてわかったのは殺してる本人たちもなにも好きでやっているわけではなく、そうせざるを得ない事情があるということ
殺された女性たちは不倫や浮気を行った、或いは「行ったと見なされた」女性たちですが、一端このような行為を行ったと周囲にレッテル貼りされてしまうと、例えまったく身に覚えがなくともその取り消しはできず、弁明も相手にされない
そして、このような女性を放置しておくことはその一族全体の不名誉とみなされてしまい、地域の中で孤立し、嫌がらせをされ、そこで生活をすることができなくなってしまう
そこで、やむをえず父親が兄弟があるいは息子がその母を娘を姉妹を殺すことによって、けじめをつけることが求められてしまう
このような事件が報道されるとすぐイスラムと関連づけられたような見当違いな言説が横行しますが、背景にあるのは地域共同体からの圧力であり、女性は男性によって管理されるべきという権威主義的な男権思想であって、あまり宗教は関係がないことが本書でわかります
それにしてもトルコという中東の国々の中では比較的に開けた国でもこのような事件が多発してるとは意外でした
読んでみてわかったのは殺してる本人たちもなにも好きでやっているわけではなく、そうせざるを得ない事情があるということ
殺された女性たちは不倫や浮気を行った、或いは「行ったと見なされた」女性たちですが、一端このような行為を行ったと周囲にレッテル貼りされてしまうと、例えまったく身に覚えがなくともその取り消しはできず、弁明も相手にされない
そして、このような女性を放置しておくことはその一族全体の不名誉とみなされてしまい、地域の中で孤立し、嫌がらせをされ、そこで生活をすることができなくなってしまう
そこで、やむをえず父親が兄弟があるいは息子がその母を娘を姉妹を殺すことによって、けじめをつけることが求められてしまう
このような事件が報道されるとすぐイスラムと関連づけられたような見当違いな言説が横行しますが、背景にあるのは地域共同体からの圧力であり、女性は男性によって管理されるべきという権威主義的な男権思想であって、あまり宗教は関係がないことが本書でわかります
それにしてもトルコという中東の国々の中では比較的に開けた国でもこのような事件が多発してるとは意外でした