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『源氏物語の時代』一条天皇と后たちのものがたり (朝日選書) 単行本 – 2007/4/10
山本 淳子
(著)
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『源氏物語』を生んだ一条朝は、紫式部、清少納言、安倍晴明など、おなじみのスターが活躍した時代。藤原道長が権勢をふるった時代とも記憶されているが、一条天皇は傀儡の帝だったわけではなく、「叡哲欽明」と評された賢王であった。皇位継承をめぐる政界の権謀術数やクーデター未遂事件、当時としてはめずらしい「純愛」ともいうべき愛情関係。ドラマチックな一条天皇の時代を、放埓だった前代・花山天皇の、謀略による衝撃的な退位から書き起こし、現存する歴史資料と文学作品、最新の研究成果にもとづいて、実証的かつ立体的な「ものがたり」に紡ぎあげる。『源氏物語』が一条朝に生まれたのは、決して偶然ではない。
- ISBN-104022599200
- ISBN-13978-4022599209
- 出版社朝日新聞出版
- 発売日2007/4/10
- 言語日本語
- 寸法18.8 x 12.5 x 1.5 cm
- 本の長さ312ページ
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対象商品: 『源氏物語の時代』一条天皇と后たちのものがたり (朝日選書)
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『源氏物語の時代』一条天皇と后たちのものがたり | 平安人の心で「源氏物語」を読む | 枕草子のたくらみ | 道長ものがたり 「我が世の望月」とは何だったのか | |
カスタマーレビュー |
5つ星のうち4.6
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5つ星のうち4.5
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5つ星のうち4.4
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5つ星のうち4.7
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価格 | ¥1,430¥1,430 | ¥1,650¥1,650 | ¥1,650¥1,650 | ¥1,870¥1,870 |
山本淳子の著作 | 『源氏物語』が生まれた一条天皇の時代は、紫式部、清少納言、安倍晴明など、平安朝ではおなじみのスターが活躍した時代。『源氏』に強い影響を与えた、一条天皇と后たちの愛憎や皇位・政権をめぐる権謀術数を、史料と最新の研究成果で物語に紡ぎ上げる。 | 日本文学の最高傑作『源氏物語』。現代の読者が、少しでも平安社会の意識と記憶を知り、その空気に身を浸しながら読めば、物語をもっとリアルに感じることができるのではないか。本書は、平安人の世界を様々な角度からとらえ、読者を誘うことを目指した一冊。 | 藤原道長が恐れ、紫式部を苛立たせた書。それが随筆の傑作「枕草子」だ。権勢を極めてなお道長はなぜこの書を潰さなかったのか。冒頭「春はあけぼの」に秘められた清少納言の思いとは? あらゆる謎を解き明かす、全く新しい「枕草子」論。 | 藤原家の三男に過ぎなかった道長は、なぜ摂政に昇りつめ栄華を極めるにいたったのか。貴種の妻を求めた人生の戦略、呪詛におびえる臆病さ、正妻と紫式部との同居による悶着……一人の生活者であった道長は誰を恐れ、誰を愛したのか。その人生、心の動きをたどる。 |
登録情報
- 出版社 : 朝日新聞出版 (2007/4/10)
- 発売日 : 2007/4/10
- 言語 : 日本語
- 単行本 : 312ページ
- ISBN-10 : 4022599200
- ISBN-13 : 978-4022599209
- 寸法 : 18.8 x 12.5 x 1.5 cm
- Amazon 売れ筋ランキング: - 10,961位本 (本の売れ筋ランキングを見る)
- カスタマーレビュー:
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2023年6月29日に日本でレビュー済み
Amazonで購入
大河ドラマが始まる前に予習をしたくて購入しました。SNSでフォロワー数の多い有名な古典ファンの方がおすすめされていて、購入を決めました。
2023年6月18日に日本でレビュー済み
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あまりの展開にずのう指数は急降下し中盤以降おお…おお…しかコメントがでなくなり、おじさんはソファで一人泣いた。凄かった。いや凄かった。
読後、一条天皇陵から鳥辺野は見えるが彰子の宇治陵は見えない、という話を聞いてまた。おお…
読後、一条天皇陵から鳥辺野は見えるが彰子の宇治陵は見えない、という話を聞いてまた。おお…
2013年9月23日に日本でレビュー済み
Amazonで購入
一条天皇のふたりの妃、藤原定子と藤原の彰子は従妹同士である。
20歳の天皇に嫁いだとき、彰子は12歳(これは数えであるから小学5年生くらい)、
そのとき定子は一宮修子内親王の母であり、二人目の子供を妊娠していて臨月だった。
年齢は天皇より年上で、いまでいうなら大卒の若奥様なわけだ。
なおかつ、この有名な二人の妃の間に、全くの無名とも言えない妃が3人も入内している。
今まで、定子については、枕草子の中に描写されるように、美しく賢い、中の関白家の姫。
一条天皇の唯一の思い人である女人として、よく言及される人物である。
ひとつには、彼女が短命であること、皇子が天皇になれなかったこと、それらの悲劇性に
対する、判官びいき的な日本人の情緒にかなうためかもしれない。
その点、彰子はそのカップルに後から割って入った感がある(しかし20代前半のラヴラヴ
夫婦に、11歳の女子が割って入れるものだろうか。無理だからパパががんばっちゃったのだ。)
そして彼女の二人の息子は天皇になった。彼女自身も祖母や母と同じく長生きした。
道長の、天皇や皇太子に配された四人娘のうちには、19で死んだ者もいるというのに。
一条天皇のふたりの妃(中宮)に対する思いは、それぞれ違っていただろう。
定子は一条にとって、姉であり、教師であり、恋人であり、妻であった。兄を含めて一条に
家庭的な幸福を与えたという。
彰子の長い人生を考えたとき、もっと、定子との比較だけでない、彼女自身の人生について
知りたいと思っていた。この本は、その期待には半分は答えてくれたと思う。
この本は、藤原彰子という道長の長女を知っているつもりの人に、読んでほしいとおもう。
そしてできれば一条没後の彰子の人生を、研究発表する人がもっとでてきてもらいたい。
20歳の天皇に嫁いだとき、彰子は12歳(これは数えであるから小学5年生くらい)、
そのとき定子は一宮修子内親王の母であり、二人目の子供を妊娠していて臨月だった。
年齢は天皇より年上で、いまでいうなら大卒の若奥様なわけだ。
なおかつ、この有名な二人の妃の間に、全くの無名とも言えない妃が3人も入内している。
今まで、定子については、枕草子の中に描写されるように、美しく賢い、中の関白家の姫。
一条天皇の唯一の思い人である女人として、よく言及される人物である。
ひとつには、彼女が短命であること、皇子が天皇になれなかったこと、それらの悲劇性に
対する、判官びいき的な日本人の情緒にかなうためかもしれない。
その点、彰子はそのカップルに後から割って入った感がある(しかし20代前半のラヴラヴ
夫婦に、11歳の女子が割って入れるものだろうか。無理だからパパががんばっちゃったのだ。)
そして彼女の二人の息子は天皇になった。彼女自身も祖母や母と同じく長生きした。
道長の、天皇や皇太子に配された四人娘のうちには、19で死んだ者もいるというのに。
一条天皇のふたりの妃(中宮)に対する思いは、それぞれ違っていただろう。
定子は一条にとって、姉であり、教師であり、恋人であり、妻であった。兄を含めて一条に
家庭的な幸福を与えたという。
彰子の長い人生を考えたとき、もっと、定子との比較だけでない、彼女自身の人生について
知りたいと思っていた。この本は、その期待には半分は答えてくれたと思う。
この本は、藤原彰子という道長の長女を知っているつもりの人に、読んでほしいとおもう。
そしてできれば一条没後の彰子の人生を、研究発表する人がもっとでてきてもらいたい。
2023年11月18日に日本でレビュー済み
タイトルではどういう本かいまいち分かりにくいが、本書は源氏物語の読者が当然に知っていた(そして作品に大いに影響を及ぼしている)同時代の歴史事実・歴史背景を解説していく本である。
第一に注意すべきは、『源氏物語』の中身そのものについての解説や解釈は全く行われていない点である。本書は源氏物語執筆当時の平安時代中期の歴史事実を解説した本である。
第二に注意すべきは、本書の多くの紙面は紫式部が使えた中宮彰子ではなく、清少納言が使えた中宮定子と一条天皇の間の話に割かれている点である。
本書は、名著と言われる土田直鎮 の歴史記述を、女性たちの世界の視点から描いた本だとみるのが一番いい位置づけだろう。本書は逆に藤原たちの政争などは背後に退いているので、上記土田書と補完的な位置づけと言えるだろう。
著者は、一条天皇にとって最も幸せだったのは定子や伊周とのころだろうとしている(道長との対比で悪者にされがちな伊周が割と好意的に描かれている)。そして源氏物語もまた、そうした関係を踏まえながら(暗黙の対象として)書かれているというのが著者の見立てである。
もっとも、源氏物語のモチーフが誰か、どの時代かという点でいえば、特に光源氏のその破倫な行動は、本書冒頭で言及のある花山天皇の時代や、さらに前の清和・陽成天皇の時代(保立 平安王朝 )という説も有力であり、同時代人はいろいろなモチーフを念頭に置いて読んでいただろうと思う。
全体の流れは史実のとおりであり、むしろそのどの部分に着目するか、どういうエピソードを出すかが本書の面白みだろう。
・花山天皇は、即位式の高見座に女官を引き込んで性行為に及んだとされている。出家後も女性に手を出している(精力が強いことは王家の血を残すためには必要なことだが、しかしそれをコントロールすることは必要だろうとしている)
・道長は兄や父が陰謀めいた手段を使って権力を獲得したのと違い、そのおこぼれをもらう形で権力を得たので潔白さをアピールできた。
・紫式部の父は、花山の世でやっと地位を得たが、花山退位で早々に職を失った。(幼少期は苦しい状況だった)
・「定子」や「彰子」は本当は「~こ」と読むが、「明子」が「あきらけいこ」、「高子」が「たかいこ」のように特殊な読みが多いので、読みが分からない場合は音読みで読むことが一般化している
・清少納言が仕え始めた際に定子はまだ17歳だが、海千山千の女房達を束ねていくだけの技量を備えていた(母貴子の教えだろうとしている)
・一条にとって伊周は定子を介して立派な「兄」であり、一条が父母とは分かち合えなかった心許しあえる関係がそこにあった。
・伊周は漢文は当代きっての名手であり、定子もまた女性としては珍しく漢文に精通していた(彰子は全然だったので、父に秘密で紫式部から漢文を習った)
・花山法王との乱闘で伊周・隆家を罰するのは、一条天皇は自分ひとりで思い悩んで決断した。
・平安時代には自殺はなく、人生に絶望した際の出家は「心の自殺」と同じであった。
・伊周失脚とともに定子が凋落していく中、2か月ほど清少納言は出仕せず引きこもっていた。女房達のいじめなどが原因としており、引きこもりは女房達の悪口と非難の種となったが、定子は清少納言への信頼を失っていなかった
・その引きこもりの時期に『枕草子』の大半は書かれただろうと著者は推察している。枕草子は定子の文化を残すために書かれた
・一条と定子の復縁は「出家した中宮との復縁」であり、貴族たちは誰も歓迎しなかった
・道長の妻倫子は、キサキになることを念頭に育てられながらそれがかなわなかった。それを娘でかなえようということで、彰子は倫子にとっての夢でもあった。彼女は権勢の中の道長に対してぴしゃりと言える人物であった。
・彰子は若すぎたので、定子懐妊が発覚しても直ちに入内させられなかった。彰子入内は決して順風満帆ではなかった。
・定子が死んだ夜、道長は亡き次男の妻藤原繁子の物の怪に襲われ、憔悴しきっていたためとても内裏に行ける状況ではなかった(道長は若いころは怖いもの知らずだったが、権力を得るにつれ臆病になっていった)
・定子の死における定子周辺人物の冷淡さ(道長に乗り換えて見捨てた)はいろいろな記録に残る。源俊賢は(高明左遷のころなど思い出して)苦々しく語っている。若い世代はもっと正直で、藤原成房は失踪し出家しようとした。源成信と藤原重家の出家の理由もこの事件は効いているだろうと著者は書いている。
・紫式部は夫を3年で失い、源氏物語執筆へと向かう(彰子への出仕までの4-5年の間に最初の部分は完成しただろうとしている)
・彰子の女房は令嬢ぞろいで、安心して仕事を任せられる女房はめったにいなかった。彰子はそのような中で苦労した。紫式部はこうしたところで突出しないようにとにかく抑制を心掛ける必要に気付いた。
・一条は定子の遺児媄子を大事にしたが、わずか9歳で死んだ。その夜、一条は彰子ではなく遺児の姉の脩子と語らった。
・紫式部は彰子に漢文を教える際に白楽天の「新楽府」を教えた。政治の詩で美しくも面白くもないが、一条の世界に近づくためとして選ばれ、彰子も必死に学んだ
・紫式部が清少納言批判を書いたのは、ライバル心などよりも、定子の記憶は死後も長く中宮に残っており、彰子はそれとの比較を受けていた(定子のころの女房はよかった、それに引き換え・・・のような)からだとしている
・著者は、彰子は本気で敦康を天皇にしてよいと考えていた(敦成にはその後でも十分時間はある)と見る。しかし道長にはそれだけの時間はなかった。
・敦康ではなく敦成を天皇とする際、道長が彰子になにも断らなかったことを彰子は「道具に過ぎなかった」と衝撃を受け、強く反発した
源氏物語の読解に直ちにつながるわけではないが、同時代の状況、女房たちの世界を知るうえで、本書は格好の手引きとなるだろう。
読みやすく書かれており、歴史にそこまで詳しくなくても読めると思う(花山出家や伊周失脚ぐらいは知ってた方がいい気はするが)。
2024の大河ドラマの予習としても向いている本である。
第一に注意すべきは、『源氏物語』の中身そのものについての解説や解釈は全く行われていない点である。本書は源氏物語執筆当時の平安時代中期の歴史事実を解説した本である。
第二に注意すべきは、本書の多くの紙面は紫式部が使えた中宮彰子ではなく、清少納言が使えた中宮定子と一条天皇の間の話に割かれている点である。
本書は、名著と言われる土田直鎮 の歴史記述を、女性たちの世界の視点から描いた本だとみるのが一番いい位置づけだろう。本書は逆に藤原たちの政争などは背後に退いているので、上記土田書と補完的な位置づけと言えるだろう。
著者は、一条天皇にとって最も幸せだったのは定子や伊周とのころだろうとしている(道長との対比で悪者にされがちな伊周が割と好意的に描かれている)。そして源氏物語もまた、そうした関係を踏まえながら(暗黙の対象として)書かれているというのが著者の見立てである。
もっとも、源氏物語のモチーフが誰か、どの時代かという点でいえば、特に光源氏のその破倫な行動は、本書冒頭で言及のある花山天皇の時代や、さらに前の清和・陽成天皇の時代(保立 平安王朝 )という説も有力であり、同時代人はいろいろなモチーフを念頭に置いて読んでいただろうと思う。
全体の流れは史実のとおりであり、むしろそのどの部分に着目するか、どういうエピソードを出すかが本書の面白みだろう。
・花山天皇は、即位式の高見座に女官を引き込んで性行為に及んだとされている。出家後も女性に手を出している(精力が強いことは王家の血を残すためには必要なことだが、しかしそれをコントロールすることは必要だろうとしている)
・道長は兄や父が陰謀めいた手段を使って権力を獲得したのと違い、そのおこぼれをもらう形で権力を得たので潔白さをアピールできた。
・紫式部の父は、花山の世でやっと地位を得たが、花山退位で早々に職を失った。(幼少期は苦しい状況だった)
・「定子」や「彰子」は本当は「~こ」と読むが、「明子」が「あきらけいこ」、「高子」が「たかいこ」のように特殊な読みが多いので、読みが分からない場合は音読みで読むことが一般化している
・清少納言が仕え始めた際に定子はまだ17歳だが、海千山千の女房達を束ねていくだけの技量を備えていた(母貴子の教えだろうとしている)
・一条にとって伊周は定子を介して立派な「兄」であり、一条が父母とは分かち合えなかった心許しあえる関係がそこにあった。
・伊周は漢文は当代きっての名手であり、定子もまた女性としては珍しく漢文に精通していた(彰子は全然だったので、父に秘密で紫式部から漢文を習った)
・花山法王との乱闘で伊周・隆家を罰するのは、一条天皇は自分ひとりで思い悩んで決断した。
・平安時代には自殺はなく、人生に絶望した際の出家は「心の自殺」と同じであった。
・伊周失脚とともに定子が凋落していく中、2か月ほど清少納言は出仕せず引きこもっていた。女房達のいじめなどが原因としており、引きこもりは女房達の悪口と非難の種となったが、定子は清少納言への信頼を失っていなかった
・その引きこもりの時期に『枕草子』の大半は書かれただろうと著者は推察している。枕草子は定子の文化を残すために書かれた
・一条と定子の復縁は「出家した中宮との復縁」であり、貴族たちは誰も歓迎しなかった
・道長の妻倫子は、キサキになることを念頭に育てられながらそれがかなわなかった。それを娘でかなえようということで、彰子は倫子にとっての夢でもあった。彼女は権勢の中の道長に対してぴしゃりと言える人物であった。
・彰子は若すぎたので、定子懐妊が発覚しても直ちに入内させられなかった。彰子入内は決して順風満帆ではなかった。
・定子が死んだ夜、道長は亡き次男の妻藤原繁子の物の怪に襲われ、憔悴しきっていたためとても内裏に行ける状況ではなかった(道長は若いころは怖いもの知らずだったが、権力を得るにつれ臆病になっていった)
・定子の死における定子周辺人物の冷淡さ(道長に乗り換えて見捨てた)はいろいろな記録に残る。源俊賢は(高明左遷のころなど思い出して)苦々しく語っている。若い世代はもっと正直で、藤原成房は失踪し出家しようとした。源成信と藤原重家の出家の理由もこの事件は効いているだろうと著者は書いている。
・紫式部は夫を3年で失い、源氏物語執筆へと向かう(彰子への出仕までの4-5年の間に最初の部分は完成しただろうとしている)
・彰子の女房は令嬢ぞろいで、安心して仕事を任せられる女房はめったにいなかった。彰子はそのような中で苦労した。紫式部はこうしたところで突出しないようにとにかく抑制を心掛ける必要に気付いた。
・一条は定子の遺児媄子を大事にしたが、わずか9歳で死んだ。その夜、一条は彰子ではなく遺児の姉の脩子と語らった。
・紫式部は彰子に漢文を教える際に白楽天の「新楽府」を教えた。政治の詩で美しくも面白くもないが、一条の世界に近づくためとして選ばれ、彰子も必死に学んだ
・紫式部が清少納言批判を書いたのは、ライバル心などよりも、定子の記憶は死後も長く中宮に残っており、彰子はそれとの比較を受けていた(定子のころの女房はよかった、それに引き換え・・・のような)からだとしている
・著者は、彰子は本気で敦康を天皇にしてよいと考えていた(敦成にはその後でも十分時間はある)と見る。しかし道長にはそれだけの時間はなかった。
・敦康ではなく敦成を天皇とする際、道長が彰子になにも断らなかったことを彰子は「道具に過ぎなかった」と衝撃を受け、強く反発した
源氏物語の読解に直ちにつながるわけではないが、同時代の状況、女房たちの世界を知るうえで、本書は格好の手引きとなるだろう。
読みやすく書かれており、歴史にそこまで詳しくなくても読めると思う(花山出家や伊周失脚ぐらいは知ってた方がいい気はするが)。
2024の大河ドラマの予習としても向いている本である。
2023年10月19日に日本でレビュー済み
一条天皇と中宮定子の心のあり方がわかりやすく説明されていて、一気に平安の世に引き込まれます。高貴な方の心情に触れることができるような、素晴らしい経験ができる一冊です。
2019年10月14日に日本でレビュー済み
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谷崎潤一郎氏の3回目の現代語訳を読むために山本淳子氏の著作ををあれこれ参考にしてきたが、この作品の第1刷が2007年4月と古かったので、これより新しい別の作品群を先に利用していた。しかし、最近この作品に何が書いてあるのかが気になって読んでみて、この作品こそ最初に読むべき作品だったと気づかされた。
この作品の「はじめに」の部分に、このように気づかされた要点が書いてあるので、勝手に、引用しておきます。
---引用 「はじめに vページ」
実は、一条たちのドラマチックな物語は、かって多くの教育現場で教えられてきました。それが『枕草子』はじめ当代の作品を読む際欠かせない知識だったからです。でも今、大学でこの話をすると「初めて聞いた」「こんなことがあったなんて」という声が圧倒的です。「断片的には知っていたけれど、それがつながった」「こういうことだったのか」という声もよく聞きます。言葉も生活もこれだけ古典世界を離れてしまった以上、今は研究者にこそ<伝えてゆく>責務があるのかもしれません。そうした思いに背中を押されて、本書を書くことを思い立ちました。
---引用おわり
この作品の「はじめに」の部分に、このように気づかされた要点が書いてあるので、勝手に、引用しておきます。
---引用 「はじめに vページ」
実は、一条たちのドラマチックな物語は、かって多くの教育現場で教えられてきました。それが『枕草子』はじめ当代の作品を読む際欠かせない知識だったからです。でも今、大学でこの話をすると「初めて聞いた」「こんなことがあったなんて」という声が圧倒的です。「断片的には知っていたけれど、それがつながった」「こういうことだったのか」という声もよく聞きます。言葉も生活もこれだけ古典世界を離れてしまった以上、今は研究者にこそ<伝えてゆく>責務があるのかもしれません。そうした思いに背中を押されて、本書を書くことを思い立ちました。
---引用おわり
2018年9月4日に日本でレビュー済み
Amazonで購入
源氏物語を読むときは背景を知ることが絶対条件です。何度も何度も挫折する源氏物語ファンのためにもこういう本はありがたい。
2018年3月21日に日本でレビュー済み
Amazonで購入
著者は「このドラマチックな物語が、かつて多くの教育現場で教えられてき」たのにと残念に思われていますが、この本を読むとまことにその通りと思います。この一条帝の物語を知っていたら、枕草子も源氏物語も学校でもっとしっかり勉強したのにと思いました。ここに再現されている一条帝と二人の「きさき」のひとを愛する一生懸命な生き様は、最新の史料や研究成果から構成された実際に在ったこと。語り口がすばらしい。