この本には愛読者に対するミヒャエル・エンデ氏の読者に対する問いかけが列挙されています。44の問いかけです。
その問いかけのなかで、
「書物と読者を分け隔てるものは何か?」
という問いが有りました(あったような気がします。ひょっとしてこれもまた幻想的世界からの問いかけだったかも知れません)
わたしなりに考えて答えを出してみますと、
「そんな壁のような分け隔ては存在しない」
と答えざるを得ませんでした。
なぜなら本という「物質」の内面には明らかに人間の空想力、言わば精神世界が広がっているのだし、
人間という「生物」の内面においては当然ながら、「無限の精神世界」が広がっているからで、
両者は存在形式が異なるだけで、精神世界の中で明らかに「つながりを持っている」のだと思います。
例えば「はてしない物語の世界」ファンタージェンが人間の無限の空想力と表裏一体であるように、
書物と読者とのあいだには何ら障害となるような「超えられない壁」
など、そもそも存在しないと、これがわたしなりのエンデ氏に対する答えでした。
はてしない物語のコレアンダー氏の発言の通り、
すべての物語が本当は「はてしない物語」なのであり、ファンタージェンへ行く方法はいくらでもある。
そして、人間が空想する能力を失わない限りファンタージェンは永遠に生き続け、両方のふたつの世界はやがておそらくひとつになるのでしょう。
なんとも月並みな表現かも知れませんが、
それがわたしなりの答えでした・・・

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エンデのメモ箱 (岩波現代文庫) 文庫 – 2013/5/17
着想を書きとめたメモや創作ノート、詩や短い芝居、辛口の文明批評、児童文学に関する日本での講演、生い立ちを綴ったエッセー、さらにはインタビューや手紙。百十数の短編から、エンデの多彩な面が万華鏡のように浮かび上がる、ファン必読の書。物語作家でもあり思想家でもあった著者の創作の秘密が、いま明らかになる。
- 本の長さ432ページ
- 言語日本語
- 出版社岩波書店
- 発売日2013/5/17
- 寸法10.5 x 1.8 x 15 cm
- ISBN-104006022220
- ISBN-13978-4006022228
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登録情報
- 出版社 : 岩波書店 (2013/5/17)
- 発売日 : 2013/5/17
- 言語 : 日本語
- 文庫 : 432ページ
- ISBN-10 : 4006022220
- ISBN-13 : 978-4006022228
- 寸法 : 10.5 x 1.8 x 15 cm
- Amazon 売れ筋ランキング: - 390,869位本 (本の売れ筋ランキングを見る)
- - 564位岩波現代文庫
- カスタマーレビュー:
著者について
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1929‐95年。南ドイツ・ガルミッシュ生まれ。小説家。著書は各国で訳出され、幅広い年齢層に支持されている(「BOOK著者紹介情報」より:本データは『ものがたりの余白 エンデが最後に話したこと (ISBN-13: 978-4006021566 )』が刊行された当時に掲載されていたものです)
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