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イスラーム主義――もう一つの近代を構想する (岩波新書) 新書 – 2018/1/20
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- 本の長さ256ページ
- 言語日本語
- 出版社岩波書店
- 発売日2018/1/20
- ISBN-104004316987
- ISBN-13978-4004316985
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登録情報
- 出版社 : 岩波書店 (2018/1/20)
- 発売日 : 2018/1/20
- 言語 : 日本語
- 新書 : 256ページ
- ISBN-10 : 4004316987
- ISBN-13 : 978-4004316985
- Amazon 売れ筋ランキング: - 114,504位本 (本の売れ筋ランキングを見る)
- カスタマーレビュー:
著者について

立命館大学国際関係学部教授。専門は、中東地域研究、国際政治学、比較政治学。
1973年生まれ。1997年横浜市立大学文理学部卒業。1998年ダラム大学中東・イスラーム研究センター(CMEIS)修士課程、2004年京都大学アジア・アフリカ地域研究研究科(ASAFAS)博士課程修了。京都大学博士(地域研究)。
日本学術振興会特別研究員(PD)を経て、2006年立命館大学国際関係学部助教授、2007年同准教授、2014年より現職。オックスフォード大学セント・アントニーズ・カレッジ研究員(2009-10年)。京都大学地域研究統合情報センター客員准教授(2013-15年)。ロンドン大学東洋アフリカ研究学院(SOAS)ロンドン中東研究所(LMEI)研究員(2015-16年)。
第4回(2014年度)地域研究コンソーシアム賞研究作品賞受賞、第33回(2018年度)大同生命地域研究奨励賞受賞、第1回(2018年度)Hadhari Award for Islamic Civilizational Studies(イスラーム文明研究ハダーリー賞)受賞。
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トップレビュー
上位レビュー、対象国: 日本
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イスラームを過激で危険と見る立場を退け、テロなどに及ぶムスリムはイスラームの中でも非常に偏ったものと位置付けつつ、イスラーム内部の多様性を描き出そうとしている。
本書は歴史にそった書かれ方をしており、まずオスマン崩壊と近代化、そしてイスラーム主義の登場が描かれる。
アフガーニーやアブドゥのような、西洋近代の成果も取り入れながらのイスラーム改革の存在や、ムスリム同胞団の穏健性がそこでは指摘されている。
イラン革命は、発生時の支持としては必ずしもイスラム原理主義的なものへの支持ではなく独裁・政権腐敗への批判なども強かったとしている(ただしその後イスラームが政治の中心として選ばれた点は特徴的としている)。
イスラム原理主義に大きな影響を与えたとされることの多いクトゥブも、本書では必ずしも過激な思想ではなく、後世による曲解が大きいとしている。
アラブの春については、チュニジアとエジプトについて記述がある。
ともに既存のイスラム系組織であるナフダ党とムスリム同胞団はデモ当初は(当局との裏での取り決め等で)表立っての強い支持を取らなかったこと、選挙で選ばれたがその後世俗主義政権に椅子を譲り渡したこと、などが指摘されており、なかなか興味深い。
イスラム国については、人為的なシリア分割を巡る歴史の清算に触れるとともに、ムスリムが過激化したというよりも過激になりたいがゆえにムスリムになるような面さえあるという指摘を行っている。
ここではヨーロッパ内の貧困や社会問題を遠因として示唆するように書かれているが、貧しいがゆえに過激になりテロに走るという描像は必ずしも事実でなく、過激になりたがりイスラム国に賛同したものの出自や経緯は推測で書くのではなくきちんと実証しないといけないのではと思った。
話の筋道は基本的に「リベラルなイスラーム」の方向に沿っており、標準的なものではあるが、同時により微妙な難しい問題にはあまり触れられていない印象を受けた。
例えば普通のムスリムがイスラム過激派に対してどう考えているのか、どの程度否定的なのか、というのは重要な問題だと思うが、一般のムスリムがどう見ているのかについてはあまり議論はない。
イスラームと政治の関係も簡単に割り切れる話ではない側面は多いが(例えば イスラーム世界の論じ方 )、本書ではそうした話題は避けて通っている。
イスラム過激派やときには政府によって国内の批判的な人が危険にさらされるケース(例えば イスラム過激原理主義―なぜテロに走るのか (中公新書) に詳しい)についてもあまり議論はなく、過激派の問題を正面からは考察してくれない。
他にも、アラブの春で上手くいかなかったケース、特に革命成功例が「部分的にではあれど、自由や権利を認めようとする国」であったという皮肉な側面など、単線的ではないはずのアラブの春の展開は本書からでは見えづらい(アラブの春は、例えば 中東 新秩序の形成 「アラブの春」を超えて (NHKブックス) などに解説がある)。
なので、「難しそうな問題」は回避されているきらいはあるが、しかしイスラーム概説としては良くまとまっている本だと思う。
9・11の後、アメリカが武力行使をするに際して、イスラムについて十把一絡にしてしまったことが今の混迷を招く要因となっているのがよく分かる。中国、ロシア、あるいは中東の独裁国家で、反体制派というレッテル貼りが容易に横行し、その後の武力闘争の拡大、あるいはISの成立につながっていく。筆者の提示する回答の一つは「話し合うこと」だが、そこに戻っていくのかもしれない。
筆者は「Why」の視点を中東研究者、社会科学の視点、「What」の視点をイスラム研究者、人文科学の視点と呼ぶけど、両者の関心を押さえつつ1冊にまとめたのが本書の眼目、です。
イスラーム主義はヒズボラやハマス、ムスリム同胞団が例示されるように過激な行動も辞さない。だが、彼らはアルカイダなどのジハード主義とは異なる。ジハード主義者は同じムスリムであっても主義主張が異なれば容赦なく殺害するが、イスラーム主義者は自爆攻撃でも基本的には国外から侵入した軍隊を対象にしている。
とはいえ、欧米型の政教分離を理念とする世俗主義者とも異なる。中東において世俗主義者は、軍隊やバアス党のような社会主義的政党が中心になっていたが、彼らの多くは独裁のような権威主義的統治を行い、イスラーム主義者を厳しく弾圧した。アラブの春のように民主化されると今度は抑圧されていたイスラーム主義者が政権を取り、世俗主義者を弾圧するという報復の応酬がエジプトやトルコ、イランで繰り返されてきた。
政教分離は近代的な民主主義の原則ではある。イスラーム主義は民主主義とは本来相容れない。にもかかわらず中東では政治活動が自由になると、イスラーム主義が台頭してくる。近代的民主主義を実現した欧米、あるいは日本から見れば、イスラーム的民主主義は無理難題か、民主化の遅れの要因のように映る。だが、著者はそうした見方に疑問を呈しつつ、イスラーム主義者と世俗主義者が互いに寛容になり政権を取るたびに報復を繰り返すということをやめなければ、中東の民主主義は構築されないとも指摘している。
「日本では中東を論じる際に宗教思想と政治を別物として論じる場合が多いが、中東では両者は分かちがたい」という。比較政治学者らしく、民主主義の多様さを序章と終章でクリアに論じている。
というわけで、著者は、オスマン帝国が西欧諸国により解体・分割させられ植民地国家化を強いられて以来の「長い帝国崩壊の過程」にあるイスラーム社会が、帝国に代わる新たな正統的秩序のありかたを探って格闘してきた歴史として現代中東政治史を描き出します。
著者によれば、中東政治のここ百年間を貫く対立軸は、人工的な分割による国民国家を統治するための非イスラーム化の方向である世俗化の支持者たちからなる主流派とイスラーム的価値観を統治に反映させるべきとする「イスラーム主義」を支持する非主流派の二つの対立であったという。
しかし、イスラーム主義者と世俗主義者の抜き差しならない対立によって「アラブの春」が崩壊してしまったことによって、どちらも新しい統治原理たりえなくなった混迷状態からイスラーム国のような極端な「解決案」が出現してきたのは必然であったと著者は見ている。
現代中東政治を、国際政治のパワーゲームとしてではなく、中東に生きる人々の思いの交錯として理解させてくれる稀有な一冊。お勧めです。
イメージ的には、紅茶花伝のクラフティーのような感じです。
筆者の力量(はちみつ?)が、イスラム研究(紅茶?)と中東政治研究(オレンジジュース?)を合わせ整えています。
アフガーニーやアブドゥに連なる改革思想の流れ(思想)と、オスマン帝国崩壊後の中東の地域編成(出来事)を章ごとに何度も織り交ぜた内容は、「これがここに繋がるのか!」という発見へと読者を誘います。
著者自身も「あとがき」で書いていますが、同じ岩波新書で出ている大塚和夫著『イスラーム主義とは何か』と併読すると、「イスラム主義」をめぐる議論のおもしろさや深み(・・・またはややこしさ)が、よりわかるように思います。
高校や中学で世界史を学んだ方や、イスラム国(IS)の問題に関心を寄せる方には、特にお勧めしたい一冊だと思いました。
多くの人はイスラーム史を忘れていると思うので、高校の参考書などであらかじめ記憶を復活させてから本書を読むことをお奨めします。