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ワシントン・スクエア (岩波文庫) 文庫 – 2011/8/19

4.1 5つ星のうち4.1 14個の評価

「父には、弱いといえるところが一つもないんですの」完璧な父を敬愛する、内向的で平凡な容姿のキャサリン。彼女の前に現れた、美貌で言葉たくみな求婚者――19世紀半ばのニューヨークを舞台に、鋭く繊細な会話と描写が、人間心理の交錯と陰影を映し出す。『ある婦人の肖像』とならぶ、ジェイムズ(1843-1916)初期の佳作。
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登録情報

  • 出版社 ‏ : ‎ 岩波書店 (2011/8/19)
  • 発売日 ‏ : ‎ 2011/8/19
  • 言語 ‏ : ‎ 日本語
  • 文庫 ‏ : ‎ 368ページ
  • ISBN-10 ‏ : ‎ 4003725131
  • ISBN-13 ‏ : ‎ 978-4003725139
  • カスタマーレビュー:
    4.1 5つ星のうち4.1 14個の評価

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ヘンリー・ジェイムズ
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上位レビュー、対象国: 日本

2019年1月1日に日本でレビュー済み
Amazonで購入
ウィリアム・ワイラー監督の映画『女相続人』を観て、強い印象を受けました。どの時代、どこの国でも起こりそうな家族のテーマであり、しかも、すごく悪い人間は一人も出てきません。医師であり働き者の父、平凡だが善意と素直さの持ち主である一人娘、才気溢れ社交術にも長けるイケメン求婚者(ただし道楽者で稼ぐ力はない)、そしてその周辺の人たちもそれぞれに良かれと思って行動するのですが、思惑は交錯し、齟齬をきたす。映画の印象は、「じゃあどうしたらよかったのだろうか?」
そこで、ヘンリー・ジェイムズの原作『ワシントン・スクエァ』を読むことにしたわけです。映画は映画でよかったし、小説は小説でよかったです。父親の心理が丁寧に描かれていて、結婚に反対する道理が見えてきます。一方、娘の素朴さ・純粋さは大きな美点として描かれていますね。この点は大きな収穫でした。亡くなった母親と比較してしまうから遜色ありなのでしょうが、一人の女性としてみたら貞淑さや純粋さを秘めた魅力ある人だと思いました。
ところで、何よりも小説のすごいところは、このイケメン求婚者がどの程度までキャサリンに愛情を感じていたのかとか、どこまで金目当ての打算的性格なのかを明らかにせず「真相は藪の中」にとどめている点だと思います。
この作品は35章からなっていますが、大変読みやすく、訳文として優れていると思いました。この小説だけ読むよりも、ぜひ映画も見ることをお勧めします。
3人のお客様がこれが役に立ったと考えています
レポート
2014年12月28日に日本でレビュー済み
この訳者の出現は事件である。

ヘンリージェイムズ作品を初めて読了できたのみならず、ヘンリージェイムズがユーモア作家であることを初めて知れた。

2ページに1回はかならず笑える。クスッと。

いやはや素晴らしい。

この訳者さんは「嵐が丘」もやってるようだから、そっちも覗いてみよう。

いやはやありがたい。

ありがたや。
15人のお客様がこれが役に立ったと考えています
レポート
2012年1月24日に日本でレビュー済み
(ネタバレ注意)
キャサリンは、その人格からすれば、彼女の父より、婚約者より、
数段上等な人間である。高潔でいじらしい。
彼女のすることは、利己心や虚栄心はなく、ただ素直で、
父親や婚約者に愛情を持ち、正しいことをしようとしただけだ。
それなのに、彼女は最後まで幸福にはなれない。
彼女の不幸は、彼女の父が彼女に対して非常に冷淡だったこと
及び彼女の婚約者が、彼女が惚れる価値のない人間であり、
それを彼女が見抜けなかったことだろう。
最後のシーンでの彼女の振る舞いは、
(それだけの犠牲を払って学習した末に)
彼女が、強く、聡明になったことを示している。
その時期の彼女の年齢は30代半ばである。
これから、幸せになるのだと思いたい。
8人のお客様がこれが役に立ったと考えています
レポート
2011年9月16日に日本でレビュー済み
この物語のヒロインは、とても内気でけなげで、純粋です。
あまりに謙虚なので、周囲は彼女の聡明さにほとんど気がつかないほどです。
実の父にさえ、全く将来を期待されていないのに、いじらしいほど純粋に父親に接する彼女を、つい応援したくなってしまいました。

物語は決して「内向的なヒロインが、いじわるな恋敵にいじめられて…」というような劇的なものでも、
「地味な少女が成長するに従って絶世の美女に…」というシンデレラ的なものでもありません。
ですが、だからこそ、静かに与えられた運命と向き合い、きちんと自分を見つめるヒロインの芯の強さや美しさが際立ちます。

作者のジェイムズは男性ですが、女性の聡明さや内に秘めた悲しさを、とても丁寧に描いています。
同じように内気なヒロインを描いたオースティン作「マンスフィールド・パーク」の気弱なヒロインに共感できた方には、
きっと「ワシントン・スクエア」も愉しめると思います。
11人のお客様がこれが役に立ったと考えています
レポート
2004年7月27日に日本でレビュー済み
 本書はウイリアム・ワイラー(あの「ベンハー」や「ローマの休日」の監督です!)監督で、オリビア・デ・ハビランド(「風と共に去りぬ」のメラニー役)がアカデミー主演女優賞を取った『女相続人』の原作で、本のタイトルとしても、こっちの方が有名です。
 
 内容は、”よくあるメロドラマ・今はやりの純愛モノ”と言ってしまえば、それまでなのですが、ジェイムスはいかにも私達の周囲にもいそうな人物の心理と行動を、皮肉とユーモアを込めて、糸巻きの糸を解すように軽快に・丁寧に読者に示してくれ、個性の衝突の中で、変貌を遂げていく人物のうち、誰の視点から話を見るかにより悲劇の色合いが異なってくる所に、二重・三重の面白味があり、どんどん先を読みたくなります。
 そして、結局終わってみれば、皆が皆互いに足を引っ張り合った挙句、誰も救われないのです。敢えて言えば、劇中劇を堪能したぺ二マン夫人(と読者?)位でしようか。人間の複雑さと人生の矛盾・・名誉と富は人にとって、”もたらす”以上に”奪う”ものである・・ヤハリ一筋縄では行かないんだな、これが。
 
 
 ジェイムズ作品は、その顕微鏡を覗くかのような緻密な心理描写と、"誰も救われない"ストーリーの悲劇性から、一般に敬遠されがちですが、本書は、分量的にも読みやすくジェイムズにしては、比較的”あっさり”しています。そして女心を描かせたら、彼の右にでる作家はいないという事が、この中篇だけでも十分納得できます。
 昔から、多くの作品が映画化されるも、消化不良に終わらされる”監督泣かせ”(そして文字通り”女泣かせ”)の作家です。その事こそが、彼の作家としての力量を示しているのではないでしょうか。
 最近、ちょっとしたジェイムズブームです♪(「アザーズ」も実は『ねじの回転』が原作って知ってました?)純愛好きも、純愛嫌いも(??)、ジェイムズの入門書として、是非、一読あれ☆
24人のお客様がこれが役に立ったと考えています
レポート
2021年8月13日に日本でレビュー済み
筋立ては単純ですが、いつのどこの人間の関心を惹きつける種類のもので、どうなっていくのだろうとページをめくる手がとまりません。

ニューヨーク社交界の名士である医師は、美貌と才気、財産に恵まれた妻を早くに失ってていた。残されたのは妻とはちがってなににつけ平凡な一人娘。彼女は突然にあらわれたハンサムな求婚者とあまりに簡単に婚約してしまう。しかし、父親はその男が怠け者の財産狙いにすぎないと結婚に頑強に反対する。父を尊敬して板挟みになった娘は運命やいかに。

このありふれた結婚小説は、登場人物も極めて少数で、事件はなにもおこりません。しかし、きめ細やかに描きこまれた心理の劇が、登場人物たち、そして人間一般のもつ微細な精神をさまざまに照らしだします。この細やかさとはじつに周到な計算がなされて目立たぬように織り込まれており、伏線があるとすらいえるもの、読む側の注意深さをもとめてくるものだと思われました。

この小説でいちばん心をうった一節(言葉にするのがとても困難な自己認識、言語化するのにとても勇気の必要なそんな言葉、その娘の苦しみ)、まだ読まれていない方の喜びをうぱわないために、それをここでは書けませんが(p251の娘のせりふ)、再読して冒頭部分に以下のようにさりげなく書かれているのを見つけ、とても驚いたことがその根拠です。

「キャサリンが十歳になった頃のこと、スローパー博士は妹のぺニマン夫人に、自分の邸へ来て暮さないか、とすすめた。妹は二人いて、どちらも若くして結婚していた。下の妹はアーモンド夫人といって、富裕な商人の夫と賑やかな子供たちのいる家庭を築い ていた。血色がよく整った顔立ちの、道理をわきまえた、気持ちのよい婦人で、賢い兄のお気に入りの妹だった。博士は、たとえ身内であっても、女性の好き嫌いのはっきりした人だったのである」

他にも他者への想像力にとんだ豊かな表現、見識にあふれ、小説のたのしみをこころから満たしてくれます。以下、いくつか挙げておきます。ジェームズの熱心な読者ではありませんが、よく入門とされる『デイジーミラー』よりもっともっと面白いとおすすめします。

• そのドレスを着ると、キャサリンは三十歳くらいに見えた。奇妙なことに、上等の衣裳を好む心の中には、異性の気をひこうという気持ちは一滴もまじっていなかった。衣裳を身につけた時に気にかけるのは自分ではなく、 衣裳が素敵に見えるかしら、ということだった。

• この方を一度でも目にしたら、忘れる人なんて絶対にいるはずがないわ——キャサリンはそう思ったが、貴重なものをしまうように、その考えもそっと胸の中にしまっておいた。

• 自分が恋をしているのだと誰かに言われたとしたら、キヤサリンはさぞかし驚いたことだろう。キャサリンの考えでは、恋とは相手に強く求める情熱であったが、最近彼女の心を 満たしているのは、自分を無にし、自分を相手に捧げたいという衝動だったからである
2人のお客様がこれが役に立ったと考えています
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