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デイヴィッド・コパフィールド 1 (岩波文庫 赤 228-1) 文庫 – 2002/7/16

4.2 5つ星のうち4.2 53個の評価

ディケンズの傑作長篇の新訳
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登録情報

  • 出版社 ‏ : ‎ 岩波書店 (2002/7/16)
  • 発売日 ‏ : ‎ 2002/7/16
  • 言語 ‏ : ‎ 日本語
  • 文庫 ‏ : ‎ 446ページ
  • ISBN-10 ‏ : ‎ 4003222814
  • ISBN-13 ‏ : ‎ 978-4003222812
  • カスタマーレビュー:
    4.2 5つ星のうち4.2 53個の評価

カスタマーレビュー

星5つ中4.2つ
5つのうち4.2つ
53グローバルレーティング

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上位レビュー、対象国: 日本

2022年11月19日に日本でレビュー済み
Amazonで購入
映画版(『どん底作家の人生に幸あれ!』日本公開2021年)の余波があったのか、近年この本が入手困難になっているようですが。
私は状態バラバラの5冊を別々の古本屋からマーケットプレイス経由で取り寄せたのち、トレーシングペーパー(グラシン紙)ブックカバーで加工して、全体を見栄え良く統一させました。本棚の見た目が新品とほぼ変わらず、手への馴染みも良くなるので、よかったらお試しあれ。
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「この作品を読むには、シェイクスピアの『お気に召すまま』を読むのと同じ精神をもってしなければならない。事実、『デイヴィッド・コパフィールド』は『お気に召すまま』とほぼ同様な心地よい楽しみを与えてくれる作品なのである」
(モーム『世界の十大小説』 以下「」内全て同書からの引用)

私はこの冗漫な小説をモーム先生のアドバイス通りに攻略したのだが。
モームはディケンズの作風について、フランスやロシアの大作家たちと比べて「あまりにも無邪気であるのに唖然とする、まるで子供の小説だ」と批判しつつも、「同時代の人々が初めて読んで受けた感動を今日取り戻すのは不可能である」と擁護して、いかに彼がイギリス国民の熱狂的支持を得たかを語っている。その意味において、ディケンズこそが(欠点は多々あるにせよ)イギリス最大の作家だとしている。

さらに、ディケンズの「ユーモア」ついては「非常に面白く思う」と賛美しつつも、「ペーソスの方はどうも感心できない」、まるで「俳優が表現しようとする人情味」の様で、「あまり真実味が感じられず、心を動かされない」としている。これには私も同感で、ノリのいいコミカル部分はとても楽しめたが、お涙頂戴シーンは大仰すぎてちょっとひいてしまった。トルストイやドストエフスキーを知った後だと、どうしてもね。

この小説の冗漫さについても、モームは当時のヴィクトリア朝の出版事情を解説しつつ弁護している。
私はこれについて、クール制のTVアニメにたとえたいと思う。
つまり、26話なり52話なりの枠(出版契約)が初めから定まっていて、その中で物語をうまく配分せねばならず、しかも視聴者(読者)が次回も見て(買って)もらうように様々な仕掛けをする(この小説の各章の終わりも、やたらと勿体ぶっている)。話数を稼ぐために、ときにはどうでもいい話を挿入して引き延ばす(ストロング博士とその妻の話とか)。
「当時の小説が形が整わず、長たらしくなったのも、また脱線や冗漫を余儀なくされたのも当然である」仕方のないことだ、とモームは述べている。
今の私たちは、64巻組のコミックとでも思って向き合っても良いかもしれない。

もう一つ、この小説の素晴らしい点として、「実に驚くほど様々な、生き生きとした人物が続々と登場する」「それぞれ非常な力強さを持ち、その性格は完全に首尾一貫し、絶大な説得力をもっていかにも本当らしく描かれているので、読んでいくうちにいつしかその存在を信じずにいられなくなる。リアルな人物ではないかもしれないが、非常に生き生きとしている」と、キャラクターを生み出す才能を評価している。ただし、人間的成長(つまり良い方への変化)もあまり見られない、とも書いているが。
キャラクターごとのキメ台詞やキメポーズないし特徴的仕草も豊富で、この点もマンガやアニメのキャラクターを彷彿とさせる。

私なりの結論として、ものすごく気軽に楽しく読めるし、注釈がほとんど無い(つまり専門知識や専門用語が少ない)くらいには取っつきやすいので、古典文学作品をはじめて読もうとする人にはぜひおすすめしたいと思う。
楽しい暇つぶしを求めている人にも是非。
退屈な部分は読み飛ばして結構だから。
反面、一生忘れられない読書体験とか、人生観を変える出会いを求めている人は、トルストイやドストエフスキーのほうをどうぞ……と言いたいところだが、ディケンズで長編小説攻略の体力づくりをしてもいいかもしれない。
5人のお客様がこれが役に立ったと考えています
レポート
2011年6月26日に日本でレビュー済み
Amazonで購入
長編のため、読み終わるまでに体力がいるなぁと思っていたが、
杞憂に終わった。
とにかく最初から最後まで全然飽きずに読み通せる。

私が好きな部分は、登場人物が喜んでいるシーンだ。
大げさなくらいの喜びよう、滑稽なくらいのはしゃぎようだけれど、
そういう描写を読んでいると無条件で幸せな気分になる。

国も時代も超えてなお読者を物語に引き込む力量。
ディケンズの偉大さを改めて知った。
18人のお客様がこれが役に立ったと考えています
レポート
2013年11月19日に日本でレビュー済み
少年からの成長譚。少年なりに鼻を利かせて信頼できる人、そうでない人を嗅ぎ分けるが、時に誤って裏切りの憂き目にあったりもする。
成長譚とは言っても、幼少期から正直で一途で理知的な性格は一貫しており、精神的な成長はあまり感じられなかった。本人よりも周りの人物や環境の変化にハラハラドキドキして引き込まれた。
デフォルメされたさまざまな一癖ある登場人物はみな印象が深く、人物名をメモせずに読んでいても混乱することはない。
誠実な人間であれば、立場の違いを超えて肯定的に受け入れる強い人間愛に満ちた作品と感じたが、結局は都合よくデビッドの幸福物語になっている面は否めず、ここが評価の分かれるところなのだろう。
石塚裕子氏による翻訳は、原著がそうだったのかわかりませんが、ごく一部で措辞の工夫のない単純過去形の素訳的な文章が急に現れ、面食らうことがあった。また、多用されている「だもんで」という接続詞には違和感があった。「だもんで」は中京・東海地域の方言的言い回しのため、適切とは思えない。
8人のお客様がこれが役に立ったと考えています
レポート
2017年3月6日に日本でレビュー済み
Amazonで購入
全く読む価値の無い小説。
文豪ディケンズによる150年前の作品だが、
高評価である理由が全く理解出来ない。

次の展開があっさり読めてしまう陳腐なストーリー、
女々しく恋愛体質の気色悪い主人公(優しい日本語翻訳がより気色悪さを増幅させる)、
とりあえず殺されるサブキャラには何の感情移入も出来ず、
残されたサブキャラはありきたりなハッピーエンド。
どれをとっても駄作中の駄作では無いか?
(一体どこを評価すれば良いのだろう)

ノルウェイの森の永沢のモデルはおそらくスティアフォースから来ているのであろうが、
永沢のセリフである「おれは時の洗礼を受けた本しか読まない」に対し、
時の洗礼を受けた本の中にもこんなクソが混ざっている事があると知れた以外は、
何の知恵知識にも結びつかずただひたすらに人生の貴重な時間を無駄にされた正真正銘の駄作であった。

古典だから、文豪ディケンズだから、世界10大小説に選ばれているからなどと、
読書を権威主義的に有難がる事ができる方におすすめします。
10人のお客様がこれが役に立ったと考えています
レポート
2019年10月30日に日本でレビュー済み
第1巻をあれよという間に読み終えての感想です。翻訳家の方(石塚裕子さん)が大変ユーモアのセンスをお持ちのようで、言葉選びや表現方法など(とても不幸な子供の話にもかかわらず)相当笑える作品でした。ディケンズの作風を余すところなく現代に蘇らせたと言えるのではないでしょうか。最近『オリヴァー・ツイスト』の新訳が新潮社から加賀山卓郎さんの訳で出たので、そちらもそれなりに楽しく読ませてもらいましたが、原文のとらえ方と日本語に置き換える際の言い回しなど(これは翻訳家の方のユーモアのセンスだと思います)は、本作の石塚訳には到底及ばないです。
『大いなる遺産は』石塚訳で発行済みのようですが、他のディケンズの大作もこの方に全て翻訳してもらいたいです。

全巻を読み終えての感想です。翻訳の素晴らしさは既に述べたので本作品について。今まで読んだ小説の中で一番面白いと言えます。全5巻(2,000ページ超)に尻込みして中々手をつけられずにいましたが、読んでいて全く飽きない、というか読み出したら止まらなくなる。膨大な数の登場人物が出てくるが、みな強烈なキャラクターが設定されて、それらを面白おかしく表現されているので実在の人物のように思えるくらい。挿絵も当時の生活ぶりや、それぞれのシーンの再確認的に見られて、かつ笑える。ディケンズは稀代のストーリーテラーでエンターテイナーだったと思われます。このような作品が文学史上の最高傑作の一つと位置付けられていることが愉快でもあり、またある意味当然のことでもあると思われます。「面白くなければ小説を読む意味はない」
18人のお客様がこれが役に立ったと考えています
レポート
2021年1月18日に日本でレビュー済み
ディケンズの最高傑作ではないかもしれません。しかしデイヴィッドがとても愛しくまた他の登場人物も個性的で、読み終えるのが寂しくなる小説です。ディケンズといえば古臭い、ご都合主義だ御涙頂戴ものだと言われがちですが、作品が長ければ長いほどストーリーテラーとして読むのが楽しい作家です。ロビンソンクルーソー等古典でも差別的な記述が多い作品は読むのも辛い時代ですが、ディケンズは社会風刺もありながら登場人物への視線が優しく、とりわけこの作品は安心して読めます。しかし岩波なのになぜ絶版なんでしょうか?
2人のお客様がこれが役に立ったと考えています
レポート
2010年10月12日に日本でレビュー済み
「クリスマス・キャロル」や「オリバー・ツイスト」など、
現代の我々にも親しみ深い作品の産みの親として著名なチャールズ・ディケンズ。

本作は、そのディケンズ自身が「一番好き」と述懐している作品であり、
彼の自伝小説としての側面を持っています。
特に少年時代のエピソードは最もその雰囲気が強く、
時に心温まり、時に切迫する心情がよく描かれています。
まるで作者が、少年時代の自分自身を懐かしく見守っているかのようです。

ディケンズ作品は、とかく「戯画的」と評されがちですし、
本作の雰囲気もまた、その評の故なしとしません。
コパフィールドとそれを取り巻く人々のサクセスストーリーは、
いかんせんおとぎ話の感を拭えないし、逆に彼から去ってゆく人たちの挙動も、
ちょっとばかり極端です。

しかし僕は単純にこの作品が好きです。
人物がいかにデフォルメされ、ストーリーが一方的でも、
そこに一本筋の通ったディケンズの自負が垣間見えるからです。

「どんな時でも休まず一心不乱に努力すること。」
すなわち、ディケンズの身上はその一点にあったでしょう。
一時は底辺の生活に身を落としながら、そこから這い上がった彼の自負が、
作中に溢れています。

その自負を力みかえらず、コミカルかつシニカルに描ききって見せた
その楽しげな筆が、僕をこの作品の中に漂わせてくれたのでした。
長大な作品ですが、読み始めればあっという間に時の過ぎる作品です。

(全5巻通読のレビュー)
14人のお客様がこれが役に立ったと考えています
レポート
2014年9月5日に日本でレビュー済み
とにかく登場人物達が魅力的で5巻と大著ながら
まったく飽きさせません。
登場人物の造形は決して一色ではなく、
いくつもの色合いを場面ごとにみせ、
深みを与えています。
道徳観などは決して現代からは重たさを実感できない
部分はあると思いますが、数十年を時間軸に据えた
大河ドラマのような物語の面白さを満喫でいると思います。
サッカレーの『虚栄の市』と並んで、とても好きな作品です。
若い方にとくにお勧めします。
9人のお客様がこれが役に立ったと考えています
レポート