今頃読みました。年季の入ったカニグズバーグ・ファンなのに、遅れをとってしまった。さて作品の出来は、う〜ん、イマイチだなあ。
塔が出てきて、マーガレットがひとりで塔を守る戦いをしているうちは、よかった。しかし団体になったとたんに、話がドタバタしてくる。決着の付け方が、どうも腑に落ちません。登場人物のおもしろさでのみ、持っている気がする。
さんざん話題になった、カニグズバーグの翻訳ですが、金原さんは無難にこなしています。小島某が降りてくれたのはうれしい。とはいえ私はすごく不満でした。何というか、主人公の女の子が遠いのです。やっぱり金原氏は、この作家にほれこんでおらず、それが如実に出ていると思う。カニグズバーグをしんそこ好きな、女性の翻訳家にやってほしかったな。松永ふみ子さんが良かったぶん、まだ受難の時代が続いていると思いました。
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スカイラー通り19番地 (カニグズバーグ作品集) 単行本 – 2004/11/25
- 本の長さ351ページ
- 言語日本語
- 出版社岩波書店
- 発売日2004/11/25
- ISBN-104001155745
- ISBN-13978-4001155747
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登録情報
- 出版社 : 岩波書店 (2004/11/25)
- 発売日 : 2004/11/25
- 言語 : 日本語
- 単行本 : 351ページ
- ISBN-10 : 4001155745
- ISBN-13 : 978-4001155747
- Amazon 売れ筋ランキング: - 670,983位本 (本の売れ筋ランキングを見る)
- カスタマーレビュー:
著者について
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1954年岡山市生まれ。法政大学教授・翻訳家。児童書やヤングアダルトむけの作品のほか、一般書、ノンフィクションなど、翻訳書は400点以上。訳書に『豚の死なない日』『青空のむこう』『国のない男』『不思議を売る男』『バーティミアス』『パーシー・ジャクソンとオリンポスの神々』『ジョン万次郎 海を渡ったサムライ魂』『さよならを待つふたりのために』など。エッセイに『翻訳家じゃなくてカレー屋になるはずだった』『翻訳のさじかげん』など。日本の古典の翻案に『雨月物語』『仮名手本忠臣蔵』『怪談牡丹灯籠』。
(写真撮影:根津千尋)
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トップレビュー
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2004年12月9日に日本でレビュー済み
Amazonで購入
カニグズバーグは、時代を見つめる目が確かだ。
子どもの視点で語りながら、大人社会のデタラメをわたしたちにはっきりと突きつける。
いつの世も大人が子どもに要求していることは、従順であることだ。
大人は自分が正しいと信じるあまり、盲目になってしまっているということ、
聞きたいことしか聞かないという失敗をしていることに気がつかない。
この本では、キャンプでのいじめやフォークアート、
市民運動などをうまく絡めて極上の物語にしている。
もちろん、金原さんの小気味良い翻訳によって、その魅力は充分に伝わっているはずだ。
一度開いたら、読み終えるまで閉じられない。
「できれば」ではなく「ぜったいに」あなたにも読んでもらいたい。
子どもの視点で語りながら、大人社会のデタラメをわたしたちにはっきりと突きつける。
いつの世も大人が子どもに要求していることは、従順であることだ。
大人は自分が正しいと信じるあまり、盲目になってしまっているということ、
聞きたいことしか聞かないという失敗をしていることに気がつかない。
この本では、キャンプでのいじめやフォークアート、
市民運動などをうまく絡めて極上の物語にしている。
もちろん、金原さんの小気味良い翻訳によって、その魅力は充分に伝わっているはずだ。
一度開いたら、読み終えるまで閉じられない。
「できれば」ではなく「ぜったいに」あなたにも読んでもらいたい。
2010年2月24日に日本でレビュー済み
カニグズバーグ作品に出てくる大人たちには、いつも魅了される。子どもの言うことにキチンと向き合ってくれる大人たち。この作品で言えば、大叔父さん2人とジェイク、ピーター、ロレッタさん。もちろん、わかってくれない大人もいるけど、一人でも二人でもわかってくれる大人がいれば、子どもは救われる。たとえ、親たちが問題を抱えていたとしても(この作品でも最後に、親たちが問題を抱えていたことが発覚する)、それ以外に自分を信じてくれる大人がいれば、子どもは大丈夫。
私の子ども時代にも、こんな大人たちに出会いたかったなあと思える1冊だった。
私の子ども時代にも、こんな大人たちに出会いたかったなあと思える1冊だった。
2005年10月19日に日本でレビュー済み
「美術もの」で、「ユダヤ系」で「感受性の鋭い少女」が主人公と、
カニグズバーグらしさ全開で、なかなかよかったです。
主人公の愛するおじさんたちがまたいい感じでしたし、
サマー・キャンプの描写もリアルでした。
ただ、最後のほうで展開が早いというか、どたばたに
なってしまったのが残念でした。
最終的にはコミュニティではなく巨大資本が出てきてしまうのも
アメリカの現実かもしれませんが、作者の諦めのようなものが
感じられてしまいました。
で、「塔」ですが、カリフォルニアにあるワッツ・タワーがモデル
ですね! 絶対そうだと、確信しています。
カニグズバーグらしさ全開で、なかなかよかったです。
主人公の愛するおじさんたちがまたいい感じでしたし、
サマー・キャンプの描写もリアルでした。
ただ、最後のほうで展開が早いというか、どたばたに
なってしまったのが残念でした。
最終的にはコミュニティではなく巨大資本が出てきてしまうのも
アメリカの現実かもしれませんが、作者の諦めのようなものが
感じられてしまいました。
で、「塔」ですが、カリフォルニアにあるワッツ・タワーがモデル
ですね! 絶対そうだと、確信しています。