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大陸へ――アメリカと中国の現在を日本語で書く 単行本 – 2012/4/19

3.8 5つ星のうち3.8 4個の評価

ダブルポイント 詳細
アメリカと中国、二つの大陸の手触りを求めて著者は旅を続ける。本書は、オバマ大統領就任式の熱狂の渦中から始まり、一方でその背景に根深く残り続ける人種差別の現在と歴史の地層に迫り、「河の南、一億人の省」(河南省)での農民や坑夫との交流を描く。紀行文学の可能性をぎりぎりまで追求した鮮烈なノンフィクション。
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登録情報

  • 出版社 ‏ : ‎ 岩波書店 (2012/4/19)
  • 発売日 ‏ : ‎ 2012/4/19
  • 言語 ‏ : ‎ 日本語
  • 単行本 ‏ : ‎ 176ページ
  • ISBN-10 ‏ : ‎ 4000237985
  • ISBN-13 ‏ : ‎ 978-4000237987
  • 寸法 ‏ : ‎ 13.5 x 2 x 19.5 cm
  • カスタマーレビュー:
    3.8 5つ星のうち3.8 4個の評価

カスタマーレビュー

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5つのうち3.8つ
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上位レビュー、対象国: 日本

2012年4月30日に日本でレビュー済み
Amazonで購入
  装丁から語りたい。カバー、表紙に描かれる黒々と密集した群像。同じ絵柄が初めの中見出しで一旦薄くなった後、章毎に濃くなる。それに連れて文章も濃厚になる。印象に残る作りである。
  「大陸」はアメリカ大陸と中国大陸のことだが、「黒」は何だろう。著者はそれをアメリカの黒人と、中国農民だと言う。黒人は皮膚の色という粗野で明快な「差別の認識と克服」を課題とする。中国農民も同じく、黒く見える肌、粗末な服装で視覚的に識別される。中国農民は職業ではない。都会人と差別の明らかな農民という「資格」であるという。だがその差別の克服の方向は未だ見えない。中国農民を黒人「奴隷」と同じと捉える著者のリアリズムの確かさに驚く。
 著者は両大陸を跨いで差別される人々を追って行く。アメリカのオバマ大統領選出は黒人史に画期をもたらした。彼は「その黒さを自由に着ることができるポストモダンのアイデンティティを持つ男」と評されるが、それで黒人史に革命をもたらしたわけではない。黒人問題への発言には大統領ですら神経を張りつめる。偶然乗り合わせたワシントンDCのタクシーの中で、黒人運転手と黒人ビジネスマンが “I’m not going” “No way! No way!”と真剣に話し込んでいるのは刑務所のことで、黒人男性の何割かが、徴兵される様に刑務所に放り込まれる現実がある。アッパーミドルまで上り詰めた黒人の場合でも状況は似たようなものだ。
 中国農民はアメリカ黒人のようにマイノリティではない。圧倒的マジョリティである。「社会主義国」中国で、農民こそは人民の中核で前衛のはずである。しかしそんなことはもはや建前ですらない。「高速公路」と各地でつながって大陸を南部に貫く国道107号線の沿線には、挿絵の様に黒い群衆が連日ウンカの如く押し寄せては、手配師のバスを待っている。その沿道にある村落を丸ごと消し去って建設される農民の年収200年分もの価格をつける高級マンション群。その名称も「フィレンツェの森」「地中海の海岸」「カルフォルニア億万長者の郷」というのだからブラックユーモアもこれ以上のものはないだろう。
 革命中国は農民に何をしてきたのであろうか。毛の「大躍進」は数千万の農民を飢餓に追いやり、トウの「改革開放」は農村そのものを破壊した。だが農民たちは餓死を「天災だった」と語り、「これで、だんぜん、よくなっている」という天性の明るさを今も保持しているのである。
 農村の奥へ奥へと踏み込んで行く著者が見るのは、石炭にまみれる究極の黒い農村と農民。「あなたは結局何を見たいのか」と呆れたように聞かれて、著者は「人民、人民の生活が見たい」と言うのみ。「不条理」というものがこの世から消滅することがないのなら、せめてそれに寄り添いたい。「老外」である著者が農民と理解しあうことは難しいだろう。しかし「白人」としての恥かしさを込めてでも著者は彼等と言葉を交わしたいのだ。私は先に『延安』で著者を「現代」を漂泊する紀行作家と評したが、彼と共に「漂流する世界」を味わう浮遊感は他に得難い体験なのである。
14人のお客様がこれが役に立ったと考えています
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2012年11月20日に日本でレビュー済み
 うるう年の夏には五輪ピックが、秋〜冬にはアメリカ大統領選挙がある!っていうのはすでに周知のことながら、4年前の2008年の夏の五輪ピックにおける日本選手の成績については、我々の如く部外者ならもう既にはっきりとは覚えてはおらぬ。今年2012年のことですら怪しいものじゃ。

 だが、オバマが黒人初の大統領になったことは覚えている。忘れようとしても思い出せないあの夏の日々・・・・"Hello,Chicago・・・・"なんて中学生までスピーチコンテストで暗誦したものだ。

 黒人差別がどうのこうのと云々カンヌン、われわれ「同級生」が学生の頃、オバマがガキの頃でも、まだまだ、ひどい差別があったんだってことを、少しは思い出させてくれる。これまた忘れようとしても思い出すどころか忘れ去ることのできない悲惨かつ云々かんぬん・・・・・

 一転、高度経済成長のはざまでいまだに極貧暮らしを続けざるを得ない中国の農村部に行ってみた。メルセデスが走ってる、それを運転している綺麗に化粧したお姉ちゃんをガイジンに自慢しつつ、しかしドル紙幣に群がるかわいそうな性格・・・・

 「同級生」で同じ名前というので、前々からその書くもの、その発言に意識して見聞きしてきたリービ英雄、2012年オバマが再選された秋に読む。進んでる。
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