「鳥類学者 無謀にも恐竜を語る」や「鳥類学者だからって、鳥が好きだと思うなよ。」の著書で知られる川上先生の鶏を主役とした鶏への恋文集ともいえる一冊。
科学的なことは勿論、随所に日本語についての矛盾を語っている。それはプロローグ冒頭の「チキンバーガー」に始まる。ハンバーガーはそもそもハンバーグをパンで挟んだサンドイッチなので、チキンバーガーというからには、ハンバーグをチキンで挟んでいないとオカシイ。と指摘する。
他には、赤ちゃんは「生後」、亡くなったら「死後」なのに亡くなる前を「生前」というのは変で「死前」といわなければオカシイ。と、こんな調子である。
人類と鳥との付き合いはアリストテレス、インドの「ヴェーダ」まで遡って古いことを示す。
本文は胸肉に始まり鶏肉の各部位にフォーカスして進む。胸肉は働きとしては「翼を打ち下ろす」ために必要であり、一方ささみは、「翼を持ち上げる」ための筋肉であるという、解剖学的な知識も記されている。
ささみはヘルシーな肉として天下に知れ渡っているが、実はそこまでささみだけがダントツにヘルシーということもないらしい。100g当たり、ささみは105キロカロリーであるのに対して、胸肉も108キロカロリーとほとんど差がないのである。
鶏だけでなく他の鳥類の話もふんだんに記され、シロハラアマツバメは半年以上地上に降りず飛び続けられる、などは仰天な逸話である。
鳥類が恐竜の子孫であることに異を唱える説に対して、東北大の研究者らによって示された結果によって、鳥類が恐竜から進化したことを覆しようがなくなった。という近年の研究成果を知ると、サイエンスのドラマチックかつエキサイティングな一面に胸が熱くなった。
ユーモアも豊富な知識もメガ盛りといった「鶏本」は、本って素晴らしいとあらためて思わせてくれる一冊である。
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鳥肉以上,鳥学未満. 単行本 – 2019/2/20
川上 和人
(著)
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ボリュームたっぷり胸肉,スジが噛み切れないササミ…….日々の食卓でおなじみの鳥肉には,鳥ならではの機能性と進化の歴史がいっぱい詰まっている.ボンジリってお尻じゃないの? 鳥の首はろくろ首? 昭和の野球部はスズメ跳び!? ――トリビアもネタも満載.オーブンのチキンが焼けるまで,とっておきのサイエンスを召し上がれ.
- 本の長さ192ページ
- 言語日本語
- 出版社岩波書店
- 発売日2019/2/20
- 寸法12.9 x 1.8 x 18.8 cm
- ISBN-104000063170
- ISBN-13978-4000063173
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商品の説明
出版社からのコメント
打ち合わせ中,「上から見るとこんな感じで……」と,サラサラとペンを走らせておられるのを見て「むむっ」と思ってはいました.しかし,これほどまでとは.後から送っていただいた線画に,編集担当は仰天してしまいました.『鳥類学者だからって、鳥が好きだと思うなよ。』(新潮社)などのご著書で文章の巧みさは折り紙つきの川上さんですが,絵もたいへんお上手なのです! 今回の本は鳥の肉や骨の話題がてんこ盛りですが,骨格などの説明図はほぼ全て,著者ご自身の手によるものです.もちろん,この本でも,その文才はいかんなく発揮されています.先生,「ガンダムとガンキャノンに挟まれて右往左往するジムのような存在」って何ですか.どうして鳥の本なのにタンクトップのマッチョなんですか.――どうぞご期待ください.
登録情報
- 出版社 : 岩波書店 (2019/2/20)
- 発売日 : 2019/2/20
- 言語 : 日本語
- 単行本 : 192ページ
- ISBN-10 : 4000063170
- ISBN-13 : 978-4000063173
- 寸法 : 12.9 x 1.8 x 18.8 cm
- Amazon 売れ筋ランキング: - 323,619位本 (本の売れ筋ランキングを見る)
- - 276位鳥類学
- カスタマーレビュー:
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トップレビュー
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2019年2月27日に日本でレビュー済み
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2019年3月6日に日本でレビュー済み
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「鳥肉を通じて、鳥類についての誤解を解き、理解を深めていく(p.5)」書。テイストとしては小倉明彦『実況・料理生物学』(文藝春秋)に近い。
「脂質が最多な部位は鳥皮で、含有率は約50%(P.28)」とか、
鳥の指が第1~3指であることが証明され「鳥類が恐竜から進化してきたことを否定する証拠がなくなった(p.57)」とか、
フラミンゴのピンク色は「分泌物を羽毛に塗布することで(p.140)」生じているとか、
「鳥のくちばしの先端は人間の指先のような感覚器官(p.165)」であるとか、
新しい知識・情報に触れる楽しみもあるが、それ以上に
「持続的な飛翔を可能にするためには、ミオグロビンがたくさん含まれた赤い胸肉をもつことが必須」だからカモ肉は紅いが、「単発的な飛翔」しかしない「ニワトリを含むキジ科鳥類の胸肉にはミオグロビンが少なく、淡い色になっている(p.18)」
というように、鳥類のあり方の「なぜ」についての論理的な説明、特にそれらの論理を辿っていくと、多くが空を飛ぶための進化的な要請に関わってくるということが分かって、知的快感をつかさどるツボが強く刺激される。
なるほど、食卓にのるチキンから我々は「博物館にも引けを取らない無限の情報……気の遠くなるほどの長い進化の歴史(p.181)」を見ることができるのである。著者の助けによって。
ガンダムや「デビルマン」や「ルパン三世」の登場人物等などを用いた喩えは、分かる人は分かるけれど分からない人は分からないだろうな。笑えるけど。岩波書店が本書を出したというのが驚異である。
「脂質が最多な部位は鳥皮で、含有率は約50%(P.28)」とか、
鳥の指が第1~3指であることが証明され「鳥類が恐竜から進化してきたことを否定する証拠がなくなった(p.57)」とか、
フラミンゴのピンク色は「分泌物を羽毛に塗布することで(p.140)」生じているとか、
「鳥のくちばしの先端は人間の指先のような感覚器官(p.165)」であるとか、
新しい知識・情報に触れる楽しみもあるが、それ以上に
「持続的な飛翔を可能にするためには、ミオグロビンがたくさん含まれた赤い胸肉をもつことが必須」だからカモ肉は紅いが、「単発的な飛翔」しかしない「ニワトリを含むキジ科鳥類の胸肉にはミオグロビンが少なく、淡い色になっている(p.18)」
というように、鳥類のあり方の「なぜ」についての論理的な説明、特にそれらの論理を辿っていくと、多くが空を飛ぶための進化的な要請に関わってくるということが分かって、知的快感をつかさどるツボが強く刺激される。
なるほど、食卓にのるチキンから我々は「博物館にも引けを取らない無限の情報……気の遠くなるほどの長い進化の歴史(p.181)」を見ることができるのである。著者の助けによって。
ガンダムや「デビルマン」や「ルパン三世」の登場人物等などを用いた喩えは、分かる人は分かるけれど分からない人は分からないだろうな。笑えるけど。岩波書店が本書を出したというのが驚異である。
2023年9月22日に日本でレビュー済み
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普段食している鶏を例に挙げて、あれやこれやの鳥に関する知識を面白おかしく紹介してあります。
雑学の読み物としても、ありだと思いました。
雑学の読み物としても、ありだと思いました。
2020年1月26日に日本でレビュー済み
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知らずに食べている鶏肉の奥深さが分かります。
特にケンタを食べるときの感慨が深まります。
特にケンタを食べるときの感慨が深まります。
2019年10月10日に日本でレビュー済み
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川上先生の本、全部面白いです。ハズレなしです。そしてためになる。
2019年3月7日に日本でレビュー済み
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「鳥類学者だからって、鳥が好きだと思うなよ」、「鳥類学者、無謀にも恐竜を語る」、「そもそも、島に進化あり」と、川上和人さんの著作を読んできて、今回が一番ホネが折れました。当方、鳥類以外の生物を扱う仕事をしているので、鳥類ではこうだけど、うちの分野ではこうで・・と、脳内比較解剖学を始めてしまい、疲れました。でももちろんおもしろかった! 知的好奇心のくすぐり方も楽しいし、こネタもてんこ盛りだし。
次の本も待ってます! 2017年南硫黄島の話を聞けるとうれしいなあ。NHKスペシャルで川上先生のお姿を拝見して、うれしかったです。
次の本も待ってます! 2017年南硫黄島の話を聞けるとうれしいなあ。NHKスペシャルで川上先生のお姿を拝見して、うれしかったです。
2019年4月7日に日本でレビュー済み
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ニワトリを中心にして、鳥類の体の構造がよくわかる。鶏肉がなぜおいしいのかが納得できる。
2019年7月28日に日本でレビュー済み
食肉としてよく目にする鶏(ニワトリ)の肉・内臓やホネを通じて、トリの生物学的形態や機能を解説する本です。
私は、うかつにも、鶏肉や鶏レバーやカワや軟骨など日頃、スーパーで買ったり、焼き鳥屋で食べたりする鶏を食材として意識することはあっても、生物として意識することがほとんどなかったのですが、この本を読んで、ナルホドの連続でした。
こんなコンセプトでトリを解説する著者の奇想天外なアイデアにまず脱帽です。
私の場合、「鳥類学者だからって、鳥が好きだと思うなよ。」に続いて、著者の本は2冊目なのですが、「鳥類学者~」がさまざまな事柄を多面的にとりあげているのに対して、本書はほぼ全部が鳥の形態について書かれている本です。なので、やや単調になるのは致し方なく、興味深い反面、読むのに少し根気がいる本です。
本書は、著者ならではのジョーク満載の本でもあります。これを楽しいと感じるか、オフザケが過ぎると感じるかは人それぞれと思いますが、このジョークがなければ、かなり読むのがしんどい本かもしれず、私は楽みながら読ませていただきました。
陸上や水中の生物と異なり、空を飛ぶトリならではの形態の妙を知り、トリの進化の一端を垣間見ることができる、たいへんためになる興味深い本です。
読んで損はない、なかなかの本と思います。
私は、うかつにも、鶏肉や鶏レバーやカワや軟骨など日頃、スーパーで買ったり、焼き鳥屋で食べたりする鶏を食材として意識することはあっても、生物として意識することがほとんどなかったのですが、この本を読んで、ナルホドの連続でした。
こんなコンセプトでトリを解説する著者の奇想天外なアイデアにまず脱帽です。
私の場合、「鳥類学者だからって、鳥が好きだと思うなよ。」に続いて、著者の本は2冊目なのですが、「鳥類学者~」がさまざまな事柄を多面的にとりあげているのに対して、本書はほぼ全部が鳥の形態について書かれている本です。なので、やや単調になるのは致し方なく、興味深い反面、読むのに少し根気がいる本です。
本書は、著者ならではのジョーク満載の本でもあります。これを楽しいと感じるか、オフザケが過ぎると感じるかは人それぞれと思いますが、このジョークがなければ、かなり読むのがしんどい本かもしれず、私は楽みながら読ませていただきました。
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読んで損はない、なかなかの本と思います。