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リゲティの『レクイエム』は、かの『2001年宇宙の旅』でモノリスのテーマとして使われていることで有名になった曲。
このCDに収められているのは、なんと、大御所のミヒャエル・ギーレン指揮、ヘッセン放送交響楽団演奏の1968年の演奏。
2001年で用いられた音源とは異なります。
2001年のサントラは、フランシス・トラビス指揮、バイエルン放送交響楽団の演奏で、放送用音源とのこと。LP、CDを通じて全曲リリースされたことは一度もないようです。
時代が2001年を追い越して、21世紀に突入。
ようやくジョナサン・ノットら現代音楽に造詣が深い指揮者たちがレクイエムの全曲を録音し、何種類かのCDを聴くことができるご時世になりました。
しかし、それまでの長い間、レクイエムの全曲を聞くにはこの音盤に頼るしかありませんでした。
このギーレン盤、そんな歴史的価値もさることながら、出来たてホヤホヤの大曲に果敢に取り組んだ凄味と言いますか、独特の迫力が宿っています。
曲が曲だけに、スピーカーから音を大音量で再生した日には家の者＆近所の人々に訝しがられること必至ですが、リゲティのトーンクラスター音楽の「宇宙的」な響きに魅せられた方は、ぜひ手にとっていただきたい一枚です。
ちなみに、2001年で使われたのは、全部で4楽章からなるこの曲の第2楽章: Kyrie の部分です。そう言われると、合唱が「キ〜リ〜エ〜」とまるで読経のように唸っている(?)のがわかると思います。
ちなみに、本音盤の2曲目に収録されている『Aventures』も、2001年で使われています。
2001年ファンの方はぜひ聴いてみてください。(聴けばすぐにどこで使われていたかわかります。)
追記
ミヒャエル・ギーレンが、2019年3月8日、お亡くなりになったとのこと。
近代、現代の曲を鋭く分析しつつも、それでいて熱く演奏できる、希有な指揮者でした。
追悼としてこのレクイエムをかけつつ、合掌。
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