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青卵: 歌集 単行本 – 2001/12/1
東 直子
(著)
- 本の長さ213ページ
- 言語日本語
- 出版社本阿弥書店
- 発売日2001/12/1
- ISBN-104893737929
- ISBN-13978-4893737922
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登録情報
- 出版社 : 本阿弥書店 (2001/12/1)
- 発売日 : 2001/12/1
- 言語 : 日本語
- 単行本 : 213ページ
- ISBN-10 : 4893737929
- ISBN-13 : 978-4893737922
- Amazon 売れ筋ランキング: - 1,770,807位本 (本の売れ筋ランキングを見る)
- - 422,457位文学・評論 (本)
- カスタマーレビュー:
著者について
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トップレビュー
上位レビュー、対象国: 日本
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2022年4月21日に日本でレビュー済み
Amazonで購入
よく読ませて頂いています。
2019年2月27日に日本でレビュー済み
Amazonで購入
何だろう。もちろん東直子さんの歌には違いはない、違いはないのですが『春原さんのリコーダー』とも『十階』とも明らかに異なるこの感じは。帯にある”戦慄の第二歌集”のキャッチコピーに素直に納得です。本の三方の小口が付箋であふれ、出来損ないのオブジェみたいになるまで読みました。異論を承知で言えば、もちろんその才気の一部としてという意味においてですが、彼女の家族愛の歌人としての側面が色濃く出た作品群ではないかと思います。最近は小説や随筆の方に活動をシフトされておられるようですが、そろそろ第四歌集をお願いしたいものです。三首引用させていただきます――わらう鳥わらう神様わらう雲チャックゆるくてふきだす涙 あなうらにやわらかき砂広がれば悲しみの卵(らん)ひとつ落としぬ 風景は記憶に還り死者たちは待ち針として地に眠りおり
2020年2月20日に日本でレビュー済み
歌集『青卵(せいらん)』(東直子著、ちくま文庫)には、491首が収められています。
東直子の短歌は不思議な作品が多く、正直言って、私の理解の及ばないものがあります。そういう場合は、この歌人の言葉が呼び起こす感覚に身を任せることにしています。作者自身が、「何だかは私にもよくわからない」、「どうやって作ったのかわからない」、「説明すると台無しになると思っているから」、「自分に言葉を引きつけてそこから今まで思いつかなかった言葉を引き出せたら楽しい」と言っているのですから。
●つぶしたらきゅっとないたあたりから世界は縦に流れはじめる
●好きだった世界をみんな連れてゆくあなたのカヌー燃えるみずうみ
●シスターよ あなたの中にあかあかと淋しく燃えるサイレンがある
●ホッチキスで止めた傷口まもりつつ今年の夏の忙しいこと
●アナ・タガ・スキ・ダ アナ・タガ・スキ・ダ ムネ・サケ・ル 夏のロビンソン
●<もういいかい> の先の言葉を待っている尾をからませてしずかなとかげ
●笹舟に乗ってあの世にゆきたいとあれはどなたのことばでしたか
●地下室にとろりと水の流れゆく夜は素直に眠る階段
●今そばに居るひとが好き水が産む水のようだわわたしたちって
●秋の陽に先生のはげやさしくて楽譜にト音記号を入れる
●とうに答はミシンカタカタほのあかく見えているけどミシンカタカタ
●どこへゆくのかもう訊かないね よく晴れた冬の朝ならなおさらのこと
●ふゆのゆめ なにがしたいか言えなくて羽音の中にあなたがとける
●おしりからピースを埋めてゆきました ららら冬の日らららゆふやけ
●国見山ゆめの桟橋こふのとり無政府主義者はじめての恋
●さびしさが来ないようにと願いつつ娼婦は白いささやきを飲む
●また眠れなくてあなたを噛みました かたいやさしいあおい夜です
●ぎこちない抱擁がありぎこちない悲しみがある あさのつめたさ
●打ち上げられたくじらのように横たわり<つめ、つめ、つめを、つめを洗って>
●ワンカップ大関黒い虫浮かせ地蔵のよだれかけ新しい
●すーすーするタブレット分け合って夏だねえって言えてうれしい
●蝉みたいに悲しいにおいの軟膏をくびすじにぬる八月六日
●腹太き雌きりぎりす夏の夜のらんたんふふん、と嗅いでいたりき
●びんせんとふうとう買ってめらめらと白いあすこのむこうの方へ
●金色の武蔵坊弁慶をああ待っていた私待ってた
●もうここにおられんようになりました妻うらがえりうらがえり消ゆ
●踏んでいるあなたの体のゼリー質しずかな夜に妊りたかった
●骨多き魚に嗚咽し民族の歴史書に酸き涙を流す
●蛇の骨に小鳥の骨がつつまれたまま少しずつ愛されている
●日本人姉妹三人鉄火巻鰻巻(うまき)紫蘇巻無風の笑顔
●記憶から消えてしまったものたちがそろりそろりと湯につかりゆく
●とうすみのとぶ庭にいるわたくしにあなたは赤い質問をする
●ただ一度かさね合わせた身体から青い卵がこぼれそうです
本当に不可思議千万な歌集です。
東直子の短歌は不思議な作品が多く、正直言って、私の理解の及ばないものがあります。そういう場合は、この歌人の言葉が呼び起こす感覚に身を任せることにしています。作者自身が、「何だかは私にもよくわからない」、「どうやって作ったのかわからない」、「説明すると台無しになると思っているから」、「自分に言葉を引きつけてそこから今まで思いつかなかった言葉を引き出せたら楽しい」と言っているのですから。
●つぶしたらきゅっとないたあたりから世界は縦に流れはじめる
●好きだった世界をみんな連れてゆくあなたのカヌー燃えるみずうみ
●シスターよ あなたの中にあかあかと淋しく燃えるサイレンがある
●ホッチキスで止めた傷口まもりつつ今年の夏の忙しいこと
●アナ・タガ・スキ・ダ アナ・タガ・スキ・ダ ムネ・サケ・ル 夏のロビンソン
●<もういいかい> の先の言葉を待っている尾をからませてしずかなとかげ
●笹舟に乗ってあの世にゆきたいとあれはどなたのことばでしたか
●地下室にとろりと水の流れゆく夜は素直に眠る階段
●今そばに居るひとが好き水が産む水のようだわわたしたちって
●秋の陽に先生のはげやさしくて楽譜にト音記号を入れる
●とうに答はミシンカタカタほのあかく見えているけどミシンカタカタ
●どこへゆくのかもう訊かないね よく晴れた冬の朝ならなおさらのこと
●ふゆのゆめ なにがしたいか言えなくて羽音の中にあなたがとける
●おしりからピースを埋めてゆきました ららら冬の日らららゆふやけ
●国見山ゆめの桟橋こふのとり無政府主義者はじめての恋
●さびしさが来ないようにと願いつつ娼婦は白いささやきを飲む
●また眠れなくてあなたを噛みました かたいやさしいあおい夜です
●ぎこちない抱擁がありぎこちない悲しみがある あさのつめたさ
●打ち上げられたくじらのように横たわり<つめ、つめ、つめを、つめを洗って>
●ワンカップ大関黒い虫浮かせ地蔵のよだれかけ新しい
●すーすーするタブレット分け合って夏だねえって言えてうれしい
●蝉みたいに悲しいにおいの軟膏をくびすじにぬる八月六日
●腹太き雌きりぎりす夏の夜のらんたんふふん、と嗅いでいたりき
●びんせんとふうとう買ってめらめらと白いあすこのむこうの方へ
●金色の武蔵坊弁慶をああ待っていた私待ってた
●もうここにおられんようになりました妻うらがえりうらがえり消ゆ
●踏んでいるあなたの体のゼリー質しずかな夜に妊りたかった
●骨多き魚に嗚咽し民族の歴史書に酸き涙を流す
●蛇の骨に小鳥の骨がつつまれたまま少しずつ愛されている
●日本人姉妹三人鉄火巻鰻巻(うまき)紫蘇巻無風の笑顔
●記憶から消えてしまったものたちがそろりそろりと湯につかりゆく
●とうすみのとぶ庭にいるわたくしにあなたは赤い質問をする
●ただ一度かさね合わせた身体から青い卵がこぼれそうです
本当に不可思議千万な歌集です。
2016年8月15日に日本でレビュー済み
#東直子 #短歌 水枕鳥の産卵風車小屋花野武蔵野無人改札 ドアに小さな手紙を貼って町を出た画家の残した向日葵の種 枇杷の木の根もとの白き貝殻を夢のしるしとして眠りおり