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喜多川泰

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よくがんばりました。単行本 – 2022/9/22

喜多川　泰 (著)

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だんじりが駆けめぐる祭りの夜。
決して交わることのなかった
父と息子におとずれる奇跡。

著作累計１００万部を突破した
小説家・喜多川泰が紡ぐ心の再生物語。

［あらすじ］
中学校の社会科教師として３０年のキャリアをもつ石橋嘉人は、心が不安定な新米教師・山吹日奈の面倒をみながら、コロナ禍で大きく変化する教育現場や子どもたちの心情に憤りを感じていた。ある日、愛媛県警からの連絡で実父が亡くなったことを知る。父親とは３８年前、逃げるように母親と家を飛び出してから会っていないうえに、自分の記憶からも消していた存在だった。時はちょうど「西条まつり」が行われる秋の１０月。江戸時代から続く日本一のだんじり数を誇る祭りの高揚感が、唯一の父親との記憶を蘇らせた。義人は、生まれて初めて父親の実像と向き合う決心をする。それは、自分の心を癒す再生の時間でもあった。

［本文より］
自分に与えられた条件のなかで、起こることすべてを受け入れて、誰にもその苦しみを理解してもらえないままに、ひとつの旅を終えた人に対して湧いてくる言葉は、嘉人のなかではひとつしかなかった。
「よくがんばりました」
そしていつか自分も人生を終えるときに、誰かが、誰でもいい、たった一人でもいいから、自分に対してそう言ってくれたら、自分の人生は報われるんじゃないか。そう思えた。

人間の凄さっていうのは、
すべての人が、その人の人生を
懸命に生きているところにある。

【目次より】
春の風のようなひかり　１９７８
パノプティコン　２０２２
湊哲治　２０２２
離郷　１９８４
故郷　２０２２
祭りの記憶　
御旅所　１９８２
真鍋陽子　２０２２
ひかりに照らされて
宮出し　２０２２
人の凄み　２０２２
御旅所　２０２２
同行二人　１９８４
あとがき

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本の長さ

238ページ
言語

日本語
出版社

サンマーク出版
発売日

2022/9/22
寸法

11.6 x 1.8 x 17.6 cm
ISBN-10

4763140124
ISBN-13

978-4763140128
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著者について

喜多川　泰（きたがわ・やすし）
１９７０年生まれ。愛媛県西条市出身。２００５年から作家としての活動を開始。『賢者の書』（ディスカヴァー・トゥエンティワン刊）にてデビュー。２０１０年に出版された『「また、必ず会おう」と誰もが言った。』（小社刊）は１３万部を突破。２０１３年９月には映画化され、全国一斉ロードショーとなる。また同作品は２０１８年に舞台化された。精力的に作品を発表し、これまでの全１８作品の国内累計１００万部を超える。「喜多川ワールド」と呼ばれるその独特の世界観は、小学生から８０代まで幅広い年齢層から愛され、その影響力は国内にとどまらず、多数の作品が台湾・韓国・中国・ベトナムでも翻訳出版されている。執筆活動だけではなく全国各地での講演やセミナーも開催。出会った人の人生を変える講師として人気を博している。主な作品に『おいべっさんと不思議な母子』『Ｏｎｅ　Ｗｏｒｌｄ』『秘密結社Ｌａｄｙｂｉｒｄと僕の6日間』『［文庫］福に憑かれた男』（以上、小社刊）、『君と会えたから……』『手紙屋』『株式会社タイムカプセル社』『運転者』（以上、ディスカヴァー・トゥエンティワン）、『書斎の鍵』(現代書林)、『ソバニイルヨ』(幻冬舎)などがある。

登録情報

出版社 ‏ : ‎ サンマーク出版 (2022/9/22)
発売日 ‏ : ‎ 2022/9/22
言語 ‏ : ‎ 日本語
単行本 ‏ : ‎ 238ページ
ISBN-10 ‏ : ‎ 4763140124
ISBN-13 ‏ : ‎ 978-4763140128
寸法 ‏ : ‎ 11.6 x 1.8 x 17.6 cm

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4.5 208個の評価

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喜多川泰

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1970年生まれ。愛媛県出身。東京学芸大学卒。2005年から作家としての活動を開始。

「喜多川ワールド」と呼ばれるその独特の世界観は、小学生から80代まで幅広い年齢層から愛され、その影響力は国内に止まらず、現在は多数の作品が台湾・韓国・中国・ベトナムでも翻訳出版されている。

執筆活動だけではなく全国各地での講演やセミナーも開催。出会った人の人生を変える講師として人気を博している。

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ユウナナ

生きることの愛おしさ

2023年9月9日に日本でレビュー済み

Amazonで購入

みんな、不器用ながらも自分の人生を懸命に生きている。それが、1つの角度から見た時は全否定されてしまうような、生き方であったとしても。親子だからこそ、受け入れ難い、やるせない想いを私自身もしてきたけれど、この本に出会って、何だか全てを肯定できました。読みながら、封印していた、傷ついた自分の感情が溢れてきましたが、たくさん泣いたら涙とともに昇華されていくのを感じました。後書きを読むと、著者の溢れる人類愛を感じます。

役に立った

茄子三郎

教師とは、子供とは、学校とは、親子とは、すべての疑問への答えがこの本にある！

2023年3月31日に日本でレビュー済み

Amazonで購入

一昨日、友人から著者のことを聞いた。先ずは、近著と思い本書を取り寄せた。コロナ渦中の学校の教育現場の実態がまずよく分かった。著者の教育者や人間観に共鳴を覚えた。プロローグの転向してきたばかりの二人の女生徒の会話が、後でどう繋がるのか、興味津々だった。つかみがうまいと思った。
　主人公石橋嘉人は、子供の頃、夫との関係に耐えられずに、愛媛県西条市の夫の家から遁走した母親に東京で育てられた。ベテラン教師で、人生においても社会の広範な人々から自発的に学び、教師としても人間としても力量を備えている。だが、彼の深層心理には、母を捨てた父親哲治への怒りが、無関心を粧いながらも強くはたらいていた。突然、西条市の警察から、哲治が死んだと連絡が来て、主人公は戸惑う。
　複雑な思いを抱きながら、西条へ出向き、ホテルに泊まる。案内の警官は中学の後輩、父親が貸し本屋を営んでいた家の家主は彼の同級生であった。
　主人公が小学生の時に、将来教師を目指す女性がやってきて、数学の楽しさを教えた。その話から主人公は数学に惹かれて数学教師になった。その時の、教師のたまごの女性が、父親の晩年期に貸本屋へ通ってきていた。この小説では、彼女がトリクスター的役割をしている。警察を通して、主人公に父親の死を知らせたのは彼女だったのだ。彼女の夫は教師であったが、自死している。夫がよく本を借りていたのが、主人公の父親の店であった。夫も生前哲治に励まされていたのだ。
　妻や愛する息子（主人公）に去られた主人公の父親の哲治も、相当辛い人生を送ったようだ。ある日、お遍路の旅人に奉仕をしたことから、人生を見る視点を変えることができて、多くの客の人生を変えるような本を提供する貸本屋になっていた。夫を失ったことが契機で、元数学の教師の女性は、貸本屋に通うようになった。
　彼女は、主人公や読者の人間の幸福や不幸に関する捉え方を180度転換させる。主人公とこの女性の会話が、この小説のハイライトであると思った。それぞれの個人がその人生を生きていることの意味を、彼女は嘉人に話すのだが、この辺りは、実に深く、参ったという気持ちで読み進んだ。作家の読者への挑戦だと思えた。
　私は、これまで、心の中に隠していた、自分の感情が、彼らの会話で呼び覚まされてしまい、思わず涙が出てきた。私と母や父との関係、折々に母子家庭の私に手を差し伸べてくれた教師たちのことを思い出した。
　主人公の学校に赴任してきた新しい校長は、頼りない人で「よくがんばりました」を生徒に、言うように教師に進めるのだが、誰も実行しない。だが、哲治を改心させたお遍路の言葉が「よくがんばりました」であった、と知ると、読者は、この本のタイトルの深さと重さを思い知るのだ。
　著者は「人間の凄さっていうのはすべての人が、その人生を懸命に生きているところにある」と書いている。一人一人が、その人しか生きられない人生を生きている、という著者の言葉は説得力がある。
　地方都市のお祭りで繰り広げられる共同体的な人の絆も懐かしい。父親を捨てていた、だが、捨てきれなかった主人公が、自分を捨てたと思っていた父親も、そのことで悩み、苦悩の末にお遍路との出会いで、回心を経験して、多くの人々を救っていた彼が知らなかった父親の人生を教えてもらい、亡き父との和解を果たす。
　この小説は、教育とは何か、家族とは何か、親子とは何か、そして、何よりも人間とは何か、という根源的な疑問に小説という形式で見事に答えてくれている文学作品だと感じた。子供から高齢者まで幅広い読者がいるというのも頷ける。他の作品も読んでみたいと思いはじめている。その誘惑を退けるのは、どうやら、難しそうだ。

5人のお客様がこれが役に立ったと考えています

役に立った

Amazon カスタマー

良い作品です

2023年4月7日に日本でレビュー済み

Amazonで購入

同作家を一気読みしています
感動する作品でした

役に立った

TY

「西条祭り」の思い出にまつわる父と子の想い

2022年10月7日に日本でレビュー済み

Amazonで購入

奇跡的な繋がりから、教師・石橋嘉人へ知らされる死。
その瞬間から突然、父の存在にほだされる。
忘れるほど縁遠い父親の謎解めいた死が、主人公を故郷へ引き寄せる。
ここから、不思議なハラハラ感で、私は胸騒ぎ…

そこに絡み合って来る「西条祭り」。
金木犀の香り、太鼓と鉦の音に紐づいた思い出が蘇る
繊細な描写で、故郷の象徴である屋台の情景が目の前に広がりました。

学校でのシーンでは、迷惑にならないように、傷つけないようにと、大人の過度な価値観を子どもたちに身につけさせようとしている事に気付かせてくれます。
自分も子ども時代にそれが正しい答えのように教えられて来ましたが、親となり少なからずそうして来た自分を振り返りました。
意識されぬままに作り出されている窮屈で息苦しい毎日。
“自分”を見失い、人とのつながりを希薄にして行かないように、皆が意識したいものです。

たくさんの価値観でその人を見なければ、本当のその人は見えてこない。（作品より引用）

大切に残された法被と一冊の本。
父と子の思い出を繋ぐ。
藍染の法被を羽織り、だんじりの中へ
リンゴ飴と父の笑顔…
石橋嘉人は、昔の記憶を呼び覚まします。

私は、父と昔から何か心通わないところがありました。
私と息子においても、そのようなところがある気がします。
本を読み終え、仕事で疲れ気味の息子を、「よくがんばりました。」と言ってぐっと引き寄せたい気持ちになりました。

世帯を持った今の息子は、私のことを「すごい人」と少しは思ってくれているだろうか…、ふと気になってきた。

この本を、息子に贈ることにした。
「心の器」、大きくなれ！

6人のお客様がこれが役に立ったと考えています

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Kindleユーザー

自分の声を聞くのが楽しくなりました。

2023年3月6日に日本でレビュー済み

Amazonで購入

喜多川泰さんのはまってしまいました。unlimited の本は読み尽くし、購入してまで読みたくなりました。この作品も期待以上のものでした。ここ数年引きこもりがちで、自分自身との対話ばかりでしたが、話しは弾みませんでした。しかし喜多川泰さんの本を読むことで、自分の声がこれまで以上に多くのことを語りかけてくれるようになりました。本当にありがとうございます。さぁ次は何を読もうかなぁ～。

4人のお客様がこれが役に立ったと考えています

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コーキ

著者の物語は気付きや感動が多くてほとんど読んでいるが、本書は個人的には合わなかった

2022年12月27日に日本でレビュー済み

不器用で身勝手な父親と38年間音信普通だった中年男性が、父親の死の知らせをきっかけに帰省し、父親の背中を見て育ったからこそ今の自分があるということに気付くまでの物語。

著者の物語は気付きや感動が多くてほとんど読んでいるが、本書は個人的には合わなかった。

子どもの頃の祭りの記憶を思い出したり、父親との思い出を回想していくのだが、あまり響かなかった。

旅する本の話や、心の器の問題の話は好きだったが、祭りの騒々しさが苦手な人もいると思う。

人の迷惑にならないようにすることの窮屈さや息苦しさと祭りの開放感を関連付けた上で、「人生には祭りが必要だ」と書かれているが、今回は残念ながら共感できなかった。

3人のお客様がこれが役に立ったと考えています

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purple_silver_gold

またまた生きる活力をいただきました。

2022年12月16日に日本でレビュー済み

Amazonで購入

喜多川先生の作品を拝読したのは、『運転者　〜未来を変える過去からの使者』に続いて2作品目でした。

いずれも電車の中や、町中で読むこともあったのですが、人目をはばからず泣きました。

2作品の共通点として、不器用な愛情表現しかできない「主人公の父親」が登場するのですが、不器用なだけに周囲に愛が伝わり辛いながらも、物語が進んでいくに連れて主人公がその愛に気付くという展開であることです。

正に私も、ある時ふと思い返した、不器用な父親とのエピソードをきっかけに、嫌悪感から感謝へと切り替わった経験があるので、より一層本書に惹き込まれたのです。

それともう一点、本書から力をいただいた箇所がありました。

私は信条として、自分自身を信じ切ることを掲げています。そう掲げていながらも、日常生活において、どうしてもその信条がゆらぐこともあります。

本書で『人の凄み』について触れる部分があり、私の信条をより強固なものとしてくださいました。

喜多川先生、ありがとうございます。

人生や自分自身に迷いのある人、家族に懐疑的な人、ぜひお読みくださいませ。

4人のお客様がこれが役に立ったと考えています

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千の恵み

西条市の人間です☺️

2022年11月5日に日本でレビュー済み

Amazonで購入

西条祭り吉原三本松のだんじりを通して繰り広げられた喜多川泰さんならではのストーリーに胸が熱くなりながら一気に読ませて頂きました。

西条の人間ならみんなわかる表現も嬉しかったです。

ありがとうございます🍀

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