タイトルは『戦国時代の天皇』であるが、「天皇になること」「天皇の仕事」「天皇のくらし」「天皇をめぐる人びと」という内容である。
戦国時代(期間には諸説あるようだが、応仁の乱から豊臣秀吉の天下統一までが一般的のようである）は、足利義満の後、室町幕府は応仁の乱から大きくその権力や権威を落としており、財政的にも厳しくなっていく。まさに戦国時代であり、下克上もあり、上納金がなかなか上がってこない、無視されたりしている。
天皇・朝廷は非常に金銭的に苦しい時代であり、幕府に頼るしかない。前天皇の葬式がなかなか出来ない、また、新天皇の「践祚」「即位式」「大嘗祭」が金がなく、おいそれとはできない（そのような大々的な儀式のための莫大な金は、幕府が出してくれないとできない）。さらには、皇后、皇太子を立てられない期間も長くあり、多くの女子が尼になっている。金がかかるからであろう。
②の「天皇の仕事」も興味深い。まずは前例主義極まれりという感じで、それを事例集成として集め知っておくことは非常に大事だったようである。えこひいきや、文句が出ないようにするためだろうが、官僚主義は昔からそうであった様だ。それと、天皇と女性関係（寵愛する、とか、目にかける”妾”」も、それも色々ランクというか職・官位がある。もちろん、医療や薬や衛生が発達していないので、夭折が多いし、成人しても早死にであるためだろうが。また、経書の勉強、和歌や習字の勉強は厳しく行われていたようであり、多くの写真で文章が紹介されている。達筆で驚いてしまう。いろいろと興味深く、面白く読める。
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