もし枝野さんや心ある仲間の政治家が、立憲民主党を立ち上げなければ、日本は保守2大政党+保守右派(維新)という、選択肢のない、右傾化政治になっていたでしょう。この本は、民主主義に必要な、対抗力・批判力のある野党のサバイバルを図った人々の、努力、作戦、成果を記録する、貴重なルポルタージュです。
【注】枝野さんが「リベラル」という言葉を使わないのは、他のイメージで訴える方が効果的というお考えでしょう。政治学的には、保守政党とリベラル政党がチェックしあうのが先進国の民主主義なので、この言葉を使います。またリベラルはふつう、「寛容・共生・自由」と「格差是正・公共サービス」の2つの理念で保守と異なります。
日本のリベラル派はすぐに政権を獲れないとしても、一定の勢力を保持すれば、保守右派の暴走や専制を止めるという、日本社会と民主主義への大きな貢献ができます。それに加えて、「自由」「多様性」「格差是正」「労働条件改善」「軍事力への監視」「脱原発」など、リベラルならではの得意技を発揮できます。
他のレビューでも書きましたが、2017年衆院選で、実は自民党は(小さくしか報道されないが)、比例代表得票率は33%にすぎなかった(小選挙区では候補を展開しかつ公明の全面支援を受けて48%)。比例代表では、立憲民主20%、希望の党17%、共産8%でした。もし民進党が分裂しなければ、自民は議席を減らし、安倍首相は辞任し、リベラルは勢力を伸ばせたはずです。
実際には、希望の党を立ち上げた小池知事と、民進党党首になった裏切者・前原氏が仕掛けた大戦略は、民進党の機能を完全に停止し候補者は希望の党に移るというもので、それによる分裂劇により、小選挙区でリベラルは候補が不足または一本化できずに敗れ、安倍首相の首がつながり、カジノ法も高度プロフェッショナル残業無制限法も、簡単に成立する運びになってしまったのです。安倍首相の早期の衆院解散直前に、蓮舫党首を批判し辞任させた一連の動きを見ると、このリベラルへの解体戦略は周到に仕組まれたものかもしれない。
もちろん、そうした汚い作戦に揺るがされたリベラル派の弱さも、反省すべきです。教訓は、
●分裂しない。同じリベラル内部で、意見が違うからといって攻撃し合わない。
●あまり保守に寄り過ぎない。
●あまり左翼に寄り過ぎない。
●現実的でかつ保守と違う政策を立案し宣伝する。
●地方議員を増やす。
というあたりでしょう。
民主党政権は全原発の停止実験、自然エネルギー促進、格差是正策など成果も挙げたが、党内の分裂、基盤の弱さ、政策課題によって退潮に向かいました。そうした弱点を立憲民主党が克服する方法も、この本から大いに学びたい、学んでいただきたいものです。
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枝野幸男の真価 単行本 – 2018/3/22
毎日新聞取材班
(著)
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立憲民主党は政治の<新章>を開けるのか――。
野党再編を渦中で経験してきた枝野幸男が目指す、他党・会派に依存しない政党運営と政権奪取の方法論とは何なのか。
「枝野立て! 」から始まった結党・選挙戦の舞台裏から、野党再編史における立憲民主党の位置づけ、今後の展望までを毎日新聞歴代野党担当記者が検証するドキュメント。
「救命ボート」のつもりが野党第1党に。
このギャップに、現在の立憲民主党はもがいている。
――「プロローグ」より。
【もくじ】
プロローグ
第1章 結党前夜
第2章 枝野幸男という政治家
第3章 野党第1党へ、躍進の舞台裏
第4章 離合集散の野党史
第5章 立憲民主党を待つ試練
※図表
立憲民主党の結党をめぐる主な動き
枝野幸男 略歴
1992年以降の主な政党変遷図
小選挙区制導入後の衆議院議員選挙結果
立憲民主党 国会議員一覧
野党再編を渦中で経験してきた枝野幸男が目指す、他党・会派に依存しない政党運営と政権奪取の方法論とは何なのか。
「枝野立て! 」から始まった結党・選挙戦の舞台裏から、野党再編史における立憲民主党の位置づけ、今後の展望までを毎日新聞歴代野党担当記者が検証するドキュメント。
「救命ボート」のつもりが野党第1党に。
このギャップに、現在の立憲民主党はもがいている。
――「プロローグ」より。
【もくじ】
プロローグ
第1章 結党前夜
第2章 枝野幸男という政治家
第3章 野党第1党へ、躍進の舞台裏
第4章 離合集散の野党史
第5章 立憲民主党を待つ試練
※図表
立憲民主党の結党をめぐる主な動き
枝野幸男 略歴
1992年以降の主な政党変遷図
小選挙区制導入後の衆議院議員選挙結果
立憲民主党 国会議員一覧
- 本の長さ192ページ
- 言語日本語
- 出版社毎日新聞出版
- 発売日2018/3/22
- 寸法11.9 x 1.4 x 17.7 cm
- ISBN-104620325139
- ISBN-13978-4620325132
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登録情報
- 出版社 : 毎日新聞出版 (2018/3/22)
- 発売日 : 2018/3/22
- 言語 : 日本語
- 単行本 : 192ページ
- ISBN-10 : 4620325139
- ISBN-13 : 978-4620325132
- 寸法 : 11.9 x 1.4 x 17.7 cm
- Amazon 売れ筋ランキング: - 738,585位本 (本の売れ筋ランキングを見る)
- - 91,971位社会・政治 (本)
- カスタマーレビュー:
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2018年7月16日に日本でレビュー済み
2018年3月23日に日本でレビュー済み
昨年の選挙以降、枝野さんが気になって購入しました。
選挙の時にテレビや新聞などで見ていた断片がすべて繫がりました。
ノンフィクションとしてすごく面白い。
枝野さんの政治家としての歴史はもちろん、野党の歴史がわかりやすく書いてあります
いろんな政党がごちゃごちゃしているのも図があるおかげでわかりやすかったです。
これまでにさんざん「政権を取る」という目的のためだけに政党がくっついたりはなれたりしていたこと、
さらにずっとその渦中に枝野さんがいたことが改めてわかり、
数合わせのための合併などはしたくないと言っていた意味もわかりました。
軽いタッチで読めるのに、とても勉強になります。
普段あまり政治本を読まない人や学生さんにもちょうどいいんじゃないかなと思います。
枝野さんには、正直政権をとってほしいとまでは今のところ思わない。というかわかりません。
しかし、信頼できる野党ではあると思いました。
選挙の時にテレビや新聞などで見ていた断片がすべて繫がりました。
ノンフィクションとしてすごく面白い。
枝野さんの政治家としての歴史はもちろん、野党の歴史がわかりやすく書いてあります
いろんな政党がごちゃごちゃしているのも図があるおかげでわかりやすかったです。
これまでにさんざん「政権を取る」という目的のためだけに政党がくっついたりはなれたりしていたこと、
さらにずっとその渦中に枝野さんがいたことが改めてわかり、
数合わせのための合併などはしたくないと言っていた意味もわかりました。
軽いタッチで読めるのに、とても勉強になります。
普段あまり政治本を読まない人や学生さんにもちょうどいいんじゃないかなと思います。
枝野さんには、正直政権をとってほしいとまでは今のところ思わない。というかわかりません。
しかし、信頼できる野党ではあると思いました。
2018年3月25日に日本でレビュー済み
この本は枝野幸男という政治家と立憲民主党の立ち上げの様子がよくわかる本になっている。枝野代表のこれまでの政治家としての歩みを見れば立憲民主党を立ち上げるのもある意味では当然の帰結のようにも思える。それほど枝野幸男は政治家として一貫していると言える。
また本書では55年体制崩壊以後の野党の離合集散の歴史も載せているのも特徴的だ。その歴史をみれば野党をまとめるために理念や政策を置き去りにした合流がどのようなものだったか。民主党による政権交代という一つの結実は果たしたものの、結局は空中分解せざるを得なかった。枝野代表が自身の反省も含めて単なる合流を否定するのは当選のことだろう。
野党第一党になった立憲民主党とそれを率いる枝野幸男。その真価を知るための手掛かりになる本だと思う。
また本書では55年体制崩壊以後の野党の離合集散の歴史も載せているのも特徴的だ。その歴史をみれば野党をまとめるために理念や政策を置き去りにした合流がどのようなものだったか。民主党による政権交代という一つの結実は果たしたものの、結局は空中分解せざるを得なかった。枝野代表が自身の反省も含めて単なる合流を否定するのは当選のことだろう。
野党第一党になった立憲民主党とそれを率いる枝野幸男。その真価を知るための手掛かりになる本だと思う。
2018年7月31日に日本でレビュー済み
立憲民主党は選挙のたびに党名が変わる。民主党が民進党、それが分裂して立憲民主党と希望の党へ。しかし、党内組織は全く変わらず菅直人や蓮舫、辻元清美など問題を抱える方々を役職につける。
また、党としての指針も反安倍であることが前提となっており、自分たちの政党が何をしたいのかが理解できない。
具体的には、憲法改正について議論をすると言っておいて、議論すら否定していたりと支離滅裂。
こんな代表の言葉を信じられるのか甚だ疑問である。
また、党としての指針も反安倍であることが前提となっており、自分たちの政党が何をしたいのかが理解できない。
具体的には、憲法改正について議論をすると言っておいて、議論すら否定していたりと支離滅裂。
こんな代表の言葉を信じられるのか甚だ疑問である。
2018年12月8日に日本でレビュー済み
コンパクトな本だけど、小池百合子の大失敗と立憲民主党の突然の誕生という日本政治史に残る劇的な動きが書かれていて、これは、持っておくべきだと思い購入しました。
あの、一連の動きはほんと、目まぐるしかったですよねえ
あの、一連の動きはほんと、目まぐるしかったですよねえ
2021年6月10日に日本でレビュー済み
こんな本、お金出して買う人いるのか?