広く一般社会では、揶揄されるか、黙殺されるか、の二通りの反応しか
ないBLノベルズですが、このような素晴らしい作品に出会うと
ひそかにほくそ笑むことになります。
「この物語を楽しめる自分は幸せだ」
そしてまたこうも思います。
「もったいない。みんなに教えたい」
これは、ゲイの男性が読んでも感動するのではないでしょうか。
ぜひとも読んでもらいたいものです。
芸達者の噺家が演じる世界にお客がいつのまにか引き込まれるように、
「馬鹿野郎」と半紙に書いて部屋に貼り付ける場面でホロリときて、
師匠の家で夫婦茶碗を発見するところで「ウッ・・」となり
師匠が一度だけ泣いたことがある、というエピソードでついに
「ウワーン」となってしまいました。
演者剛しいら、お題は「師匠の一生をかけた愛」の一席、
お見事でございました。
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落語家シリーズ 花扇 (クリスタル文庫) 文庫 – 2004/8/11
- 本の長さ232ページ
- 言語日本語
- 出版社成美堂出版
- 発売日2004/8/11
- ISBN-104415088708
- ISBN-13978-4415088709
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登録情報
- 出版社 : 成美堂出版 (2004/8/11)
- 発売日 : 2004/8/11
- 言語 : 日本語
- 文庫 : 232ページ
- ISBN-10 : 4415088708
- ISBN-13 : 978-4415088709
- Amazon 売れ筋ランキング: - 1,264,877位本 (本の売れ筋ランキングを見る)
- - 11,619位ボーイズラブノベルス (本)
- - 29,351位日本文学
- - 239,072位文庫
- カスタマーレビュー:
著者について
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6月9日生まれ。東京都出身・栃木県在住 (「BOOK著者紹介情報」より:本データは『決別の塔』(ISBN-10:4861344263) が刊行された当時に掲載されていたものです)
カスタマーレビュー
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トップレビュー
上位レビュー、対象国: 日本
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2004年9月26日に日本でレビュー済み
古典落語の名手だった山九亭初助は1年前に肺ガンで亡くなった。享年65歳。
この生涯独身だった美貌の師匠の謎の生涯を、死後に弟子の山九亭感謝が回想する形式で描く連作もの。
回想されるのは感謝が入門した当時、師匠が40代で、20代だった感謝とその兄弟子との関係は一応ボーイズラブのお約束を果たしているのだが、圧倒的に強烈な魅力を放っているのは初助師匠である。
すでに中年なのに妖しいフェロモン全開。いや本当の芸人ってこういうものでしょう。たぶん。
読めば読むほど、この人の人生、この人の過去、この人の秘密が知りたくてたまらなくなる。
本作「花扇」ではいよいよ初助師匠の謎の前半生がほぼ明らかになり、かなりイレギュラーでハードなHも盛り込まれていますが、それでもこれはBLというより優れた芸道小説として読まれるべきだという気がする。
初助師匠の芸人としての筋の通った生き方は、昭和という時代へのレクイエムであると同時に、テレビ万能の芸能界、美しい言葉が失われていく現代への皮肉でもある。
この作品は、剛しいらの作品中でも最も良いものの一つであると思う。
いまどき落語という題材で、こういう形式でこんなに面白い小説を書ける人はめったにいないでしょう。
それにしても前作「座布団」が絶版になったままなのはあんまりだ。
甥っ子漫才コンビのエピソードもありそうなので、ぜひ前作の再版およびシリーズの続行を希望します。
この生涯独身だった美貌の師匠の謎の生涯を、死後に弟子の山九亭感謝が回想する形式で描く連作もの。
回想されるのは感謝が入門した当時、師匠が40代で、20代だった感謝とその兄弟子との関係は一応ボーイズラブのお約束を果たしているのだが、圧倒的に強烈な魅力を放っているのは初助師匠である。
すでに中年なのに妖しいフェロモン全開。いや本当の芸人ってこういうものでしょう。たぶん。
読めば読むほど、この人の人生、この人の過去、この人の秘密が知りたくてたまらなくなる。
本作「花扇」ではいよいよ初助師匠の謎の前半生がほぼ明らかになり、かなりイレギュラーでハードなHも盛り込まれていますが、それでもこれはBLというより優れた芸道小説として読まれるべきだという気がする。
初助師匠の芸人としての筋の通った生き方は、昭和という時代へのレクイエムであると同時に、テレビ万能の芸能界、美しい言葉が失われていく現代への皮肉でもある。
この作品は、剛しいらの作品中でも最も良いものの一つであると思う。
いまどき落語という題材で、こういう形式でこんなに面白い小説を書ける人はめったにいないでしょう。
それにしても前作「座布団」が絶版になったままなのはあんまりだ。
甥っ子漫才コンビのエピソードもありそうなので、ぜひ前作の再版およびシリーズの続行を希望します。
2005年1月19日に日本でレビュー済み
この小説は、落語の魅力と、師匠の魅力だと思います。
師匠とは、感謝師匠(要)ではなくて初助師匠のこと。
かの御仁の魅力の一つは、めちゃくちゃ色っぽいことです。
他者に「男に抱かれるのではなくて男を喰っている」といわれるほど。
誘い受けとか、クールビューティとか、そんな言葉では追いつけません。”飛んで火に入る夏の虫”の虫が男で、火が師匠。師匠は、たくさんの男達が惹かれてしまう男、なんでしょう。
もう一つの魅力は、ミステリアスさでしょうか。
全作は本当に謎の人物でしたが、今回は師匠の人生の多くが書かれています。それでも、師匠は謎の多い人物です。
それは、年を取った師匠の内面が詳しく書かれていないことからきているのかもしれません。人生も、彼の内面も予想できるのに、それでも「謎多き男」です。
落語の魅力については、ここでは書かきません。(と言うか書けないです。これは読まなくちゃ分からないものに思えます。)
師匠とは、感謝師匠(要)ではなくて初助師匠のこと。
かの御仁の魅力の一つは、めちゃくちゃ色っぽいことです。
他者に「男に抱かれるのではなくて男を喰っている」といわれるほど。
誘い受けとか、クールビューティとか、そんな言葉では追いつけません。”飛んで火に入る夏の虫”の虫が男で、火が師匠。師匠は、たくさんの男達が惹かれてしまう男、なんでしょう。
もう一つの魅力は、ミステリアスさでしょうか。
全作は本当に謎の人物でしたが、今回は師匠の人生の多くが書かれています。それでも、師匠は謎の多い人物です。
それは、年を取った師匠の内面が詳しく書かれていないことからきているのかもしれません。人生も、彼の内面も予想できるのに、それでも「謎多き男」です。
落語の魅力については、ここでは書かきません。(と言うか書けないです。これは読まなくちゃ分からないものに思えます。)