ベル・フックスとスチュアート・ホールの対談ということで、やはりところどころに豊かなアイディアを見つけられます。
ですが同時に、英米の黒人文化・社会史や当時の時代状況を前提とした「はいはい、わかるわかる」という内輪の会話感がどうしても否めません。黒人当事者や、英米圏の事情に詳しい人によく響くところがあると思うのですが、日本にどれだけそうした人がいるでしょうか。
この文章をいま日本語で出すならば、中途半端なあとがきではなく、対談の前提となっている文脈やその内容の現代的意義についてもっと本格的な解説を付し、道案内をすべきだったのでは。読者のことを十分に考えていないように感じました。
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| 著者、訳者 | ナンシー・フレイザーほか著 惠 愛由訳 菊地 夏野解説 | 高島 鈴 | 井口 裕紀子 | ベル・フックス／スチュアート・ホール著 吉田 裕 訳 | ケイト・マン 著 鈴木 彩加／青木 梓紗 訳 |
| 内容紹介 | 「99％の私たち」のために、性差別・人種主義・環境破壊のない社会を。 | あらゆるものの革命的生存を祈って、ライター高島鈴の初エッセイ集。 | アメリカで活動する300のグループを調査した、現代フェミニズムの熱気を伝える最新の研究。 | ジェンダー、人種、家父長制、アイデンティティ・ポリティクスなど、20世紀後半の社会状況を踏まえた議論の数々と、それらに自らの人生を重ねた繊細な語りは、四半世紀の時を超えて新鮮な発見とアクチュアリティをもたらす。 | 家父長制が一見弱まりつつある時代における女性嫌悪の現れかたを鋭く抉り出す。『ひれふせ、女たち』で話題をさらった著者による新たな力作。 |
