タイトル通りの内容が体系的に論じられている本か、と期待して手にしたのだが・・・。
残念ながら「散漫」という他無い1冊。雑多なエピソードが「思いついたまま」といった趣で乱立しているというのが正直な印象で、各々のトピックが読み進むうちに有機的に結び付けられていくわけでもなく、結局「1冊の書籍として何を訴えたいのか」という肝心な部分がサッパリ伝わってこない。やたら「枝」ばかり多いが、「幹」の部分がいくら読んでも見えてこないという感想。
せめて「鉄道会社」「沿線」「エリア」等々の明確な章立てをして、その各々の現況、「少子高齢化時代」を迎えるに当たって予見される課題、それらの課題を踏まえてどのような取り組みがなされているのか、という感じでキッチリ整理整頓して論じて頂きたかった。本書は、上記のような明確な検証がほとんど感じられず、著者の主観が色濃い、単なる感想文のような文章がただダラダラと続くだけ。現状の把握も、将来への展望、対策に関しても踏み込みが終始浅くて、拍子抜けさせられる部分が目立つのは残念。
例えば「多摩ニュータウン」について触れた箇所(P.150~)では、厳しい見通しを踏まえて「これからどうしていくべきか」という著者自身の提言がまるで無く、全くの「他人事」モードに終わっているし、続く「アニメによる沿線の活性化」(P.160~/西武沿線)に至っては、「どこまで本気なのか」と苦笑を禁じ得ない。「アニメ聖地」として盛り上げようなどと言うのは、一時的な「町興し」以上のものにはならない筈。実際、ここでとりあげられているアニメ自体、私は存在すら全く知らなかった。「一部のコアな愛好者層」だけで盛り上がったところで、「少子高齢化」という大波には全く抗う事など出来るとは考えられず、これが本気の「対策」と考えているのなら、かなり能天気と思わざるを得ない。かつての「右肩上がりの高度成長」の時代なら、私鉄が単体でディべロッパーとしてあれこれ出来たのかもしれないが、縮小一途で都市部ですら「住民の奪い合い」になるようなこれからの時代は、行政も巻き込んで明確なビジョンと責任体制を持って「街づくりと街の維持」を行なっていかないと、近い将来都市圏にも「空き家だらけのうち捨てられた街」が次々現れる事になるのでは・・という危惧を感じる。老朽化した社会インフラは放置しておいて、たかが半月程度のお祭りのために「兆」単位のカネを垂れ流し、「東京五輪バンザイ!」などとやっている場合では無い筈だ。「街をどうするのか」という点においても、「鉄道をどう活かすのか」という点においても、中途半端な記述に終わっている誠に残念な1冊。
プライム無料体験をお試しいただけます
プライム無料体験で、この注文から無料配送特典をご利用いただけます。
非会員 | プライム会員 | |
---|---|---|
通常配送 | ¥410 - ¥450* | 無料 |
お急ぎ便 | ¥510 - ¥550 | |
お届け日時指定便 | ¥510 - ¥650 |
*Amazon.co.jp発送商品の注文額 ¥3,500以上は非会員も無料
無料体験はいつでもキャンセルできます。30日のプライム無料体験をぜひお試しください。
¥880¥880 税込
発送元: Amazon.co.jp 販売者: Amazon.co.jp
¥880¥880 税込
発送元: Amazon.co.jp
販売者: Amazon.co.jp
¥91¥91 税込
ポイント: 1pt
(1%)
配送料 ¥257 6月16日-17日にお届け
発送元: フルタク(古本宅配買取センター) 販売者: フルタク(古本宅配買取センター)
¥91¥91 税込
ポイント: 1pt
(1%)
配送料 ¥257 6月16日-17日にお届け
発送元: フルタク(古本宅配買取センター)
販売者: フルタク(古本宅配買取センター)
無料のKindleアプリをダウンロードして、スマートフォン、タブレット、またはコンピューターで今すぐKindle本を読むことができます。Kindleデバイスは必要ありません。
ウェブ版Kindleなら、お使いのブラウザですぐにお読みいただけます。
携帯電話のカメラを使用する - 以下のコードをスキャンし、Kindleアプリをダウンロードしてください。
少子高齢化時代の私鉄サバイバル - 「選ばれる沿線」になるには (交通新聞社新書113) 新書 – 2017/8/21
森 彰英
(著)
{"desktop_buybox_group_1":[{"displayPrice":"¥880","priceAmount":880.00,"currencySymbol":"¥","integerValue":"880","decimalSeparator":null,"fractionalValue":null,"symbolPosition":"left","hasSpace":false,"showFractionalPartIfEmpty":true,"offerListingId":"xnVpwvkQ45TZUKe5u1P3VXOH7Qzs3cguYUAr%2FgAlgyHMWAvP4LTkEaxI3mi0NYRgGbI3vLtIJ6mjVTLS0O9pF9MpeqaFrSCfWtUc84YFbyMTNkliYO8XQ95pPf8hHLsGWkrxj%2Bi3oJU%3D","locale":"ja-JP","buyingOptionType":"NEW","aapiBuyingOptionIndex":0}, {"displayPrice":"¥91","priceAmount":91.00,"currencySymbol":"¥","integerValue":"91","decimalSeparator":null,"fractionalValue":null,"symbolPosition":"left","hasSpace":false,"showFractionalPartIfEmpty":true,"offerListingId":"xnVpwvkQ45TZUKe5u1P3VXOH7Qzs3cguTDjtALNSw6fmerFvAr0LdydtyysMhpTyJ%2Fp%2F3D5lSg8pfrxVGZDyLJbvsLQt6%2BT0vszKWJb%2FVMo5169HmAzmXyIvTaQojSQhMFMpU%2FNjRKGJ%2B2NMIhuSDVyQL0BDP9NYuC33yfyoojstI1g%2B6%2FSkCg%3D%3D","locale":"ja-JP","buyingOptionType":"USED","aapiBuyingOptionIndex":1}]}
購入オプションとあわせ買い
いま私鉄は、高齢化、少子化、人口減少、ライフスタイルの多様化といった世情の大きな変化を受け、これまでの事業スタイルの変革を迫られている。
岐路に立つ私鉄は、事業の根幹である「沿線」の新たな活用、価値向上に取り組もうとしている。
著者は、取材歴30年以上のベテラン私鉄ウォッチャー。定住化促進、子育て支援、学校誘致、ショッピングモール、宅地開発といった
私鉄沿線の「まちづくり」現場を歩き、その将来像を探っていく。
●本書の主な内容
第1章いま「沿線」で何が起こっているか
第2章 人口減少時代に鉄道会社は何ができるか
第3章 住んでもらうための切り札とは
第4章 「都心集中」の中で新しい沿線がつくれるか
第5章 高度成長期の負の遺産は再生できるか
第6章 地域コミュニティが沿線を盛り上げる
終 章鉄道会社は新たな「沿線まちづくり会社」になれるか
岐路に立つ私鉄は、事業の根幹である「沿線」の新たな活用、価値向上に取り組もうとしている。
著者は、取材歴30年以上のベテラン私鉄ウォッチャー。定住化促進、子育て支援、学校誘致、ショッピングモール、宅地開発といった
私鉄沿線の「まちづくり」現場を歩き、その将来像を探っていく。
●本書の主な内容
第1章いま「沿線」で何が起こっているか
第2章 人口減少時代に鉄道会社は何ができるか
第3章 住んでもらうための切り札とは
第4章 「都心集中」の中で新しい沿線がつくれるか
第5章 高度成長期の負の遺産は再生できるか
第6章 地域コミュニティが沿線を盛り上げる
終 章鉄道会社は新たな「沿線まちづくり会社」になれるか
- 本の長さ239ページ
- 言語日本語
- 出版社交通新聞社
- 発売日2017/8/21
- ISBN-10433082017X
- ISBN-13978-4330820170
商品の説明
著者について
森 彰英(もり あきひで)東京都立大(現首都大学東京)卒。光文社編集者を経て、フリージャーナリスト。著書に『「ディスカバー・ジャパン」の時代』(交通新聞社)、『東急の文化戦略』(ソフトバンクビジネス)、『「あしたのジョー」とその時代』『東京1964-2020』(北辰堂出版)、共著/『地方交通を救え!』(交通新聞社新書)などがある。
登録情報
- 出版社 : 交通新聞社 (2017/8/21)
- 発売日 : 2017/8/21
- 言語 : 日本語
- 新書 : 239ページ
- ISBN-10 : 433082017X
- ISBN-13 : 978-4330820170
- Amazon 売れ筋ランキング: - 1,156,737位本 (本の売れ筋ランキングを見る)
- カスタマーレビュー:
カスタマーレビュー
星5つ中2.5つ
5つのうち2.5つ
全体的な星の数と星別のパーセンテージの内訳を計算するにあたり、単純平均は使用されていません。当システムでは、レビューがどの程度新しいか、レビュー担当者がAmazonで購入したかどうかなど、特定の要素をより重視しています。 詳細はこちら
2グローバルレーティング
虚偽のレビューは一切容認しません
私たちの目標は、すべてのレビューを信頼性の高い、有益なものにすることです。だからこそ、私たちはテクノロジーと人間の調査員の両方を活用して、お客様が偽のレビューを見る前にブロックしています。 詳細はこちら
コミュニティガイドラインに違反するAmazonアカウントはブロックされます。また、レビューを購入した出品者をブロックし、そのようなレビューを投稿した当事者に対して法的措置を取ります。 報告方法について学ぶ
-
トップレビュー
上位レビュー、対象国: 日本
レビューのフィルタリング中に問題が発生しました。後でもう一度試してください。
2018年2月22日に日本でレビュー済み
2018年5月3日に日本でレビュー済み
目前に迫り来る少子高齢化時代。これまで通勤・通学客または用務客の大量輸送を担っていた鉄道会社は、人口減により利用客が減少し、危機感を強めている。
本書では、首都圏及び関西圏の大手私鉄各社の現状と課題、そして対応策を模索している様子を取材している。
ただ、結論を言ってしまうと、各社ともこれと言った決定打を持っておらず、暗中模索の状態であることが分かる。
また、本書では、鉄道沿線の様子も取材し、それぞれの「まち」の様子にも触れている。それはいいのだが、話が時としてあちこちに飛んでいて文章に一貫性がない箇所も多々あり、すっきりしない読後感であったのは残念だったが、今後の鉄道と沿線の変動を予測する上では参考になる本だと思う。
本書では、首都圏及び関西圏の大手私鉄各社の現状と課題、そして対応策を模索している様子を取材している。
ただ、結論を言ってしまうと、各社ともこれと言った決定打を持っておらず、暗中模索の状態であることが分かる。
また、本書では、鉄道沿線の様子も取材し、それぞれの「まち」の様子にも触れている。それはいいのだが、話が時としてあちこちに飛んでいて文章に一貫性がない箇所も多々あり、すっきりしない読後感であったのは残念だったが、今後の鉄道と沿線の変動を予測する上では参考になる本だと思う。