川上未映子さんの本を手に取ったきっかけは、2019年新宿のオペラシティアートギャラリーで開催された『カミーユ・アンロ|蛇を踏む』だった。
ナタリー・ポートマンが「乳と卵」を持っていたり、村上春樹さんへの濃いインタビュー集があったり、幅の広さに驚く。
本書「六つの星星」は、川上さんと、川上さんが敬愛する6人と人物の対話集。
そのうちの一人が「生物と無生物のあいだ」などの著書で知られる生物学者、福岡伸一さん。
複製画でフェルメール美術館を作るほどのフェルメール・マニアとしても知られています。
フェルメールの絵画には、輪郭が描かれません。
生物学的な観点から見ると、私たち生命は絶え間なく入れ替っているそうです。
皮膚の表面を無限に解像度を上げて見ると、分子が猛スピードで出たり入ったりしています。
CGのアニメーションにリアリティを感じない点も、輪郭線が切断されているためだそうです。
この考えが「動的平衡」といいます。
他にも・・メスがメスを産むのが生物の基本という話、
博物学者ラマルクが唱えた要不要説(淘汰説ではなくて、内的欲求が進化を生む)
エントロピーと寿命の関係(80年ぐらいで再構築の限界がくる)
・・・など。面白すぎる。
フェルメールの最初期の作品「聖女プラクセデス」は国立西洋美術館で常設展示されています。
欧米以外で唯一フェルメール作品を所蔵するのが日本です。
上野の国立西洋美術館は現在休館中で、来年2022年春に再オープンしますが
ホンモノのフェルメールを目にするのが待ち遠しい気分になる一冊でした。
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六つの星星 川上未映子対話集 (文春文庫 か 51-3) 文庫 – 2012/9/4
川上 未映子
(著)
川上未映子の思考の軌跡
芥川賞作家・川上未映子がその知力を発揮し、斉藤環、福岡伸一、松浦理英子、穂村弘、多和田葉子、永井均らと交わしためくるめく会話
芥川賞作家・川上未映子がその知力を発揮し、斉藤環、福岡伸一、松浦理英子、穂村弘、多和田葉子、永井均らと交わしためくるめく会話
- 本の長さ239ページ
- 言語日本語
- 出版社文藝春秋
- 発売日2012/9/4
- ISBN-10416779103X
- ISBN-13978-4167791032
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登録情報
- 出版社 : 文藝春秋 (2012/9/4)
- 発売日 : 2012/9/4
- 言語 : 日本語
- 文庫 : 239ページ
- ISBN-10 : 416779103X
- ISBN-13 : 978-4167791032
- Amazon 売れ筋ランキング: - 517,276位本 (本の売れ筋ランキングを見る)
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著者について
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大阪府生まれ。2007年、デビュー小説『わたくし率イン 歯ー、または世界』で第1回早稲田大学坪内逍遥大賞奨励賞受賞。2008年、『乳と卵』で第138回芥川賞を受賞。2009年、詩集『先端で、さすわ さされるわ そらええわ』で第14回中原中也賞受賞。2010年、『ヘヴン』で平成21年度芸術選奨文部科学大臣新人賞、第20回紫式部文学賞受賞。2013年、詩集『水瓶』で第43回高見順賞受賞。短編集『愛の夢とか』で第49回谷崎潤一郎賞受賞。2016年、『あこがれ』で渡辺淳一文学賞受賞。「マリーの愛の証明」にてGranta Best of Young Japanese Novelists 2016に選出。村上春樹との共著『みみずくは黄昏に飛びたつ』、『すべて真夜中の恋人たち』など著書多数。
2019年、第73回毎日出版文化賞受賞した『夏物語』は、20年ニューヨーク・タイムズが選ぶ「今年読むべき100冊」やTIMEの「今年のベスト10冊」などにも選ばれ、現在40カ国以上で刊行が進められている。