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安田峰俊

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北関東「移民」アンダーグラウンドベトナム人不法滞在者たちの青春と犯罪単行本 – 2023/2/6

安田峰俊 (著)

4.4 97個の評価

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北関東というのは独特の匂いのする地域である。
大宅賞作家・安田峰俊の最新作は、その北関東に地下茎のごとく張り巡らされた、「移民」たちのネットワークのルポだ。
移民に「」がつくのは、日本には制度上、移民はいないから。しかし、悪名高い、技能実習生制度のもと、ベトナム人だけでも実習生は20万人近く。その一部は低賃金や劣悪な環境に嫌気がさして逃亡、不法滞在者の「移民」として日本のアンダーグラウンドを形成している。彼らは自国の経済が発展し、出稼ぎに出なくても食えるようになると、日本になど来なくなる。そのため、アンダーグラウンドの主役はどんどん変わる。かつて中国人が主役だったアンダーグラウンドを、今、占拠しているのは、無軌道なベトナム人の若者たちなのだ。
ベトナム人によるアンダーグラウンド社会が日本人に知られたのは、群馬県で起きた「豚窃盗事件」。養豚場から盗まれた豚は、彼らのアパートで解体され、彼らのネットワークの中だけで処理されたため、警察の捜査は難航した。このように、アンダーグラウンドで完結する犯罪は表に出にくいのである。桃などの果物も、かなり派手に盗まれているが、犯人はなかなか逮捕されない。
本作では、筆者と通訳の「チーくん」(彼は日本育ちのベトナム難民の2世だ)が、まるでホームズとワトソンのように、「移民」による事件現場を訪ね歩く。血なまぐさい殺人現場、タトゥーだらけのしたたかな不法滞在者たち、常にただよう薬物とバクチと女のニオイ。あちこち探り歩いて、ついに北関東ベトナム人アンダーグラウンドのボス、「群馬の兄貴」にたどり着く。スキンヘッドに気合の入った刺青、見るからに恐ろしい「群馬の兄貴」が犯した真の罪とは……。
豚の窃盗から、誘拐、殺人と、あらゆる犯罪現場に、ベトナム人の好物である雷魚とアヒル、そしてビールを手土産に走り回る2人。
恐ろしくて面白い、アンダーグラウンドレポート!

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本の長さ

283ページ
言語

日本語
出版社

文藝春秋
発売日

2023/2/6
寸法

13.2 x 1.9 x 19 cm
ISBN-10

4163916458
ISBN-13

978-4163916453
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登録情報

出版社 ‏ : ‎ 文藝春秋 (2023/2/6)
発売日 ‏ : ‎ 2023/2/6
言語 ‏ : ‎ 日本語
単行本 ‏ : ‎ 283ページ
ISBN-10 ‏ : ‎ 4163916458
ISBN-13 ‏ : ‎ 978-4163916453
寸法 ‏ : ‎ 13.2 x 1.9 x 19 cm

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安田峰俊

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安田峰俊（やすだみねとし）

紀実作家。立命館大学人文科学研究所客員協力研究員。朝日新聞論壇委員（23'~24'）。広島大学大学院文学研究科博士前期課程修了（中国近現代史）。『八九六四　「天安門事件」は再び起きるか』（KADOKAWA）が第5回城山三郎賞、第50回大宅壮一ノンフィクション賞受賞。他に『さいはての中国』（小学館新書）、『現代中国の秘密結社』（中公新書ラクレ）、『「低度」外国人材』（KADOKAWA）、『中国vs.世界』（PHP新書）など著書多数。

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goodmooning

ボドイ

2023年7月19日に日本でレビュー済み

Amazonで購入

国力と教育の重要性を逆説的に教えてくれる本格的なルポ。
どこの先進国も移民にしてやられていて日本も例外では無い。
まるで戦後のヤミ市を彷彿とさせるメンタリティーと生活スタイルで
昭和期にタイムスリップしたかのようで今の日本人とは相いれない
ことは容易に分かるというものです。せめて逆側にならぬように
日本の舵取りをして頂きたいと切に願います。移民文化を容認/共存
出来るかも一つのバロメーターです。また暴走族が盛んに流行した
時代に移民が来ても事態はまた違ったであろうと妄想出来ました。

6人のお客様がこれが役に立ったと考えています

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天笠政子

参考になる

2023年9月28日に日本でレビュー済み

Amazonで購入

地域や雇用などの問題点がよく分かる。

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福寿草

技能実習制度の闇と深淵

2023年5月31日に日本でレビュー済み

Amazonで購入

技能実習制度を通じて日本に（合法・違法含め）滞在するベトナム人の生態を取材したルポタージュで、現代日本にとって低賃金外国人労働者とは何か、考えさせられる一冊です。
皆さんご存じの通り、現代の技能実習制度は貧しい国から半ば騙すような形で人を呼び寄せ、移動の自由も職業選択の自由も制限した上で最低賃金以下で働かせる問題百出の制度である訳ですが、本作のポイントとして技能実習生を単なる気の毒な被害者という皮相的な捉え方をせず、技能実習生でも仲介したブローカーの善し悪しや本人の資質によって境遇に大きな差がある点、またそもそも（制度的に不利になる）技能実習に応募する外国人は禄に情報も調べず行き当たりばったりで行動しがちな、出身国の中で見ても優秀とは言えないタイプである点、などを実地調査により正面から描いている点にあると思います。
例として、本作の中で出てくる無免許ひき逃げ犯や列車衝突事故の未遂犯は、見たところ言語や文化の壁以前に対人能力や知的能力など根本的な社会性が欠如しているタイプにも見えますが、海外からの「低度」人材流入が拡大するに伴い、こういったタイプの絶対数も増えざるを得ない点は、今後日本の治安においてより大きな問題となるでしょう。
ただし、本作を読んだ所感としては、いわゆる不良外国人の犯罪事例に眉を顰めつつも、やはり技能実習制度の問題点や彼らを受け入れている日本の村々の冷淡さがより深く印象に残りました。例えば茨城県の農家でベトナム人同士の殺人事件が起きた際、近所のお婆さんの感想が「（雇い主の）農家で労働力が二人減って可哀想」でしかなかったという件などは、まるで19世紀までのアメリカの奴隷制的というか、（勿論全員ではないにしても）雇用主側の日本人が雇い入れている外国人を同じ人間と捉えていない点は現在の人権感覚から見て大きな違和感があり、やはり（日本人の便利な生活を支えているとしても）技能実習制度はなるべく早く解消すべきとの意を強くしました。

19人のお客様がこれが役に立ったと考えています

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アマゾン大好き人間

突撃隣のベトナム人。

2023年2月16日に日本でレビュー済み

Amazonで購入

大昔にヨネスケがやっていた「突撃隣の晩ごはん」。大きなシャモジを持ち、テレビクルーを引き連れてアポ無しで晩ごはんを紹介する企画。

そのベトナム人版がこの本。ノンフィクション作家安田峰俊氏が、ビール、アヒル、雷魚（！）を手土産にベトナム人グループと酒を飲み飯を食い、彼等の日常に迫る…

私の感想としては、ベトナム人不法滞在者と70年代北関東ヤンキーとの共通性。それに加えて北関東とヤンキー気質の親和性だ。
行き当たりばったりで行動し、暴力的で、法令遵守意識が極端に低い。
成績も悪ければ、運動もできないし、そもそも意識低めで向上心が無い。
移動は基本的に自動車（北関東ヤンキーはバイクか…）。いいクルマが「できる男」の基準で、自動車を正規ディーラーでは絶対に買わない。少し考えれば嘘だとわかる武勇伝が大好き。

40代の北関東生まれの私とすれば、戻って来たヤンキーがベトナム人である。

少し真面目に書けば、焼き畑式の単純外国人労働者獲得で来てくれるレベルがこの程度の人材に落ちて来ていると言う事。国力低下の影響でもある。経済低迷はおそらく続くので、上手く付き合うしか方法がない。

ただヤンキーって意外と付き合うといいヤツが多いのも事実。
やたらと出入りが多いベトナム人住宅のドアの向こう側を覗きたい人にはオススメ。

23人のお客様がこれが役に立ったと考えています

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まめきち

知らない世界で興味深いけど

2023年9月16日に日本でレビュー済み

Amazonで購入

アングラ記者もどきの偽善者調の作風かな

3人のお客様がこれが役に立ったと考えています

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minky2410

ドボイのアンダーグラウンド化を防ぐ方法を考えさせられる

2023年3月7日に日本でレビュー済み

Amazonで購入

前作「「低度」外国人材移民焼き畑国家、日本」の続編ともいえる本作。ベトナム人のボドイに絞って、体当たり取材をして見えてきたものがメインテーマです。
技能実習生問題を単なる人権問題や、産業構造の問題では無く、複雑な事情背景があるということを示しているのが個人的には好きです。筆者がこれまでしてきた複雑怪奇な中国の取材経験が活かされていると思います。
よくニュースのコメント欄で「技能実習生を無くせばいい」「厳罰化すればいい」という感想を見ますが、それを実行したところで、絶対に技能実習生問題は解決しないだろうなと思います。
技能実習生は、首都圏にいればイメージがつかないのですが、地方の一次産業には必須です。この本の広島の例でもわかるとおり、簡単には無くせない。地方の人に「おまえその仕事辞めろ」とは誰もいえないでしょう。
厳罰化はどうでしょうか。これも多分効力を発揮しないだろうと。法って何？の世界は世の中に存在します。抑止力には絶対になりません。ベトナムに限ったことでは無く、「法」というものに頼らない秩序をもった世界はどこにでもあります（もちろん日本にもあります）。この本の轢き逃げ犯の女性の例を見ていても、価値観の根本が違うので解決方法にはならないでしょう。
じゃあどうすればよいかと。
戦後間もない頃の日本では、良くない部分があったとはいえ荒くれ者の集まる炭鉱労働者をうまく管理していたと思います。人権を無視した労働をさせていましたが、逃亡防止のために飯場を充実させ、劇場をつくり、一部は女性をあてがっていました。古くて良くない文化でしたが、そういった部分にヒントがあるのかもしれません。
世間は納得しないでしょうが、ドボイのアンダーグラウンド化を防ぐためには、「青春」の部分を満足させる手法があってもよいのかなと思いました。

16人のお客様がこれが役に立ったと考えています

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籠しずく

内容は真面目です

2023年4月3日に日本でレビュー済み

Amazonで購入

表紙や帯に対して、極めて真面目な内容です。日本の将来を憂える、すべての日本人に読んでもらいたいです。

12人のお客様がこれが役に立ったと考えています

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nikataro

絶対的に悪い人間がいるかとなれば

2023年5月7日に日本でレビュー済み

Amazonで購入

「ベトナム人は勤勉で理系に強い」との俗説だけでは捉えきれない現状の渾身ルポです。人間はけして国籍や人種ではないと思うのですが、こういった先入観がいちばん違うことがよくわかります。

近所のフォー屋さんのいつも笑顔の店長は2号店の出店に成功しましたし、そこに集うベトナム人の若者に「シンチャオ！３３３、おごるよ」との気軽な会話も実はまったくずれていたのかもしれません。

多様性を理解したうえで制度や理解を深めるというほんとうに難しい課題に向き合わされました。

7人のお客様がこれが役に立ったと考えています

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