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ライラエル―氷の迷宮〈上〉 (古王国記) 文庫 – 2006/11/1
- 本の長さ353ページ
- 言語日本語
- 出版社主婦の友社
- 発売日2006/11/1
- ISBN-104072529257
- ISBN-13978-4072529256
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登録情報
- 出版社 : 主婦の友社 (2006/11/1)
- 発売日 : 2006/11/1
- 言語 : 日本語
- 文庫 : 353ページ
- ISBN-10 : 4072529257
- ISBN-13 : 978-4072529256
- Amazon 売れ筋ランキング: - 712,532位本 (本の売れ筋ランキングを見る)
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2007年5月29日に日本でレビュー済み
『古王国記Iサブリエル』の続編です。舞台となるのは前作から14年後の古王国です。ヒロインのライラエルは、先視の力(未来を見る力)を持つクレア族の娘でありながら、いつまで経っても先視の力を授かれません。おまけに、その出自もはっきりせず風貌もおよそクレア族らしからぬものです。故に、ライラエルは一族から異質な者扱いされ、彼女自身も一族の者達との交流を避けてきました。ある日、ライラエルは図書館司書の仕事をもらいます。ここからライラエルの運命は思わぬ方向に変化し始め、ライラエルは絶望のどん底から少しずつ這い上がって行きます。『ライラエル』のもう一人の主人公は、サブリエルとタッチストーンの息子サメス王子です。サメスは次期アブホーセンと目されていながら、自分の力不足を痛感し王子という立場の重圧に苦しんでいます。文庫版上巻では、自分探しをするライラエルとサメス、それぞれの視点から物語が語られます。そして下巻でこの二人が、どのように進むべき道を見出すのか、私はもう興味津々でした。『ライラエル』では、主人公の弱さが様々な面で前作以上に目立ち、より人間臭く身近な存在に感じられます。特にライラエルは私自身と重なり合うタイプのキャラなので、あらゆる感情を共有できました。ライラエルが自分の進む道を模索する姿には、どれほど勇気付けられたかわかりません。『サブリエル』を読んだ時にも思いましたが、このシリーズはヒロインの描き方が紋切り型でなく、好感を持てます。この作品は、自分探しの物語としての面が強いけれど、決してしみったれた話ではないですし、押し付けがましくもないです。冒険ものとしての魅力もあるので、読者は作中の冒険要素を楽しみつつ、あくまで自然と悩めるヒーロー&ヒロインに感情移入できるでしょう。さて、『ライラエル』上巻に対する評価ですが、ストーリー、人物描写、世界観の秀逸さを鑑み、星五つとします。