題名だけ見て購入し読んでみると、予想した内容と全く違っていて、面白かった。
毎週日曜日の朝8時からTBS系列で放送されている「サンデーモーニング」というテレビ番組がある。同一司会者で30年以上続く報道ワイドショー番組だ。長寿番組なので主な視聴者は高齢者だと思うが、番組が始まると番組名やコメンテーター名が一気にトレンドワード入りをする。著者の父親のような”昭和のオヤジ”が活躍しているのだろうか。
本書は、著者が父親を看取っても全く悲しみを覚えないシーンから始まる。
私自身も似た経験がある。
母が「三国人」と平気で言うようなレイシストだったからだ。
しかも著者の父親とは違い筋金入りで、子供たちがどんなに反発し異を唱えようと、昭和の時代から一貫して変わらなかった。ネット右翼の主張はいずれも私たちにとって子守歌みたいなものである。
相手が家族だからこそ、安心して外では見せない顔が出る。戦後の混乱期を生き、高度成長を支えた昭和世代には伏流水のように流れるものだったのだろうか。
狷介でエキセントリックな母のいる実家に成人した子供たちは近寄らなくなった。
本書では、父親の死後、著者があらためて父親の生き方や考えを腑分けし、自分や他の家族との関係を洗い直し、分断から邂逅へと至る道程が描かれている。
私から見ると、著者の父親は”昭和のオヤジ”ではあるが、典型からは外れた人間的な幅のある尊敬に値する人物に見える。そういう人物さえ取り込んでしまう”商売右翼”は憎むべき存在だが、それは本書のテーマではない。
実家との繋がりが辛うじて残っていた私に、父は母を託して亡くなった。その義務は果たしたのだが、聞いておきたかったことがある。母と真反対の父がいかなる経緯で母と出会い、どんな想いで母を慈しんできたのか。父母ともに亡くなり、彼らを知る親類縁者も鬼籍に入った今となっては、知る由もない。
父の思いに十分に応えられなかった悔悟の念は著者と同じようにあるいはそれ以上に深いかもしれない。
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ネット右翼になった父 (講談社現代新書) 新書 – 2023/1/19
鈴木 大介
(著)
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ヘイトスラングを口にする父
テレビの報道番組に毒づき続ける父
右傾したYouTubeチャンネルを垂れ流す父
老いて右傾化した父と、子どもたちの分断
「現代の家族病」に融和の道はあるか?
ルポライターの長男が挑んだ、家族再生の道程!
<本書の内容>
社会的弱者に自己責任論をかざし、
嫌韓嫌中ワードを使うようになった父。
息子は言葉を失い、心を閉ざしてしまう。
父はいつから、なぜ、ネット右翼になってしまったのか?
父は本当にネット右翼だったのか?
そもそもネトウヨの定義とは何か? 保守とは何か?
対話の回復を拒んだまま、
末期がんの父を看取ってしまった息子は、苦悩し、煩悶する。
父と家族の間にできた分断は不可避だったのか?
解消は不可能なのか?
コミュニケーション不全に陥った親子に贈る、
失望と落胆、のち愛と希望の家族論!
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社会的弱者に自己責任論をかざし、
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父はいつから、なぜ、ネット右翼になってしまったのか?
父は本当にネット右翼だったのか?
そもそもネトウヨの定義とは何か? 保守とは何か?
対話の回復を拒んだまま、
末期がんの父を看取ってしまった息子は、苦悩し、煩悶する。
父と家族の間にできた分断は不可避だったのか?
解消は不可能なのか?
コミュニケーション不全に陥った親子に贈る、
失望と落胆、のち愛と希望の家族論!
- 本の長さ248ページ
- 言語日本語
- 出版社講談社
- 発売日2023/1/19
- 寸法10.8 x 1.2 x 17.4 cm
- ISBN-104065308895
- ISBN-13978-4065308899
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商品の説明
著者について
鈴木 大介
一九七三年、千葉県生まれ。文筆業。主な著書に、若い女性や子どもの貧困問題をテーマとしたルポルタージュ『最貧困女子』(幻冬舎新書)、『ギャングース・ファイル――家のない少年たち』(講談社文庫、漫画化・映画化)や、自身の抱える障害をテーマにした『脳が壊れた』(新潮新書)、互いに障害を抱える夫婦間のパートナーシップを描いた『されど愛しきお妻様』(講談社、漫画化)などがある。二〇二〇年、『「脳コワさん」支援ガイド』(医学書院)で、日本医学ジャーナリスト協会賞大賞を受賞。
一九七三年、千葉県生まれ。文筆業。主な著書に、若い女性や子どもの貧困問題をテーマとしたルポルタージュ『最貧困女子』(幻冬舎新書)、『ギャングース・ファイル――家のない少年たち』(講談社文庫、漫画化・映画化)や、自身の抱える障害をテーマにした『脳が壊れた』(新潮新書)、互いに障害を抱える夫婦間のパートナーシップを描いた『されど愛しきお妻様』(講談社、漫画化)などがある。二〇二〇年、『「脳コワさん」支援ガイド』(医学書院)で、日本医学ジャーナリスト協会賞大賞を受賞。
登録情報
- 出版社 : 講談社 (2023/1/19)
- 発売日 : 2023/1/19
- 言語 : 日本語
- 新書 : 248ページ
- ISBN-10 : 4065308895
- ISBN-13 : 978-4065308899
- 寸法 : 10.8 x 1.2 x 17.4 cm
- Amazon 売れ筋ランキング: - 203,002位本 (本の売れ筋ランキングを見る)
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著者について
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トップレビュー
上位レビュー、対象国: 日本
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2023年1月22日に日本でレビュー済み
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2023年1月28日に日本でレビュー済み
Amazonで購入
書名は『ネット右翼になった父』。私はネット右翼にて興味があり購入したが、あくまでも作者鈴木大介氏の父親個人を分析していく本であり、父親との関係性を考える本でもある。
私もそうだが、父親とのうまい距離感が掴めない。この本の言葉を借りれば「父親とフラットに軽口を交わせない」硬い関係性だ。
何か話さねばと思いつつ、気まずい時間が流れ逃げるように実家から毎回帰る40代以上の男性には強く薦めるが、学生さん世代には刺さらないかも。
私を含めて「理想を演じる人間」って面倒くさい。
私もそうだが、父親とのうまい距離感が掴めない。この本の言葉を借りれば「父親とフラットに軽口を交わせない」硬い関係性だ。
何か話さねばと思いつつ、気まずい時間が流れ逃げるように実家から毎回帰る40代以上の男性には強く薦めるが、学生さん世代には刺さらないかも。
私を含めて「理想を演じる人間」って面倒くさい。
2023年11月15日に日本でレビュー済み
Amazonで購入
ちょっとはぐらかされた感じ無きにしもあらず。ただ、このような類のもの歓迎します。
2023年3月6日に日本でレビュー済み
Amazonで購入
読みたかったです。
2023年1月28日に日本でレビュー済み
Amazonで購入
社会問題としてのネット右翼を取り上げたのでは無く、あくまでも著者の家族の話。
人の家庭の過去や細部をひたすら説明されているような感覚が不愉快で無ければどうぞ。
人の家庭の過去や細部をひたすら説明されているような感覚が不愉快で無ければどうぞ。
2023年2月13日に日本でレビュー済み
父親と息子という関係にはどこか希薄な匂いがする。もちろんそうでは無い父子関係も有るが。
反面、母親とは関係が良く、割と本音の対話も有ったりする。
こうした事を顧みる時にはすでに父親を亡くしているケースが多いのではないか。
これを少しでも解消したいと思う人にできる助言はただ一つ。父親の生涯を丹念に聞き取る事だ。できれば色んなどは挟まずに。親子に限らないが、自分の人生を尋ねられて怒る人などはいない。聞くということはその人への関心そのものだからだ。
自分は結婚後も父親と同居していたのに、それを怠った事を強く後悔している。仕事を通じてそうした事の重要性に気づき始めていたのにだ。
最後に「右翼」思想について一言。
著者は、父親がネット右翼思想になぜ傾倒していたかを残念に思い、色々と辿っている。
そこそこの大学を出て、仕事を務め上げ、地域でも家庭でも善良な人を演じていたのになぜという疑問だ。
これは、私に言わせれば、頭の良い悪いとか、性格の問題ではない。
要は、青年期から老年期に至るまで、資本主義の対抗思想であるマルクス主義に立脚した社会科学を学んでいないからだ。社会主義者になれと言っているのではない。ロシアや中国に憧れる人などいるわけがない。
特に経済学や唯物論哲学が肝要だ。こうしたものを深く学べば(独習でも良い)天地がひっくり返ってもネトウヨ如きには決してならない。
逆に言えば、精神論や人格主義に立脚している限りでは、ネトウヨレベルにまで進むかどうかは別として、
右傾化または右翼化する可能性はかなりある。
右翼のそれは思想などという大層なものではない。ただの情念、感情であり、理屈などない。
その根拠はせいぜい目にする範囲での、決して本質的ではない瑣末な社会的矛盾だ。
生活保護を受けるのは怠け者だとか、首相が靖国を参拝しないとか。
そうした事柄を社会科学の目で見極める学識と哲学が身についていないと、単に本好きとか、新聞をよく読む程度の努力では、簡単に絡め取られてしまうのが現代なのだ。
従って、著者には失礼だが、御尊父がネトウヨ的なものに囚われたのは、社会科学の学習不足が最大の原因であり、人柄や人間性とは関係のないところで起きた思想現象だろうと思う。
ちなみに私の父親にも著者の父親と少し似た傾向があった。
資本論などを、たとえ解説本であっても、きちんと読んでいれば、思想的な転落は起きなかったと断言できる。
反面、母親とは関係が良く、割と本音の対話も有ったりする。
こうした事を顧みる時にはすでに父親を亡くしているケースが多いのではないか。
これを少しでも解消したいと思う人にできる助言はただ一つ。父親の生涯を丹念に聞き取る事だ。できれば色んなどは挟まずに。親子に限らないが、自分の人生を尋ねられて怒る人などはいない。聞くということはその人への関心そのものだからだ。
自分は結婚後も父親と同居していたのに、それを怠った事を強く後悔している。仕事を通じてそうした事の重要性に気づき始めていたのにだ。
最後に「右翼」思想について一言。
著者は、父親がネット右翼思想になぜ傾倒していたかを残念に思い、色々と辿っている。
そこそこの大学を出て、仕事を務め上げ、地域でも家庭でも善良な人を演じていたのになぜという疑問だ。
これは、私に言わせれば、頭の良い悪いとか、性格の問題ではない。
要は、青年期から老年期に至るまで、資本主義の対抗思想であるマルクス主義に立脚した社会科学を学んでいないからだ。社会主義者になれと言っているのではない。ロシアや中国に憧れる人などいるわけがない。
特に経済学や唯物論哲学が肝要だ。こうしたものを深く学べば(独習でも良い)天地がひっくり返ってもネトウヨ如きには決してならない。
逆に言えば、精神論や人格主義に立脚している限りでは、ネトウヨレベルにまで進むかどうかは別として、
右傾化または右翼化する可能性はかなりある。
右翼のそれは思想などという大層なものではない。ただの情念、感情であり、理屈などない。
その根拠はせいぜい目にする範囲での、決して本質的ではない瑣末な社会的矛盾だ。
生活保護を受けるのは怠け者だとか、首相が靖国を参拝しないとか。
そうした事柄を社会科学の目で見極める学識と哲学が身についていないと、単に本好きとか、新聞をよく読む程度の努力では、簡単に絡め取られてしまうのが現代なのだ。
従って、著者には失礼だが、御尊父がネトウヨ的なものに囚われたのは、社会科学の学習不足が最大の原因であり、人柄や人間性とは関係のないところで起きた思想現象だろうと思う。
ちなみに私の父親にも著者の父親と少し似た傾向があった。
資本論などを、たとえ解説本であっても、きちんと読んでいれば、思想的な転落は起きなかったと断言できる。
2024年2月17日に日本でレビュー済み
著名人が紹介してたので読んでみましたが、一気読みしてしまいました。なんだかんだ文句垂れてる人もいますが、一読の価値はあります。人によっては、思考の再構築を余儀なくされるかも知れません。
2024年5月14日に日本でレビュー済み
推論で亡くなった実の父をボコボコに貶めるねえ。やばいなコイツ。まあ、志井るず(笑)やし●き隊にならなかっただけマシなお父さんだったんじゃないかな。