著者は3Dプリンタを使った創造性支援の研究を行う工学者。
フランスのマクルーハンのメディア論「今こそ読みたいマクルーハン」(小林啓倫 著)によると明記
3Dプリンタは、細胞の「遺伝子情報からタンパク質という物質を生成する機能」を拡張したものと例える。(40ページ)
3Dプリンタの究極の姿は「情報と物質が等価になる世界」と捉える。(226ページ)
田中氏はノキアやホンダが既にwebで3Dデータを公開している事を紹介。(222ページ)
アマゾンでは69,800円でパーソナル3Dプリンタが購入できる。
現実が夢を追い越している事を実感できる。
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SFを実現する 3Dプリンタの想像力 (講談社現代新書) 新書 – 2014/5/16
田中 浩也
(著)
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3Dプリンタなどのデジタル工作機械がグローバル・インターネットとつながったとき、いったいどのような世界が実現するのか? いままさに、かつてSFとして描かれた技術が現実のものとなりつつある。大注目の工学者が興奮の未来と新しいヴィジョンを描き出す。(講談社現代新書)
「情報処理」から「物質変換」へ
おどろきの未来はもう始まっている!
私は「3Dプリンタで何がつくれるのですか」という質問をよく受けるのですが、
そのたびに「ワープロで何が書けるのですか」や
「ピアノで何が弾けるのですか」という質問と同じような奇妙さを感じてしまいます。
3Dプリンタをはじめとするデジタル工作機械は、
既存の何かを効率化したり、つくりだしたりするツールというよりも、
……創造や発想を刺激する「発明」ツールだと常々考えてきたからです。
3Dプリンタは、私たちに「何をつくりたいのか」を問いかけているのです。
――本文より
「情報処理」から「物質変換」へ
おどろきの未来はもう始まっている!
私は「3Dプリンタで何がつくれるのですか」という質問をよく受けるのですが、
そのたびに「ワープロで何が書けるのですか」や
「ピアノで何が弾けるのですか」という質問と同じような奇妙さを感じてしまいます。
3Dプリンタをはじめとするデジタル工作機械は、
既存の何かを効率化したり、つくりだしたりするツールというよりも、
……創造や発想を刺激する「発明」ツールだと常々考えてきたからです。
3Dプリンタは、私たちに「何をつくりたいのか」を問いかけているのです。
――本文より
- 本の長さ276ページ
- 言語日本語
- 出版社講談社
- 発売日2014/5/16
- 寸法10.7 x 1.3 x 17.3 cm
- ISBN-104062882655
- ISBN-13978-4062882651
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商品の説明
著者について
田中 浩也
田中浩也(たなか・ひろや)
1975年、北海道札幌市に生まれる。京都大学総合人間学部、同大学院人間環境学研究科、東京大学工学系研究科社会基盤学専攻修了。博士(工学)。マサチューセッツ工科大学(MIT)建築学科客員研究員などを経て、現在、慶應義塾大学環境情報学部(SFC)准教授。ネットワークと3Dを組み合わせた創造性支援の研究を続けながら、日本における「ファブラボ」「ファブシティー」の推進者としても知られる。2014年現在、総務省「『ファブ社会』の展望に関する検討会」の座長を務めている。著書に『FabLife――デジタルファブリケーションから生まれる「つくりかたの未来」』などがある。
田中浩也(たなか・ひろや)
1975年、北海道札幌市に生まれる。京都大学総合人間学部、同大学院人間環境学研究科、東京大学工学系研究科社会基盤学専攻修了。博士(工学)。マサチューセッツ工科大学(MIT)建築学科客員研究員などを経て、現在、慶應義塾大学環境情報学部(SFC)准教授。ネットワークと3Dを組み合わせた創造性支援の研究を続けながら、日本における「ファブラボ」「ファブシティー」の推進者としても知られる。2014年現在、総務省「『ファブ社会』の展望に関する検討会」の座長を務めている。著書に『FabLife――デジタルファブリケーションから生まれる「つくりかたの未来」』などがある。
登録情報
- 出版社 : 講談社 (2014/5/16)
- 発売日 : 2014/5/16
- 言語 : 日本語
- 新書 : 276ページ
- ISBN-10 : 4062882655
- ISBN-13 : 978-4062882651
- 寸法 : 10.7 x 1.3 x 17.3 cm
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トップレビュー
上位レビュー、対象国: 日本
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2014年6月9日に日本でレビュー済み
Amazonで購入
2014年5月26日に日本でレビュー済み
Amazonで購入
随所に二項対立する概念や立ち位置を例に出し、作者の提唱する"Fab"がそれぞれに対してそのどちらでもありどちらかでもないようなグラデーショナルな幅を提案する。一見挑発的な表紙と帯とは裏腹に解像度があらい今までの(ぎざぎざした)社会をマクルーハンを軸としながら、なめらかに(近似)しようとする意向に穏やかな内容だなという印象を持った。後半コミュニティ一体で、失敗(試行錯誤)を繰り返して成長できる今だからこそ楽しめるこの時代に参加しないことが勿体無いと思わせる所が個人的には一番納得でき、ジーン(Gene)とミーム(meme)の両輪が情報空間上でドライブする「強化された終わらないものづくり」を夢想させてくれる。今まで見ていた視界がハイビジョンになります。
2017年12月31日に日本でレビュー済み
タイトルだけを見ると,「3Dプリンタを使えば,SF映画の中の絵空事であったことが可能になり,こんなものが作れます・・・」という3Dプリンタ・ハウツーもの,と先入観を持ってしまいますが,イノベーションとも言える発想の転換が語られている実に奥の深い良書です。
ここで言う「SF」=サイエンス・フィクション=空想科学小説という意味だけでなく,むしろSocial Fabrication=ソーシャル・ファブリケーション,「社会的製造」とでも訳されるのでしょうか,社会のつながり(ネットワーク)を活用して,モノをこしらえる,課題解決を実現していく・・・そんな意味で使われています。つまり,「こんなものがあったら良いなぁ」という空想を実現するツール,それがSocial Fabrication=SFだというわけです。
そして,データをインプットすると物体をアウトプットしてくれる3Dプリンタは,ネットワークを活用することで,物流に大きな変革をもたらし,地産地消の発展形のような現地生産を容易にすることを指摘。さらに,設計図(データ)と素材から物質を造り出すという流れを逆転して,物質を素材レベルまで分解する流れも実現できれば,環境問題にも資するのではないか,と提案(発案だけでなく,実際に研究や試験的運用もしているのだそうです)。スタートレックの「レプリケーター」を例に持ち出したり,日本古来の「組む」「折る」「編む」といった技法にまで思いを馳せています。ここまで読み進めると,タイトルの中で,3Dプリンタの「創造力」ではなく「想像力」という表記を用いているのか,その趣旨がわかります。
筆者が考えている方向に世の中が進展するかどうか――それには3Dプリンタが一般的に普及するレベルまで技術革新を遂げる必要もあります――は別として,ものづくりに対する発想の転換がもたらされるという指摘は,最初は目からウロコでしたが,言われてみればそのとおりであり,特にメーカーと消費者が分断された大量生産・大量消費の現代社会の仕組みが大きく変わるのではないか,という指摘には大いに共感しました。
私自身も含め現代人の多くは,新しい技術や製品が出回ると,他人よりも早くそれを使いこなすことばかりに夢中になり,その背景あるいはその先の可能性という大きなものに考えが及んでいないことが多いと思います。そうした中で1つの革新的な技術を通して社会観までもダイナミックに語っており,我々が備えるべき視点を提言した良書です。
ここで言う「SF」=サイエンス・フィクション=空想科学小説という意味だけでなく,むしろSocial Fabrication=ソーシャル・ファブリケーション,「社会的製造」とでも訳されるのでしょうか,社会のつながり(ネットワーク)を活用して,モノをこしらえる,課題解決を実現していく・・・そんな意味で使われています。つまり,「こんなものがあったら良いなぁ」という空想を実現するツール,それがSocial Fabrication=SFだというわけです。
そして,データをインプットすると物体をアウトプットしてくれる3Dプリンタは,ネットワークを活用することで,物流に大きな変革をもたらし,地産地消の発展形のような現地生産を容易にすることを指摘。さらに,設計図(データ)と素材から物質を造り出すという流れを逆転して,物質を素材レベルまで分解する流れも実現できれば,環境問題にも資するのではないか,と提案(発案だけでなく,実際に研究や試験的運用もしているのだそうです)。スタートレックの「レプリケーター」を例に持ち出したり,日本古来の「組む」「折る」「編む」といった技法にまで思いを馳せています。ここまで読み進めると,タイトルの中で,3Dプリンタの「創造力」ではなく「想像力」という表記を用いているのか,その趣旨がわかります。
筆者が考えている方向に世の中が進展するかどうか――それには3Dプリンタが一般的に普及するレベルまで技術革新を遂げる必要もあります――は別として,ものづくりに対する発想の転換がもたらされるという指摘は,最初は目からウロコでしたが,言われてみればそのとおりであり,特にメーカーと消費者が分断された大量生産・大量消費の現代社会の仕組みが大きく変わるのではないか,という指摘には大いに共感しました。
私自身も含め現代人の多くは,新しい技術や製品が出回ると,他人よりも早くそれを使いこなすことばかりに夢中になり,その背景あるいはその先の可能性という大きなものに考えが及んでいないことが多いと思います。そうした中で1つの革新的な技術を通して社会観までもダイナミックに語っており,我々が備えるべき視点を提言した良書です。
2015年4月29日に日本でレビュー済み
注目の次世代工学者が、3Dプリンタが開く新たな「モノづくり」の現状と未来を描いている。
書名の「SF」はScience FictionではなくSocial FABの略であり、FABとは、'@Fabrication(ファブリケーション/製造)、'AFabulous(愉しい、喜びの)、'BFabric(異質なものを編む)を重ねたワードだという。
アナログ世代の文系キャリアの私にとって、最近生まれて日々目覚ましく進歩するこのフィールドにおける著者の思考・発想には分りにくい部分も多かったが、主旨は概ね以下のようなものである。
◆従来の情報技術の進歩は、フィジカル/マテリアル/物質を、デジタル/データ/情報に変換する方向で進んできたが、今後は後者を前者に変換する、または自由に相互変換する方向に広がっていく。既にある物質をデジタルデータ化し、再度同様の形の物質を成型する3Dプリンタのようなファブリケーターはその初期的ハードである。
◆将来的には、同一の製品・商品が工場で集中的に大量生産されるのではなく、消費者が製品・商品のデジタルデータを購入してダウンロードし、各家庭のファブリケーターでそれを物質化する世界がくるかもしれない。
◆現在、3Dプリンタをはじめとする各種デジタル工作機械を揃えた実験的な市民工房「ファブラボ」は、世界50ヶ国/250ヶ所以上にまで広がっており、それぞれのファブラボはネットワークで繋がっている。それにより、情報(データやアイデア)をグローバルに共有しながら、物質(マテリアル)をローカルに活用する(=モノは必要なところで作る)という、環境面にメリットの大きいモノづくりが可能となる。
◆フィジカルとデジタルの相互変換の行き着く先は、両者が完全に一つのものとして融合する、即ち、ファブリケーターを使えば、最小単位のパーツからある製品ができ、かつ製品を最小単位のパーツに戻すこともできる世界であろう。
3Dプリンタという技術をもう少し知りたいと思い本書を手に取ったが、その技術の向かう将来には様々な可能性があることが理解できた。
(2015年4月了)
書名の「SF」はScience FictionではなくSocial FABの略であり、FABとは、'@Fabrication(ファブリケーション/製造)、'AFabulous(愉しい、喜びの)、'BFabric(異質なものを編む)を重ねたワードだという。
アナログ世代の文系キャリアの私にとって、最近生まれて日々目覚ましく進歩するこのフィールドにおける著者の思考・発想には分りにくい部分も多かったが、主旨は概ね以下のようなものである。
◆従来の情報技術の進歩は、フィジカル/マテリアル/物質を、デジタル/データ/情報に変換する方向で進んできたが、今後は後者を前者に変換する、または自由に相互変換する方向に広がっていく。既にある物質をデジタルデータ化し、再度同様の形の物質を成型する3Dプリンタのようなファブリケーターはその初期的ハードである。
◆将来的には、同一の製品・商品が工場で集中的に大量生産されるのではなく、消費者が製品・商品のデジタルデータを購入してダウンロードし、各家庭のファブリケーターでそれを物質化する世界がくるかもしれない。
◆現在、3Dプリンタをはじめとする各種デジタル工作機械を揃えた実験的な市民工房「ファブラボ」は、世界50ヶ国/250ヶ所以上にまで広がっており、それぞれのファブラボはネットワークで繋がっている。それにより、情報(データやアイデア)をグローバルに共有しながら、物質(マテリアル)をローカルに活用する(=モノは必要なところで作る)という、環境面にメリットの大きいモノづくりが可能となる。
◆フィジカルとデジタルの相互変換の行き着く先は、両者が完全に一つのものとして融合する、即ち、ファブリケーターを使えば、最小単位のパーツからある製品ができ、かつ製品を最小単位のパーツに戻すこともできる世界であろう。
3Dプリンタという技術をもう少し知りたいと思い本書を手に取ったが、その技術の向かう将来には様々な可能性があることが理解できた。
(2015年4月了)
2014年7月20日に日本でレビュー済み
時々こういう出会いがあるから新書を読むのをやめられない。
本書は、SFC准教授で3Dプリンタやカッティングマシンなどの工作機械を備えたワークショップ「ファブラボ」を日本で推進してきた第一人者による、「3Dプリンタによって世界はどう変わるのか?」を具体的事例と想像力(概念)の両方を駆使して描き出す一冊。
「3Dプリンタってそもそもなーに?」という初歩的な部分をすっ飛ばして話が始まるので、冒頭はややとっつきにくい印象もあるが、読み進めていくと、著者が単に3Dプリンタの説明をしたいわけではなく、もっと大きな世界の枠組の変化についての話をしようとしていることがわかってくる(なので、3Dプリンタの概要や仕組み、歴史や具体的な活用法を知りたい人は別の本を読む必要がある)。
著者が描く変化とは、例えばこんなものだ。
「いま一般的に、『読み書き』といえば、通常は『文字の読み書き』のことを指します。文字を読んだり、書いたりできることで、私たちは日々のコミュニケーションを紡いでいます。しかし3Dプリンタやデジタル工作機械は、『文字の読み書き』ではなく、私たちの『ものの読み書き』を再定義してくれる契機にもなっています。/『ものの読み書き』とはつまり(中略)特に工業製品の、仕組みを知り、機能を知り、素材を知り、加工法を知り、自分でも少しつくったり、直したり、改造したりすることを、日常のなかでゆっくりと身につけていくことです。」(P87-88)
3Dプリンタをはじめとするテクノロジーは、「新しいものを考え、つくりだす体験」を、現在それを行っている一部の企業や工場、設計者や職人たちの元から私たち一般人の家庭や手元へ広げていく可能性を秘めている。というのは、多くの人が既になんとなく知っていることかもしれない。著者はその可能性を、世界中で起きている様々なエピソードや自身が所属する研究室の実績を紹介しながら鮮やかに導き出していく。
また本書ではたびたび、アメリカの一般市民が自宅のガレージで「新しいものを考え、つくりだす体験」を日常的に行っていることを例に、比べて日本人がそうした体験から分断されていることが指摘される。
「世界各国を見て回ると、日本の製造業の素晴らしさを感じます。(中略)しかし一方で、そのことを特権化し、崇拝し、依存しすぎるがあまり、その逆にはまったく『もの』をつくらない、生まれてから何もつくったことがない、という人々が大量に育ってきていることを肌で感じています。」(P161)
「これまで技術はブラックボックス化されてきました。技術のブラックボックス化によって私たちが得た便益は、『知識がなくても高度な製品を使える』ことでしたが、いままさにこの弊害こそが社会を封じ込めています。」(P181)
あらゆる快適さを実現してくれる家電に囲まれて暮らし、プログラミング一つできないままPCを使いこなす私にとって、著者がこの本で描き出す未来はそれこそタイトルの「SF」のように見えるが、同時にそれはどれだけエキサイティングな世界なのだろうと興奮させられた。
「3Dプリンタの想像力」ーそれはきっと、あなたの想像を超える世界の変化である。本書をとおして、まずはその一端を垣間見てみることをお勧めする。
本書は、SFC准教授で3Dプリンタやカッティングマシンなどの工作機械を備えたワークショップ「ファブラボ」を日本で推進してきた第一人者による、「3Dプリンタによって世界はどう変わるのか?」を具体的事例と想像力(概念)の両方を駆使して描き出す一冊。
「3Dプリンタってそもそもなーに?」という初歩的な部分をすっ飛ばして話が始まるので、冒頭はややとっつきにくい印象もあるが、読み進めていくと、著者が単に3Dプリンタの説明をしたいわけではなく、もっと大きな世界の枠組の変化についての話をしようとしていることがわかってくる(なので、3Dプリンタの概要や仕組み、歴史や具体的な活用法を知りたい人は別の本を読む必要がある)。
著者が描く変化とは、例えばこんなものだ。
「いま一般的に、『読み書き』といえば、通常は『文字の読み書き』のことを指します。文字を読んだり、書いたりできることで、私たちは日々のコミュニケーションを紡いでいます。しかし3Dプリンタやデジタル工作機械は、『文字の読み書き』ではなく、私たちの『ものの読み書き』を再定義してくれる契機にもなっています。/『ものの読み書き』とはつまり(中略)特に工業製品の、仕組みを知り、機能を知り、素材を知り、加工法を知り、自分でも少しつくったり、直したり、改造したりすることを、日常のなかでゆっくりと身につけていくことです。」(P87-88)
3Dプリンタをはじめとするテクノロジーは、「新しいものを考え、つくりだす体験」を、現在それを行っている一部の企業や工場、設計者や職人たちの元から私たち一般人の家庭や手元へ広げていく可能性を秘めている。というのは、多くの人が既になんとなく知っていることかもしれない。著者はその可能性を、世界中で起きている様々なエピソードや自身が所属する研究室の実績を紹介しながら鮮やかに導き出していく。
また本書ではたびたび、アメリカの一般市民が自宅のガレージで「新しいものを考え、つくりだす体験」を日常的に行っていることを例に、比べて日本人がそうした体験から分断されていることが指摘される。
「世界各国を見て回ると、日本の製造業の素晴らしさを感じます。(中略)しかし一方で、そのことを特権化し、崇拝し、依存しすぎるがあまり、その逆にはまったく『もの』をつくらない、生まれてから何もつくったことがない、という人々が大量に育ってきていることを肌で感じています。」(P161)
「これまで技術はブラックボックス化されてきました。技術のブラックボックス化によって私たちが得た便益は、『知識がなくても高度な製品を使える』ことでしたが、いままさにこの弊害こそが社会を封じ込めています。」(P181)
あらゆる快適さを実現してくれる家電に囲まれて暮らし、プログラミング一つできないままPCを使いこなす私にとって、著者がこの本で描き出す未来はそれこそタイトルの「SF」のように見えるが、同時にそれはどれだけエキサイティングな世界なのだろうと興奮させられた。
「3Dプリンタの想像力」ーそれはきっと、あなたの想像を超える世界の変化である。本書をとおして、まずはその一端を垣間見てみることをお勧めする。
2014年10月4日に日本でレビュー済み
SF(サイエンス・フィクション)を実現するSF(少し不思議)なSF(ソーシャルファブリケーション)の世界。
3Dプリンタがもたらす無限の想像力と可能性に端を発し、現代の人間とモノの関係性について考えなおす一冊。
3Dプリンタというと最近では、殺傷能力のある銃やわいせつ物を製造した事件などが記憶に新しいだろう。これらの報道で3Dプリンタを取り巻く現状はあまり良いものとは言えないかもしれない。だが、これらの法に触れてしまった事件も視点を変えれば、3Dプリンタの無限の可能性が見えてくる。
本作では既存の何かを効率化したり、作り出したりするツールというよりも、創造や発想を刺激する「発明」ツールであると説明しており、他のデジタルツールよりも利用する人間の知識・思考・想像力に大きく依存していることが分かる。
‐3Dプリンタは、私たちに「何をつくりたいのか」を問いかけているのです‐。この一文は、使用する人間によってこの道具は善にも悪にもなりうる事も示しているのではないだろうか。つまり、このツールは人間の道徳観や倫理観にも強く依存しているのである。
この一冊の裏から考えさせれるのは、凄まじいスピードでアップデートされていく機械にそれを使う我々人間の意識や価値観も同様にアップデートしていかなければならないという、問題提起のように思えてならない。そうでなければ、サイエンス・フィクションのように人間が機械に支配され、使われる未来もあながち空想ではなくなるのかもしれない。
3Dプリンタがもたらす無限の想像力と可能性に端を発し、現代の人間とモノの関係性について考えなおす一冊。
3Dプリンタというと最近では、殺傷能力のある銃やわいせつ物を製造した事件などが記憶に新しいだろう。これらの報道で3Dプリンタを取り巻く現状はあまり良いものとは言えないかもしれない。だが、これらの法に触れてしまった事件も視点を変えれば、3Dプリンタの無限の可能性が見えてくる。
本作では既存の何かを効率化したり、作り出したりするツールというよりも、創造や発想を刺激する「発明」ツールであると説明しており、他のデジタルツールよりも利用する人間の知識・思考・想像力に大きく依存していることが分かる。
‐3Dプリンタは、私たちに「何をつくりたいのか」を問いかけているのです‐。この一文は、使用する人間によってこの道具は善にも悪にもなりうる事も示しているのではないだろうか。つまり、このツールは人間の道徳観や倫理観にも強く依存しているのである。
この一冊の裏から考えさせれるのは、凄まじいスピードでアップデートされていく機械にそれを使う我々人間の意識や価値観も同様にアップデートしていかなければならないという、問題提起のように思えてならない。そうでなければ、サイエンス・フィクションのように人間が機械に支配され、使われる未来もあながち空想ではなくなるのかもしれない。
2014年11月26日に日本でレビュー済み
意外と簡単な本だった。ようするに通信技術と工作技術の発達で、流動的な情報に基づいてどこでもものを作れるようになってきた、という話である。いろんな方針を持つ機械とかやり方が紹介されている。料理とかも自動的に作れそうだし、過疎の村とかでも有効性がありそうである。コンピュータ上の情報が地球を覆うばかりでなく、それが現実の形として現れてきたのだと思う。
2014年6月8日に日本でレビュー済み
何かと話題の3Dプリンタ。それが何を可能とするのかを、さまざまな事例も含めて示したもの。ニュースで見たけど、もう一つよくわからないという人にはもっとも親切な入門書であると思う。