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燃えるスカートの少女 (角川文庫) 文庫 – 2007/12/21
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強烈な才能を発揮し、作家・書評家たちを虜にした傑作短篇集、待望の文庫化
人間から逆進化してゆく恋人、戦争で唇を失いキスができない夫、父親が死んだ日に客たちとセックスする図書館員、火の手と氷の手をもつふたりの少女……想像と言葉の魔法を駆使して紡がれる、かつてない物語。不可解なのに現実的、暗くて明るく、哀しくて愛おしい。アンビバレントなものたちから放たれる、奇跡的な煌めきの中に、私たちはいつしか呑み込まれ、圧倒され、胸をつかまれる――。
その独特な世界観でファンを魅了し続けるエイミー・ベンダーの、デビュー作にしてゆるぎない傑作短編集。文庫版特別付録として掌編「夜」を日英対訳で掲載!
解説:堀江敏幸
【目次】
思い出す人
私の名前を呼んで
溝への忘れもの
ボウル
マジパン
どうかおしずかに
皮なし
フーガ
酔っ払いのミミ
この娘をやっちゃえ
癒す人
無くした人
遺 産
ポーランド語で夢見る
指 輪
燃えるスカートの少女
訳者あとがき
解説 堀江敏幸「さびしいと思っていた世界に抱きしめられること」
特別付録 Night 「夜」(対訳)
人間から逆進化してゆく恋人、戦争で唇を失いキスができない夫、父親が死んだ日に客たちとセックスする図書館員、火の手と氷の手をもつふたりの少女……想像と言葉の魔法を駆使して紡がれる、かつてない物語。不可解なのに現実的、暗くて明るく、哀しくて愛おしい。アンビバレントなものたちから放たれる、奇跡的な煌めきの中に、私たちはいつしか呑み込まれ、圧倒され、胸をつかまれる――。
その独特な世界観でファンを魅了し続けるエイミー・ベンダーの、デビュー作にしてゆるぎない傑作短編集。文庫版特別付録として掌編「夜」を日英対訳で掲載!
解説:堀江敏幸
【目次】
思い出す人
私の名前を呼んで
溝への忘れもの
ボウル
マジパン
どうかおしずかに
皮なし
フーガ
酔っ払いのミミ
この娘をやっちゃえ
癒す人
無くした人
遺 産
ポーランド語で夢見る
指 輪
燃えるスカートの少女
訳者あとがき
解説 堀江敏幸「さびしいと思っていた世界に抱きしめられること」
特別付録 Night 「夜」(対訳)
- 本の長さ272ページ
- 言語日本語
- 出版社KADOKAWA
- 発売日2007/12/21
- ISBN-104042968015
- ISBN-13978-4042968016
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商品の説明
著者について
●エイミー・ベンダー:1969年生まれ。カリフォルニア大学アーヴァイン校創作科出身。最初の短篇集となる本書で書評家から絶賛を浴び、鮮烈なデビューを果たす。2000年に初長篇『私自身の見えない徴』を発表。LAタイムズ紙の注目の一冊に選ばれ、後に映画化される。05年に短篇第二弾『わがままなやつら』を刊行、10年には長篇第二作『レモンケーキの独特なさびしさ』で全米ベストセラー入り。13年には短篇第三弾『The Color Master』を刊行。南カリフォルニア大学で教えながら執筆を続け、独特な世界観でファンを魅了し続けている。
●管 啓次郎:1958年生まれ。比較文学者、詩人。明治大学大学院理工学研究科ディジタルコンテンツ系教授。エイミー・ベンダー作品の翻訳の他、サン=テグジュペリ『星の王子さま』、アジェンデ『パウラ、水泡なすもろき命』、コンデ『生命の樹』など訳書多数。著書に『オムニフォン』、『本は読めないものだから心配するな』、『斜線の旅』(読売文学賞受賞)、『Agend'Ars』(詩集)などがある。
●管 啓次郎:1958年生まれ。比較文学者、詩人。明治大学大学院理工学研究科ディジタルコンテンツ系教授。エイミー・ベンダー作品の翻訳の他、サン=テグジュペリ『星の王子さま』、アジェンデ『パウラ、水泡なすもろき命』、コンデ『生命の樹』など訳書多数。著書に『オムニフォン』、『本は読めないものだから心配するな』、『斜線の旅』(読売文学賞受賞)、『Agend'Ars』(詩集)などがある。
登録情報
- 出版社 : KADOKAWA; 一般文庫版 (2007/12/21)
- 発売日 : 2007/12/21
- 言語 : 日本語
- 文庫 : 272ページ
- ISBN-10 : 4042968015
- ISBN-13 : 978-4042968016
- Amazon 売れ筋ランキング: - 182,562位本 (本の売れ筋ランキングを見る)
- カスタマーレビュー:
著者について
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トップレビュー
上位レビュー、対象国: 日本
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2013年1月6日に日本でレビュー済み
Amazonで購入
大変、面白かったです。ユニークな発想に脱帽。繰り返し読めます。
2004年9月19日に日本でレビュー済み
Amazonで購入
描かれる事象は突飛なものばかりなのですが、そこに見出されるものは都会に住む人の、あるいは自分を見失った人達の切実な孤独感でした。恋人がサンショウウオになったり、母が祖母を産んだり、小鬼と人魚が高校に通っていたり、火の手と氷の手を持つ少女達がいたりと並のファンタジーより奇抜な世界なのに、登場する女の子達のなんと現実的なことでしょう。ベンダーの描く女の子達は容姿も充分魅力があって、強面の世界に対して張り合っていくだけの自信も備えていて、一見したところ夢をかなえる資格充分なのですが、やはりそこにはままならぬ世の理があって、それに直面した時あたりはばからぬ孤独感に苛まれてしまいます。読者は、その孤独感に一種の『せつなさ』を感じ、彼女達の切実な訴えを噛みしめるのでしょう。軽く読めてしまいますが、なかなか濃い一冊でした。
2023年5月14日に日本でレビュー済み
燃えるスカートの少女という表題作を読んだ。
大枠の父と少女の関係性の中に鼠やポールや燃えるスカートの少女のイメージが投げ込まれる。
そう、投げ込まれるのだ。どれもが物語としては投げられている。
1トンもあるナップザックやこつこつと叩くというイメージはファンタジックで現実感が無い。
こつこつという音は心音であり、ポールは自分の中の別の人格というか、逃げ場なのか。
タイトルになっている、燃えるスカートの少女は少女の人生の中の後悔する一瞬のことなのか。
理論的に分析しようとすること自体が野暮で、感覚的に感じろということか。
なんらかの瞬間や感情やイメージをコラージュしているのか。
一読しただけでは、あまり分からなかった。翻訳されているからなのか元からそうなのか。
大枠の父と少女の関係性の中に鼠やポールや燃えるスカートの少女のイメージが投げ込まれる。
そう、投げ込まれるのだ。どれもが物語としては投げられている。
1トンもあるナップザックやこつこつと叩くというイメージはファンタジックで現実感が無い。
こつこつという音は心音であり、ポールは自分の中の別の人格というか、逃げ場なのか。
タイトルになっている、燃えるスカートの少女は少女の人生の中の後悔する一瞬のことなのか。
理論的に分析しようとすること自体が野暮で、感覚的に感じろということか。
なんらかの瞬間や感情やイメージをコラージュしているのか。
一読しただけでは、あまり分からなかった。翻訳されているからなのか元からそうなのか。
2009年5月2日に日本でレビュー済み
レビューで評判がすごくいいので借りてみた本で16の短編が収録されている。
まずは『思い出す人』。
恋人が逆進化してしまう女の子の話。
「ある日まで彼は私の恋人だったのに、その次の日には猿になっていた。それから一か月たち、いまは海亀。」
カフカの変身を思い出す不条理さ。
彼女は日々退化(じゃなくて“逆進化”って言ってた)する恋人と一緒にいる。
「なんで?」とか「どうなるの?」とかは一切ない。
その他の話も、不条理。
やっぱり「なんで?」とか「結末は?」とかは一切ない。
『溝への忘れもの』
戦争で唇をなくした夫。唇があるはずの場所にはめられたプラスチックの板が話すたびにカチカチと音を立てる。
キスができない夫、唇と一緒になにかが失われてしまった。
その喪失感に苛まれる妻。
短い短いお話が16。
どれも満たされない人間(小鬼もいるけど)が主人公。
満たされない思いを抱えて不条理な世界で漂う。
なんかそんな感じ。
不条理とセックスと喪失感。
これっていわゆる純文学?
直木賞より芥川賞が好きって人にオススメ。
けっこう面白かったです。
不条理だけど。
まずは『思い出す人』。
恋人が逆進化してしまう女の子の話。
「ある日まで彼は私の恋人だったのに、その次の日には猿になっていた。それから一か月たち、いまは海亀。」
カフカの変身を思い出す不条理さ。
彼女は日々退化(じゃなくて“逆進化”って言ってた)する恋人と一緒にいる。
「なんで?」とか「どうなるの?」とかは一切ない。
その他の話も、不条理。
やっぱり「なんで?」とか「結末は?」とかは一切ない。
『溝への忘れもの』
戦争で唇をなくした夫。唇があるはずの場所にはめられたプラスチックの板が話すたびにカチカチと音を立てる。
キスができない夫、唇と一緒になにかが失われてしまった。
その喪失感に苛まれる妻。
短い短いお話が16。
どれも満たされない人間(小鬼もいるけど)が主人公。
満たされない思いを抱えて不条理な世界で漂う。
なんかそんな感じ。
不条理とセックスと喪失感。
これっていわゆる純文学?
直木賞より芥川賞が好きって人にオススメ。
けっこう面白かったです。
不条理だけど。
2018年12月13日に日本でレビュー済み
最初は読んでいて嫌だなーと思っていたが段々面白くなってきた。特にほかの作家の退屈な小説を読んでから読み直すと、すごく詩的でキレがある小説なんだなとわかった。「フーガ」と「無くした人」がよかった。
2024年3月19日に日本でレビュー済み
Amazonで購入
私にはどのストーリーも難解でした💦作者の意図するところを読み取る能力が不足しているようです🙇♀️
2003年9月6日に日本でレビュー済み
この本に収録されているどの短編にもいえることなのかもしれないけれど、11番目の短編「癒す人」は、せつなさと残酷さとやさしさが同居しあうような、複雑なおもいを喚起させる作品だ。この作品には、火の手をもつ女の子と、氷の手をもつ女の子が登場するのだけれど、この異質な二人の少女の断絶と交流をとおしてえがきだされる物語はうつくしくもかなしい。結末は幸福的ではないはずなのに、いやむしろひじょうに残酷なはずなのに、最後の一節はかぎりないやさしさに包まれている。なんどもなんどもかみしめて読みたい作品だ。
グリッサン、コンデ、アジェンデといったカリブ海=アメリカ文化圏の作家たちを伴侶に、おわりなき言語と思考の旅をつづける訳者の新著『コヨーテ読書』もあわせて読んでみた㡊??。
グリッサン、コンデ、アジェンデといったカリブ海=アメリカ文化圏の作家たちを伴侶に、おわりなき言語と思考の旅をつづける訳者の新著『コヨーテ読書』もあわせて読んでみた㡊??。
2009年5月22日に日本でレビュー済み
Amazonで購入
ひとつひとつの言葉が泡のようで、切なくて、哀しくて、ちょっとエッチで、胸の奥の奥というかもっと下のほうがキュンとするような不思議な感覚になりました。月明かりの下、ベッドの中でこっそり読みたいです。
なんて、いってんじゃネーよ、不思議少女がぁ〜!!
うちの娘がこんな本読んでたら、説教だね。間違いなく。
ちょっと来て、ここに座れと。
おまえは、寺山修司を読んだのかと。ガルシア・マルケスを読んだのか、と。
そもそも不条理とはどういうことなのか、と。
おまえは何が書きたいのかと。イタロ・カルヴィーノから何を学んだのかと。
娘はきっと言うね「私が書いたんじゃないんもん」って。
そもそも娘いないけどね。
評判よかったんで、読んだけど、つらい、つらい、つらいわけよ。
とにかく、言葉が空虚というか何ものこららないわけよ。
イメージが全然、わかないわけよ。
何?うちの娘ぐらいの年の女の子ならわくわけ?
娘いないけどね。
無理したような、わざとらしいエッチなシーンあったり、
使い古されたシュールなイメージだったり、
不思議少女版ケータイ小説??
ちなみに、同じ1969年生まれのアメリカの女性作家ケリー・リンクとは大違い。
マジック・フォー・ビギナーズ (プラチナ・ファンタジイ)
表題作のラストの6行の燃えるスカートの少女の記事を新聞で読んだときの
イメージだけが、ちょっとリアリティあったかな。
色がポップなカップのケーキ。でも口当たりはモソモソ。
ご馳走さまでした。
なんて、いってんじゃネーよ、不思議少女がぁ〜!!
うちの娘がこんな本読んでたら、説教だね。間違いなく。
ちょっと来て、ここに座れと。
おまえは、寺山修司を読んだのかと。ガルシア・マルケスを読んだのか、と。
そもそも不条理とはどういうことなのか、と。
おまえは何が書きたいのかと。イタロ・カルヴィーノから何を学んだのかと。
娘はきっと言うね「私が書いたんじゃないんもん」って。
そもそも娘いないけどね。
評判よかったんで、読んだけど、つらい、つらい、つらいわけよ。
とにかく、言葉が空虚というか何ものこららないわけよ。
イメージが全然、わかないわけよ。
何?うちの娘ぐらいの年の女の子ならわくわけ?
娘いないけどね。
無理したような、わざとらしいエッチなシーンあったり、
使い古されたシュールなイメージだったり、
不思議少女版ケータイ小説??
ちなみに、同じ1969年生まれのアメリカの女性作家ケリー・リンクとは大違い。
マジック・フォー・ビギナーズ (プラチナ・ファンタジイ)
表題作のラストの6行の燃えるスカートの少女の記事を新聞で読んだときの
イメージだけが、ちょっとリアリティあったかな。
色がポップなカップのケーキ。でも口当たりはモソモソ。
ご馳走さまでした。