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パワー・オブ・ザ・ドッグ (角川文庫) 文庫 – 2021/8/24
トーマス・サヴェージ
(著),
波多野 理彩子
(翻訳)
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ベネディクト・カンバーバッチ主演映像化作。ラスト4行に驚愕!
「『エデンの東』や『ブロークバック・マウンテン』を髣髴とさせる」(ガーディアン紙) 、「時と場を完璧に再現し思い起こさせる」(ボストン・グローブ紙)と各紙誌で絶賛。
ジェーン・カンピオン監督、ベネディクト・カンバーバッチ、キルスティン・ダンスト主演でNetflixでの映像化が決定。
1920年代、モンタナ州。快活で賢い兄フィルと地味な弟ジョージは牧場を共同経営する裕福な兄弟だ。ジョージの前に不幸な初婚を経たローズが現れ、二人が結婚したことで、家族に亀裂が入ってゆく。露わになる本心、剥き出しになる人間の弱さ、立ちはだかる西部の論理。そして物語は、衝撃の結末を迎える!美しい大自然のなか、アメリカ社会のタブー、飲酒・人種差別・同性愛に斬り込み、世界の絶賛を得た幻の名作、本邦初訳!
「『エデンの東』や『ブロークバック・マウンテン』を髣髴とさせる」(ガーディアン紙) 、「時と場を完璧に再現し思い起こさせる」(ボストン・グローブ紙)と各紙誌で絶賛。
ジェーン・カンピオン監督、ベネディクト・カンバーバッチ、キルスティン・ダンスト主演でNetflixでの映像化が決定。
1920年代、モンタナ州。快活で賢い兄フィルと地味な弟ジョージは牧場を共同経営する裕福な兄弟だ。ジョージの前に不幸な初婚を経たローズが現れ、二人が結婚したことで、家族に亀裂が入ってゆく。露わになる本心、剥き出しになる人間の弱さ、立ちはだかる西部の論理。そして物語は、衝撃の結末を迎える!美しい大自然のなか、アメリカ社会のタブー、飲酒・人種差別・同性愛に斬り込み、世界の絶賛を得た幻の名作、本邦初訳!
- 本の長さ352ページ
- 言語日本語
- 出版社KADOKAWA
- 発売日2021/8/24
- 寸法10.6 x 1.3 x 14.9 cm
- ISBN-104041096553
- ISBN-13978-4041096550
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商品の説明
著者について
●トーマス・サヴェージ:1915年、米国ユタ州ソルトレークシティー生まれ。モンタナ大学で創作や執筆を学んだあと、37年に東部メイン州コルビー大学入学。 在学中の39年に同じ小説家となる同郷のエリザベス・フィッツジェラルドと結婚。保険調査員や配管工の助手、溶接工、鉄道の制動手などの仕事をしながら、執筆。44年に処女小説『The Pass』を刊行。89年には、最後の作品『The Corner of Rife and Pacific』がPEN/フォークナー賞の最終候補作となったほか、太平洋岸北西部書店協会賞を受賞。2003年、没。
登録情報
- 出版社 : KADOKAWA (2021/8/24)
- 発売日 : 2021/8/24
- 言語 : 日本語
- 文庫 : 352ページ
- ISBN-10 : 4041096553
- ISBN-13 : 978-4041096550
- 寸法 : 10.6 x 1.3 x 14.9 cm
- Amazon 売れ筋ランキング: - 162,947位本 (本の売れ筋ランキングを見る)
- カスタマーレビュー:
カスタマーレビュー
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トップレビュー
上位レビュー、対象国: 日本
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2022年2月22日に日本でレビュー済み
Amazonで購入
映画を観てもっと詳しく知りたくなり購入。さまざまなことがわかりました。より深く理解できたように思います。読んで良かったです。
2022年4月2日に日本でレビュー済み
Amazonで購入
カンバーバッチが好きなので、映画は後で観ようかなと久々に海外文学を読みました。
登場人物のキャラクターは分かりにくいながらも魅力的で、続きが気になるストーリー展開ではあります。
そもそも、あまり全く馴染みのない時代で映画も観てないから分からない事だらけでした。
カンバーバッチの顔以外は建物や風景など映像が浮かばかったので映画を先に見れば良かったかなと思います。
登場人物のキャラクターは分かりにくいながらも魅力的で、続きが気になるストーリー展開ではあります。
そもそも、あまり全く馴染みのない時代で映画も観てないから分からない事だらけでした。
カンバーバッチの顔以外は建物や風景など映像が浮かばかったので映画を先に見れば良かったかなと思います。
2022年7月12日に日本でレビュー済み
実はこの小説より映画を先にほとんど公開と同時に観た(Netflixでですが)のだが、平坦なストーリーに眠ってしまったか途中でやめただかして観るのをやめている。内容は起伏がなく記憶にほとんど残っていなかった。
ゴールデングローブ賞なるものをとっている。そして評判も悪くない。
これはきっと自分の見方、姿勢が悪いのだと思ってこの小説を手にとった。平積みにされてたけど、大した厚みもなく千円弱(文庫本で千円はワタクシ的価値観としてはかなりお高いです)。
しかし、買って良かった、読んで良かった。読み終えた瞬間に映画を見直したが、本のおかげもあってめちゃくちゃ楽しめた。(幸い映画の記憶はほとんどなし。ナイスキャスト、ナイス構成。映画の感想は控えた方がいいですね)
この文章のセンスよ。活字だけで胸にジンワリしみてくる。暖かさも冷たさもくる。
作家はこの世に数多いると思うが、物書きを名乗るならここまで書けてはじめて物書きだと思う。
時代背景やそれに纏る土地、国柄。翻訳の難易度は高いと思われるが、余計な注釈などされてなく存分に楽しめた。植物の名前などおよそ日本人には馴染みのないものが登場するが(例えばヤマヨモギなど)、ネットで検索して写真を見ておくだけでイメージがつきやすいかも(まったくイメージできないものを自分なりに、とか文章でイメージするというのもまたそれは小説の醍醐味でもあるが)。
本屋さんに行って数ページ読んでみて買ってもいいと思う。
いや、これは「つかみ」がバッチリなのであっという間に没入すること間違いなし。
ほんとにいい本に出会いました。
ゴールデングローブ賞なるものをとっている。そして評判も悪くない。
これはきっと自分の見方、姿勢が悪いのだと思ってこの小説を手にとった。平積みにされてたけど、大した厚みもなく千円弱(文庫本で千円はワタクシ的価値観としてはかなりお高いです)。
しかし、買って良かった、読んで良かった。読み終えた瞬間に映画を見直したが、本のおかげもあってめちゃくちゃ楽しめた。(幸い映画の記憶はほとんどなし。ナイスキャスト、ナイス構成。映画の感想は控えた方がいいですね)
この文章のセンスよ。活字だけで胸にジンワリしみてくる。暖かさも冷たさもくる。
作家はこの世に数多いると思うが、物書きを名乗るならここまで書けてはじめて物書きだと思う。
時代背景やそれに纏る土地、国柄。翻訳の難易度は高いと思われるが、余計な注釈などされてなく存分に楽しめた。植物の名前などおよそ日本人には馴染みのないものが登場するが(例えばヤマヨモギなど)、ネットで検索して写真を見ておくだけでイメージがつきやすいかも(まったくイメージできないものを自分なりに、とか文章でイメージするというのもまたそれは小説の醍醐味でもあるが)。
本屋さんに行って数ページ読んでみて買ってもいいと思う。
いや、これは「つかみ」がバッチリなのであっという間に没入すること間違いなし。
ほんとにいい本に出会いました。
2021年10月10日に日本でレビュー済み
と言ったのは伝説のドラァグクイーン=ル・ポールさん。(今読んでるロバート・ウェッブの「男らしさはつらいよ」で引用されてた。)出てくる大人(の範疇)たちがみな余計なもん背負わされてる、とも読めるゆえ。
映画も各国映画祭で話題ですが、予告見る限り原作に忠実そうで何より。訳者様の卓越のおかげで、情緒過多に流れないドライな語り口もとても雰囲気にあってて、衝撃がくるラストまでの隠れ蓑の巧さに唸ります。カーソン・マッカラーズやフランシス・オコナーと親和性高いんじゃないかと思うんだけど、こりゃやっぱりカンピオンやプルーの影響でもあったり。
内容はというと、結局みんな愛情欠乏症のまま育っちゃって、伝統的なイヤな価値観信じこまされて、同じ言語話してんのに通じないままうっちゃらかしてたからこんなことに、というと身も蓋もないんだけど、でもそういう話。T・サヴェッジが自身のセクシャリティと対世界にいかに抑圧を感じていたか、時代もあって非常に傷ましくもあるが、でもそれでも、書かれて良かったし非常に意義のある佳品だと思う。
(逆に何で今まで歴史に埋もれてたのかが不思議でなりません。)
映画の宣伝コピーにある、フィルの人となりが冷酷で傲慢で非情とあるのだけど、それはとても上面だけの説明にすぎないのは強調したい。読後は彼の有能さや善良さ、道徳心の高さや高潔にも思える佇まいに魅了されること必至なので。(でもまあやっぱりインディアン親子の話はもうちょっと聞いてあげてもイイかな。)
ブロークバックマウンテンの頃はひたすら保守的アメリカキッツいのぉ、で終始できたけど、あれから時代はかなり進んで、今このテーマをどう見るか興味深い。(ストレートのアクターがゲイを演じることの是非って方面でばかり語られる、ってのも時代ですなあ、隔世感ハンパないw)
映画見る前に是非とも読むべき原作って久しぶり。
映画も各国映画祭で話題ですが、予告見る限り原作に忠実そうで何より。訳者様の卓越のおかげで、情緒過多に流れないドライな語り口もとても雰囲気にあってて、衝撃がくるラストまでの隠れ蓑の巧さに唸ります。カーソン・マッカラーズやフランシス・オコナーと親和性高いんじゃないかと思うんだけど、こりゃやっぱりカンピオンやプルーの影響でもあったり。
内容はというと、結局みんな愛情欠乏症のまま育っちゃって、伝統的なイヤな価値観信じこまされて、同じ言語話してんのに通じないままうっちゃらかしてたからこんなことに、というと身も蓋もないんだけど、でもそういう話。T・サヴェッジが自身のセクシャリティと対世界にいかに抑圧を感じていたか、時代もあって非常に傷ましくもあるが、でもそれでも、書かれて良かったし非常に意義のある佳品だと思う。
(逆に何で今まで歴史に埋もれてたのかが不思議でなりません。)
映画の宣伝コピーにある、フィルの人となりが冷酷で傲慢で非情とあるのだけど、それはとても上面だけの説明にすぎないのは強調したい。読後は彼の有能さや善良さ、道徳心の高さや高潔にも思える佇まいに魅了されること必至なので。(でもまあやっぱりインディアン親子の話はもうちょっと聞いてあげてもイイかな。)
ブロークバックマウンテンの頃はひたすら保守的アメリカキッツいのぉ、で終始できたけど、あれから時代はかなり進んで、今このテーマをどう見るか興味深い。(ストレートのアクターがゲイを演じることの是非って方面でばかり語られる、ってのも時代ですなあ、隔世感ハンパないw)
映画見る前に是非とも読むべき原作って久しぶり。
2022年1月15日に日本でレビュー済み
Amazonで購入
読み始めたらお兄さん(フィル)のキャラがめちゃ癖が強くて内容も丁寧で分かりやすく楽しめましたが最後にこの展開?!
あ〜フィル好きだったのでもっと読んでたかったな〜。
あ〜フィル好きだったのでもっと読んでたかったな〜。
2021年11月16日に日本でレビュー済み
Amazonで購入
翻訳者が巻末解説で書いているとおり、ぼくも「すごい本に出会ってしまった」。
1967年に本になった作品。原作者は1915生まれで2003年没。小説の背景は1920年代のモンタナ。
主人公は牧場主の兄弟。兄は、切れ者で、冷徹で、実務的で、仕事一筋。人からも尊敬されるが、心を表すことはあまりない。弟は、外見も内容でも兄に劣等感を感じてきたが、子連れの未亡人と結婚し家に引き入れることで、兄との間に次第に距離ができてゆく。
淡々と描かれてゆく牧場の労働者たちと経営者兄弟の日常。モンタナの美しくも厳しい自然の中で営まれる人間たちと家畜たちの日々。
短編小説をいくつも重ねたような切れ味で、エピソードが積み重ねられる中、明確なストーリーを感じずにいるのに、それでもページを繰る手が止まらない、そういう類いの小説である。
さらには、歴史小説としても読めるくらい、当時の移民・先住民・労働者などの生活や政治的経済的立場が活写されて無言の評価を作家的視点で下している点なども、かなり魅力的である。
濃縮された時間を、美しい文体と、氷のような不思議な緊張感の中で、何か不穏なものだけが感じられ、ページをきりりと締め付けているような、そんな一冊である。きりっと張りつめた空気を生み出す独特の文体も、豊かな個性で描き分けられた登場人物たちや、町の人たちの生活の活写を盛り上げられ、支えられてゆく。
小さな物語の蓄積で作られてゆく小説世界は、兄弟の生活に新しい妻と連れ子の若者が現われることで、安定を欠いてゆく。じわじわと張りつめてゆく緊張感と、三角関係から四角関係へ変容してゆく奇妙な怖さが、見えざるエンディングへの高まりを作ってゆく。
この作品は映画化され、この11月から上映館で、12月からNetflixで、公開される。こんな機会がなければ、作品が翻訳されることはなかったろう。作品の予告編はネットで観ることができる。予想通り、美しい映像である。優れた原作小説を味わった後、ぼくとしては映画館へ足を運び、この物語を再体験してみたいと思っている。
ともあれ長く埋もれていたこんな「すごい本」を読めるようになったことに、ただただ感謝!
ちなみにドン・ウィンズロウの麻薬戦争三部作の第一作『犬の力』と、原文は同じタイトルであり、巻頭の引用も同じ以下のものである。
<私の魂をつるぎから、わたしのいのちを犬の力から救い出してください----『詩編』>
1967年に本になった作品。原作者は1915生まれで2003年没。小説の背景は1920年代のモンタナ。
主人公は牧場主の兄弟。兄は、切れ者で、冷徹で、実務的で、仕事一筋。人からも尊敬されるが、心を表すことはあまりない。弟は、外見も内容でも兄に劣等感を感じてきたが、子連れの未亡人と結婚し家に引き入れることで、兄との間に次第に距離ができてゆく。
淡々と描かれてゆく牧場の労働者たちと経営者兄弟の日常。モンタナの美しくも厳しい自然の中で営まれる人間たちと家畜たちの日々。
短編小説をいくつも重ねたような切れ味で、エピソードが積み重ねられる中、明確なストーリーを感じずにいるのに、それでもページを繰る手が止まらない、そういう類いの小説である。
さらには、歴史小説としても読めるくらい、当時の移民・先住民・労働者などの生活や政治的経済的立場が活写されて無言の評価を作家的視点で下している点なども、かなり魅力的である。
濃縮された時間を、美しい文体と、氷のような不思議な緊張感の中で、何か不穏なものだけが感じられ、ページをきりりと締め付けているような、そんな一冊である。きりっと張りつめた空気を生み出す独特の文体も、豊かな個性で描き分けられた登場人物たちや、町の人たちの生活の活写を盛り上げられ、支えられてゆく。
小さな物語の蓄積で作られてゆく小説世界は、兄弟の生活に新しい妻と連れ子の若者が現われることで、安定を欠いてゆく。じわじわと張りつめてゆく緊張感と、三角関係から四角関係へ変容してゆく奇妙な怖さが、見えざるエンディングへの高まりを作ってゆく。
この作品は映画化され、この11月から上映館で、12月からNetflixで、公開される。こんな機会がなければ、作品が翻訳されることはなかったろう。作品の予告編はネットで観ることができる。予想通り、美しい映像である。優れた原作小説を味わった後、ぼくとしては映画館へ足を運び、この物語を再体験してみたいと思っている。
ともあれ長く埋もれていたこんな「すごい本」を読めるようになったことに、ただただ感謝!
ちなみにドン・ウィンズロウの麻薬戦争三部作の第一作『犬の力』と、原文は同じタイトルであり、巻頭の引用も同じ以下のものである。
<私の魂をつるぎから、わたしのいのちを犬の力から救い出してください----『詩編』>