この本は、万一に、自分たちが親族の死亡に際しての臓器のドナー側となった場合や、逆に、臓器の提供を受けるレシピエント側になった場合の、意思決定をする際に大変参考になる本だと思います。しかし、この本には書かれていないことで、知っておいてほしいことがまだあります。
私は最近(2016/11)、1994年出版のFS的フィクション(小説)「変身」(東野圭吾)に3つ星のカスタマー・レビューを書きました。NHK-TVでその映画を観たのがきっかけでした。そこに書いた私の記事は、そのままここでも、特に臓器のドナー側の親族に参考になるかもしれないと思います。たぶん「臓器移植」の考えにブレーキをかけるかもしれないが、真実は知っておくべきでしょう。以下は、「変身」からの私の記事のコピーを一部編集したものです:
「脳死」を条件に人の臓器移植をしている今日、多分こんな本(「変身」東野圭吾)を書くと、臓器移植にブレーキをかけると心配する医者・機関があるでしょう。
「脳移植」なんてことは将来もあり得ないから、この話はSF的でいいでしょう、と言うかもしれないが、それは違うようです。実際、臓器移植先進国である米国では、「心臓移植」を受けた多くの人が、ドナーの記憶・性格・嗜好を受け継いでいる事実が分かっています。この事実は臓器移植に係わる医者・機関(および本書の著者、橳島次郎、河出雅彦氏ら)は知っているはずのことですが、しかし、これを公にすることは臓器移植にブレーキをかけるであろうから、何もそれを積極的に世に知らしめる必要はない、と考えるでしょう。多分、心臓移植を受ける患者はそのような事実を知らないでしょうし、また、臓器移植をする医者も事前にそんな説明はしないでしょう。
心臓移植に伴う上記の事実を根拠に、「心臓(心、ハート)」にも、「脳」と同じ記憶を蓄える機能があるのではないか、と考える科学者も少なくないようです。
「心臓移植」を受けた多くの人が、ドナーの記憶・性格・嗜好を受け継いでいる事実に関しては、小松美彦 著「脳死・臓器移植の本当の話」(2004年)のカスタマー・レビューに、その出典を挙げておきました。もし興味がありましたら、ご覧ください(今みると、全く長々と書いたもんだ、と自分ながらあきれます。)
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移植医療 (岩波新書) 新書 – 2014/6/21
〓島(ぬでしま) 次郎
(著),
出河 雅彦
(著)
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脳死問題が盛んに議論される陰で、本来あるべき包括的法整備や当事者保護が行き届かない面のあった日本の移植医療。現実にどんな問題があるのか、海外ではどうか。よりよい医療を実現するために、今考えるべきことは何か。臓器移植の限界と再生医療の展望を論じる、研究者とジャーナリストの共著。
- 本の長さ240ページ
- 言語日本語
- 出版社岩波書店
- 発売日2014/6/21
- 寸法11.5 x 0.8 x 17.5 cm
- ISBN-104004314887
- ISBN-13978-4004314882
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商品の説明
著者について
橳島次郎(ぬでしま・じろう)
1960年生まれ。三菱化学生命科学研究所室長などを経て、現在は東京財団研究員(非常勤)。専門は生命科学・医学を中心にした科学政策論。著書に『先端医療のルール―人体利用はどこまで許されるのか』(講談社現代新書)、『精神を切る手術―脳に分け入る科学の歴史』(岩波書店)など。
出河雅彦(いでがわ・まさひこ)
1960年生まれ。92年朝日新聞社入社。2002年から編集委員、13年より青森総局長。医療・介護制度、医療事故、薬害エイズ問題、臨床試験などを取材。著書に『ルポ 医療事故』(朝日新書、科学ジャーナリスト賞2009受賞)、『混合診療 「市場原理」が医療を破壊する』(医薬経済社)。
1960年生まれ。三菱化学生命科学研究所室長などを経て、現在は東京財団研究員(非常勤)。専門は生命科学・医学を中心にした科学政策論。著書に『先端医療のルール―人体利用はどこまで許されるのか』(講談社現代新書)、『精神を切る手術―脳に分け入る科学の歴史』(岩波書店)など。
出河雅彦(いでがわ・まさひこ)
1960年生まれ。92年朝日新聞社入社。2002年から編集委員、13年より青森総局長。医療・介護制度、医療事故、薬害エイズ問題、臨床試験などを取材。著書に『ルポ 医療事故』(朝日新書、科学ジャーナリスト賞2009受賞)、『混合診療 「市場原理」が医療を破壊する』(医薬経済社)。
登録情報
- 出版社 : 岩波書店 (2014/6/21)
- 発売日 : 2014/6/21
- 言語 : 日本語
- 新書 : 240ページ
- ISBN-10 : 4004314887
- ISBN-13 : 978-4004314882
- 寸法 : 11.5 x 0.8 x 17.5 cm
- Amazon 売れ筋ランキング: - 113,227位本 (本の売れ筋ランキングを見る)
- - 544位岩波新書
- - 14,795位社会・政治 (本)
- - 19,212位暮らし・健康・子育て (本)
- カスタマーレビュー:
-
トップレビュー
上位レビュー、対象国: 日本
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2016年11月10日に日本でレビュー済み
Amazonで購入
2014年7月7日に日本でレビュー済み
Amazonで購入
臓器提供者が、不幸にして「脳組織が死滅してしまった場合」や「心停止に陥ってしまった場合」であっても、それは「臓器提供を求める人のための人為的な措置であってはならない」と本書は訴える。
これまでは、臓器提供者が如何にしてそういった「脳死」「心停止」の状態になったのかという経緯の説明が比較的蔑ろにされてきたという移植医療現場の様々な問題点を、実例とデータを列挙して提起している。
臓器移植の成功例の件数を増やして実績を挙げることばかりに血道をあげて、奇特にも臓器提供をしてくれる人物(子どもを含む)の“それまでの生き様と死に様”が、ともすれば置き去りにされてしまいがちな現実に警鐘を鳴らしている。
「臓器移植は治療ではなく、単なる臓器の置き換えに過ぎない」という根本的な観点も含めて、加速する一方の移植医療が内包する“人間の尊厳”の問題について、もう一度立ち止まって考えて議論することの重要性を改めて痛感させられる、非常に意義深い内容となっている。
これまでは、臓器提供者が如何にしてそういった「脳死」「心停止」の状態になったのかという経緯の説明が比較的蔑ろにされてきたという移植医療現場の様々な問題点を、実例とデータを列挙して提起している。
臓器移植の成功例の件数を増やして実績を挙げることばかりに血道をあげて、奇特にも臓器提供をしてくれる人物(子どもを含む)の“それまでの生き様と死に様”が、ともすれば置き去りにされてしまいがちな現実に警鐘を鳴らしている。
「臓器移植は治療ではなく、単なる臓器の置き換えに過ぎない」という根本的な観点も含めて、加速する一方の移植医療が内包する“人間の尊厳”の問題について、もう一度立ち止まって考えて議論することの重要性を改めて痛感させられる、非常に意義深い内容となっている。
2016年7月31日に日本でレビュー済み
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とても綺麗な状態で送られてきました。
満足です。安心して次回も購入出来ます。
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2014年7月13日に日本でレビュー済み
2010年の臓器移植法「改正」以降、家族同意による脳死判定や、15才未満でも脳死判定ができるようになり、起こりうる問題は多くなったはずだが、世間の関心は薄くなり、特別な医療としては考えられにくくなっているように感じられる。そうしたことから書籍類も少なくなる中、貴重な書籍となっている。
脳死判定が行われた場合、「家族の意向」などにより、死因が非公開となることがしばしばある。また、公開されていても、あまり意味のない「死因」であることも多い。これを警察が発表する検視の結果とつきあわせてみることで、5人に1人は事件性の有無を確認する必要がある死に方だったという驚くべき事実が明らかにされている。また、15才未満に関しては、全例が「不自然死(内因性の病気などによる死因以外の死亡)」という点にも驚かされる。もちろん、そのことが直ちに脳死判定が間違っていたということにはならないが、少なくとも、臓器移植ネットワークの情報公開が不十分ないしては不適切だということはいえるだろう。
自殺が多いということも気になる。小児に対する虐待の有無については、実際はともかく、きちんと調べることになっている。しかし、自殺の場合、その原因までさかのぼる必要があるはずだが、少なくとも、それが公表されることはない。
また、意外に知られていない、組織移植の実態、病気腎移植の顛末なども丁寧に追ってある。特に膵島移植の欺瞞性などはぜひ知って欲しい事実だ。
全体を通して明らかになるのは、移植医療にせよ、再生医療などを含む先進医療にせよ、場当たり的に法律や制度作りを行い、さらにそこに医学界や医療機関の対応も加わり、一貫した制度設計が行われていないことである。これは日本の医療全体でいえることではあるが、脳死臓器移植ではそれが先鋭的に現れているということができる。
本書は脳死臓器移植に関して、主にドナー側の、脳死判定までについて検証が行われている。一方で、レシピエントが、脳死臓器移植によって、十分に救われているのかも、今後の重要な課題となっていくだろう。現状を把握し、かつ、問題点をとらえる上で、非常に重要な書籍といえる。
脳死判定が行われた場合、「家族の意向」などにより、死因が非公開となることがしばしばある。また、公開されていても、あまり意味のない「死因」であることも多い。これを警察が発表する検視の結果とつきあわせてみることで、5人に1人は事件性の有無を確認する必要がある死に方だったという驚くべき事実が明らかにされている。また、15才未満に関しては、全例が「不自然死(内因性の病気などによる死因以外の死亡)」という点にも驚かされる。もちろん、そのことが直ちに脳死判定が間違っていたということにはならないが、少なくとも、臓器移植ネットワークの情報公開が不十分ないしては不適切だということはいえるだろう。
自殺が多いということも気になる。小児に対する虐待の有無については、実際はともかく、きちんと調べることになっている。しかし、自殺の場合、その原因までさかのぼる必要があるはずだが、少なくとも、それが公表されることはない。
また、意外に知られていない、組織移植の実態、病気腎移植の顛末なども丁寧に追ってある。特に膵島移植の欺瞞性などはぜひ知って欲しい事実だ。
全体を通して明らかになるのは、移植医療にせよ、再生医療などを含む先進医療にせよ、場当たり的に法律や制度作りを行い、さらにそこに医学界や医療機関の対応も加わり、一貫した制度設計が行われていないことである。これは日本の医療全体でいえることではあるが、脳死臓器移植ではそれが先鋭的に現れているということができる。
本書は脳死臓器移植に関して、主にドナー側の、脳死判定までについて検証が行われている。一方で、レシピエントが、脳死臓器移植によって、十分に救われているのかも、今後の重要な課題となっていくだろう。現状を把握し、かつ、問題点をとらえる上で、非常に重要な書籍といえる。
2017年5月10日に日本でレビュー済み
たしかに本書に書かれている5つの点は考えるべき問題だろう。ただ移植医療全体からすると比較的特殊なケースを一般的な問題のように取り上げるスタンスには違和感を感じた。移植医療のメインストリームで議論されているような課題は殆ど触れられていない。著者の一人はいわゆるルポを書くジャーナリストとのことで、問題を暴いてやる的なクセが強い。それに意義がないとは言わないけれど、岩波新書から「移植医療」というタイトルで出版されている本に私が期待するものはかけ離れていた。こういう内容ならもっと煽り系のタイトルにしてほしい。