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復活(上) (岩波文庫) 文庫 – 2014/7/17

トルストイ (著), 藤沼貴 (翻訳)

4.2 15個の評価

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『復活』は人間の復活とは何かを問う長篇で、後期トルストイ(1828-1910)の問題意識や到達点が最も多面的に示されている。殺人事件の陪審員として法廷に出たネフリュードフは、容疑者の娼婦が、10年前に自分が誘惑して捨て去った叔母の家の小間使いカチューシャであることに気づき、激しい良心の呵責にさいなまれる。(全2冊)

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本の長さ

480ページ
言語

日本語
出版社

岩波書店
発売日

2014/7/17
寸法

10.5 x 1.9 x 15 cm
ISBN-10

4003570057
ISBN-13

978-4003570050
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登録情報

出版社 ‏ : ‎ 岩波書店 (2014/7/17)
発売日 ‏ : ‎ 2014/7/17
言語 ‏ : ‎ 日本語
文庫 ‏ : ‎ 480ページ
ISBN-10 ‏ : ‎ 4003570057
ISBN-13 ‏ : ‎ 978-4003570050
寸法 ‏ : ‎ 10.5 x 1.9 x 15 cm

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期待通り

2019年5月18日に日本でレビュー済み

Amazonで購入

先輩に勧められて読み始めました。まだ途中ですが、引き込まれます。物語の展開の壮大さに圧倒されます。

3人のお客様がこれが役に立ったと考えています

役に立った

ばんぺいゆ

「人間の精神は進歩するのではなく、復活するのだ」

2021年10月18日に日本でレビュー済み

（上下巻通してのレビューです）
小説の形をとったトルストイの思想書。自己の欲望を正当化し、ゆがんだ観念で人を裁くことが社会を悲惨なものにしている、と。
曰く「みんながただ自分のために、自分の快楽のために生きていた、そして神や善について言う言葉はすべてごまかしだった。」
曰く「富、つまり略奪を自慢する金持ち、勝利、つまり殺人を自慢する司令官、権力、つまり暴力行為を自慢する為政者……これらの人々が自分の立場を正当化するために、人生や善悪の観念をゆがめているのにわれわれが気づかないのは、このようなゆがんだ観念を持っている人々のサークルが、泥棒、娼婦、人殺しのサークルより大きく、われわれ自身がそれに属しているからにすぎない。」
曰く「自分は神の前では常に罪深い者であり、したがって、ほかの人間を罰することも矯正することもできない」
そして、「人間の精神は進歩するのではなく、復活するのだ。」という言葉が深い。

2016年6月21日に日本でレビュー済み

Amazonで購入

　社会体制とくに裁判制度を批判して、その点では大トルストイの威光もあって、
成果があったのだろうが、芸術作品としては二流品だと思います。同じテーマを
ドストエフスキーかユーゴーなどが書いていたらと思わないではいられない。
　裁判制度をながながと批判しているうちに、いつのまにかカチューシャの心が
復活するというのは説得力に欠けるように思われる。しかし、実際の事件に基づいて
いるためか、カチューシャの反応はいつも意外性に富み、そこだけが際立って
迫真的である。ネフリュードフは貴族の坊ちゃんに終始し、彼の善意は感動をよばない。

4人のお客様がこれが役に立ったと考えています

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Amazon Customer

小説の名を借りた社会批判の書

2017年11月21日に日本でレビュー済み

10年余りもの歳月を費やして書かれたという本書の主題は、上巻冒頭（P.12）の、「人間たちはこう考えているのだった。神聖であり大切なのはこの春の朝ではない。（中略）大切なのは、たがいに他人を支配するために、人間たちが勝手に考え出したことなのである」という一文に集約されていると思います。
つまり、人間が作り出した社会制度というものへの手厳しい批判。

本文の多くの部分が、19世紀末のロシアの社会体制、とりわけ司法制度への、こと細かい膨大な数の例をあげた批判にさかれていて、ネフリュードフとカチューシャの胸を打つ物語は、ページが進むごとに脇へと追いやられていってしまいます。
同じような批判が長大な作品の最後まで延々と繰り返されるので、だんだん読むのが苦痛になってくる。

そこから読み取れる、ネフリュードフの口を介して語られる後期トルストイの思想が、またかなり極端。

犯罪者は全て社会の犠牲者で、人間は皆生まれながらに罪人なのだから、人が人を裁く裁判制度は悪。
懲役制度を否定し、体罰（拷問）と死刑を肯定。
国家の制度に仕える者は悪人。
文明の進歩の否定。
食用のために生き物を殺すことは犯罪で、性欲を持つことさえ罪。
等々。

さらには、誤った社会体制を変えるためなら、暴力的なテロさえ容認されるとも。
当時のロシアの社会が本書に書かれている通りだとしたら、特権階級以外の民衆はとても幸せとは言えず、著者が激しく憤るのは十分理解できる。
しかし、無差別な暴力によって体制を倒すという考え方は、今という時代では容易に通用するものではありません。

これらの点から、執筆時に様々な社会的活動に携わっていたというトルストイによる、特定の時代の特定の国家制度へのピンポイントの批判の書とも言える本書には、彼の他の作品にあるような、時代や国を越えて伝わる普遍性はあまりありません。

昔のロシアの社会の様子を詳しく知りたいという人なら、興味深く読めるかもしれませんが。

3人のお客様がこれが役に立ったと考えています

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