俳句第二芸術論―赤い椿白い椿と落ちにけり
子規と碧梧桐―師を追うて霧晴るゝ大河渡らばや
三千里の旅へ―鳥渡る博物館の林かな
新傾向俳句の誕生―思はずもヒヨコ生れぬ冬薔薇
龍眠帖と龍眠会―鮎活けて朝見んを又た灯ともしぬ
碧梧桐と虚子―虚子といふ友ありけりや冬瓜汁
無中心論の展開―相撲乗せし便船のなど時化となり
登山家・碧梧桐―立山は手届く爪殺ぎの雪
『八年間』の麗姿―ローマの花ミモーザの花其花を手に
関東大震災の記録―松葉牡丹のむき出しな茎がよれて倒れて
新切字の探索―汐のよい船脚を瀬戸の鴎は鴎づれ
ルビ付俳句の意義―虎猫友猫なうて来る鼻声鼻黒が痩せて腰骨
碧梧桐死す―金襴帯かゝやくをあやに解きつ巻き巻き解きつ